小売業でのディストリビューター(DB)の仕事は、「在庫管理」「仕入管理」に加えて「利益管理」も大きな仕事だと思っている。イトーヨーカドーがリーディングカンパニーだったのはこのポジションを重要視したからだと思う。小売業が成功するには「適正在庫」が基本事項なのは間違いない。その在庫管理の司令塔的ポジションがDBだと言える。
大昔は、値札の裏側に品番を書いて半券管理し、売れている商品のデータを作っていた。売れている商品は販売点数を考えて発注していた。それがPOSシステム導入でバーコード管理になりになり、追加発注以外は本部で管理しDBが商品の単品指示を出していた。それでも組織内の人間関係もあり、権限に違いが出てくる。商品組織の中でも営業と管理の違いがあり、バイヤーとDBは別組織にする方が望ましいし、商品の仕入れ枠の最終権限も所属長以下ではDBが持っているのが望ましいと思っている。ただ、多くの企業はバイヤーの権限が強いように見える。商品に愛着を持って仕入れる担当者が、商品の最終処分まで指示できるとは思えないが、経験してきた大企業でも、バイヤーの意見が強かった記憶がある。そして、組織には人間関係があり、ついついなれ合いになってしまうことが多い。
商品回転率は小売企業にとって経営の大きな指標になる。そのうえで、組織の関係や人情が入る商品のジャッジはAIに任せた方がいいと思う。AIが商品売上データを分析し、対策を立案させ、それをジャッジして決定すればいい。これぐらいのシステムは現状なら簡単に作れるだろうと思う。例えば商品の販売期間を設定し、単品別のデータを毎週店別にアップする。その販売期間内での消化状況を開示し、その対策を立案させる。好調店舗への商品移動や、不振店舗への販売助言、最終的にはプライスダウンの指示。さらに、不振商品ならそれをなくすために必要な値下げ額と、それによる全体の利益率への影響度の報告。さらに、今後の仕入商品の原価率や仕入金額で、期間での利益着地予想も算出させる。そして、その報告をもとに企業(責任者)が商品対策をどうするかをジャッジする。
おそらく、もう活用している企業はまちがいなくあると思う。商品を仕入れたバイヤーには当然思い入れもあるし、利益率と在庫のジャッジは非常に難しい。毎回書いているが、食品の賞味期限はわかるが非食品の賞味期限はわからない。企業の主観で勝手に決めている。この商品は季節感がないので年間定番だとか、まだ販売期間を延ばしてもいいなど、商品ジャッジのミスで企業生命がなくなっていく。近年はそうなった企業も多いし、その予備軍も多い。
こういうソフトを作るのにどれだけの投資がかかるかわからない。おそらく支援制度はあるだろうし、それによりDB的なポジションの経費は減らせる。そして何より、本部からのジャッジが明確になる。多店舗化して企業を拡大していくなら判断基準を明確にした方がいい。
ただ、売れる店には、当然それ以外の「anything eles」も必要ではあるが・・・
※AIに上記のようなAIシステムを使っている会社を聞いてみたら、「パルグループ」「ストライプインターナショナル」「ナノユニバース」などの社名と活用されている主なシステム名を答えてくれた。
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