日経新聞日曜版の特集記事のタイトルだ。以下の文面から始まる。
“1970年代後半から次々に誕生した「セレクトショップ」。バブル崩壊で混迷した90年代、ユニクロやファストファッションが勢いを増した2000年代もかいくぐり、約50年も過ぎた。欧米のファッションを紹介することから始まった店は今、寺の境内にオープンしたり、ソーラーシェアリングを手掛けたり。セレクトショップはどこへ向かうのか?”
写真付きで紹介されているのは「ロンハーマンのソーラーシェアリング施設」「善光寺境内にあるビームス」「工芸品、骨董品、生活雑貨のタバヤユナイテッドアローズの2階」「ユナイテッドトーキョーの日本製」「デイトナインターナショナルの映画グッズ」。その他、地方での地元との取り組みで「桐生市のst companyのイベント」「古河市のフリークスストアのワーキングスペース」「匝瑳市のロンハーマンの有機農法」「富士川町でのビームス社員のキャンプ用品」。
セレクトショップとしての「数字よりもマインド」を紹介した記事で、表題の内容とはかけ離れているような気もする。どの紹介事業も大きな数字に結び付くわけでなく、企業の生き方を表現したかったのだろう。記事のサブタイトルは「What’s next?」であり、「⁇一番かっこよくて美しいもの⁇」「⁇人が楽しそうにいてくれる場所⁇」とある。
このブログでも、セレクトショップを運営する企業の将来性についてはまとめたことがある。現実的には、高齢化が進みトレンドリーダーであるヤング層が大幅に減少する。上場企業である「ユナイテッドアローズ」「TOKYO BASE」はターゲット客層を広げないと、上場の維持が厳しくなる。大手と言われるセレクト運営企業も存在価値を明確にし、その方向性を示す必要が出てくる。片方で、世間に媚びずに生きていく戦略もある。企業としての「思い」を共感できるお客様を増やして、存在価値を示していく。これがこの記事の主旨だろうと受け取れる。ただし、これによって大きな企業力の拡大はあるのだろうか?
この記事にある、桐生のst companyの社長には30年以上公私共にお世話になった。路面店でDCブランドを数多く展開していた時からよく存じ上げている。商品調達面で、20年以上海外出張も続けている。この路面店を作る時も工事中にもお邪魔したし、その後もいろんな話を伺った。セレクト中心になり、路面店中心に商売を移して勝手ながら心配していたが、ネットの販売力もあり、取引先との信頼関係も厚く、そして何よりも強い熱意が固定客を増やしているようだ。
st companyの成功例を見ていると、逆に、今後のセレクトショップ運営企業は、商品感度を維持できるのなら、環境に恵まれた地方都市に個性的な店を持つことも、1つの戦略かもしれない。ターゲット客は大都市集中になることが予測されるが、逆に地方でも中心都市でなく、売場環境を整えられる場所で商売する方が広域から集客できるのではないかと思う。上述した桐生市のように地方の中心都市でなくても、店のイメージや商品やブランドに希少価値があるなら近県のお客様は東京よりも行きやすい。st companyのように常に新鮮な商売をしていると、どんどん商圏も広がっていくような気がする。そうなれば、人口減も商圏拡大で補える。
世間で言われる大都市が少なくなっていく将来を考えると、地方でも売場や商品で個性を打ち出し、商圏を広げていければ、十分に立ち向かえるかもしれない。ただ、常に進化し続ける計り知れない努力は必要になる。
■日経日曜版の「st company」のイベント写真









