神戸のことを書いていて、昔ハーバーランド(ウミエ)から出店依頼を受け、神戸の街を見て回ったことを思い出した。リニュアルのタイミングでPMをしていたイオンモールからの出店の話だった。もともとビブレにいたので月に1度くらいは三宮に行っていた。そのため、どうしても神戸は「三宮」「元町」の印象が強く、港から海側を歩いて「モザイク」まで行くイメージしかなかった。あの阪急百貨店でも成功しなかった場所が成功するとは思えず、断った。その後アンパンマンミュージアムでファミリー層が一挙に増え成功したSCになった。その客層がメインになることは予想できなかった。ただ出店していたら売れていたかどうかはわからない。
その出店の話を持ってきてくれたイオンモールのスタッフは、当時経営していた店のMDをよく理解していたし、店の存在価値をわかってくれていた。数少ないデベロッパー側の理解者だった。そのため、提案もらった店への出店が成功する確率は高かった。当時の店はボリュームプライス中心の自主MD店だった。インパクトある店やはっきりしたブランドの店はわかりやすいが、なかなかボリュームの品揃店舗にはSCから優先的に声がかからない。当然店のビジネスモデルは確立させたつもりだし、そのポジショニングなど差別化要素を示した店舗資料も作っていた。ただ、多くのリーシング担当者はなかなか耳を傾けてはくれなかった。その位置づけを理解してくれているリーシングスタッフは、ほとんどいなかった。
大部分は大手SCのリーシングスタッフだったが、ほぼ経営していた店のMDについては関心がなかったように思う。環境と条件だけ言って出店の可否を聞くケースがほとんどだった。つまり大手SCでは、館のイメージを決めてしまうテナント以外は、ほぼ穴埋めの1つとしての出店交渉になっている。「この場所(SC、区画、条件)に出店しなければこのエリアにはもう出店できない」といった高圧的なリーシング担当者もいた。「イオンの平場でもできる品揃えではなく、品揃えのグレード感を上げてほしい」と言った担当者もいる。イオンの平場との違いを分かってないし、その説明を理解しようとしなかった。
大手SCのリーシングは本部が担っているケースが多い。やはり、仕事の一環としてのリーシングで、その物件への愛着があまり感じられない。与えられたスペースに機械的にテナントを入れる。リーシング担当として、SCでの各テナントの重要度やテナントの出店傾向は理解しているので、話も進めやすい。そして、大手企業へのリーシングは本部同士の話し合いでほとんど決まる。その後の現場での問題点も、本部で吸い上げ、解決への動きになる。逆に中小小売店への対応は、その後になり遅れるし、現場へふられるケースも多くなる。
今までの小売業でも経験上、本部中心になれば現場は作業的になっていく。現場提案が少なくなる。ただ、現場が中心にならなければ成功はない。現状は空床区画が目立つSCも多い。特にオープン以降のリーシングに関しては、動向を見ている現場主導であるべきだ。リーシングの方向性、数値計画を現場(各SC)が作り、リーシングも主体は現場がやる。気持ちが入ったリーシングは数字に直結する。
今後、郊外型大型モール(RSC)は、間違いなくダウントレンドになる。そして、本部主導でのリーシングには限界が来る。個店での対応が難しいとしても、小さな単位でのテナント対応が必ず必要になる。そして、大手小売業だけでなく、がんばって商売している中小小売業への理解とケアを進めていくべきだと思う。
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