ビームスが「ビームスハート」を、2月トーキョーベイ、3月柏の葉、横浜、エキスポシティに、ららぽーとへの出店をしていく。
「ビームスハート」は従来ビームスのアウトレットでのメインブランドだった。セレクトショップのアウトレットについてはこのブログでさんざん書いてきた。アウトレット商品よりアウトレットオリジナル商品が多く、おそらくこのブランドが半分以上占めているように見えていた。つまり本来の「売れ残った」商品ではなく、そのために作られた商品を売っていたということになる。それは本来のアウトレットの姿ではなく、逆に数字を稼ぐ場所になっているように感じていた。これは、ビームスだけのことではなくアウトレットの数字の伸び悩みにも通じている。(セレクト系ではトゥモローランドにはそういう商品はなかったように見えたが・・・)
このブランドで大型モール(RSC)に出店する意味はどこにあるのか?間違いなく販路の拡大だと思う。従来のブランドなら出店をしなかったRSCの客層へ、顧客幅を拡大したいということだと思う。ユナイテッドアローズが「グリーンレーベル」で、ベイクルーズが「レリューム」や「ジョイントワークス」でのRSCへの出店とほぼ同じ意味合いになる。
セレクト系と言っても幅は広いが、従来のセレクトショップやベイクルーズ、上場しているトーキョーベース等も加えると売上規模は5000億強と想定できる。上場企業はユナイテッドアローズに加えて上記したトーキョーベースがある。MD型大型アパレルのパルグループやアダストリアにも同形態の店もあるのでその規模はもう少し大きいかもしれない。ただ今後の人口減少や高齢化を考えると、従来の顧客は減っていく。国内アパレル市場の売上は2024年度約8.5兆と言われている。コロナ前の9.2兆から回復していない。さらに今後の人口減少、高齢化、若年層の大幅減少を考えると、20年後には5~6兆まで落ち込む可能性は高いと言われている。
別の角度で見てみる。セレクト系上場企業であるユナイテッドアローズとTOKYO BASE 2社の株価の動きを確認する。ユナイテッドアローズは1999年上場で初値は15000円だった。その後分割を3度しており、修正の初値で言うと3125円程度になる。そして現状の株価は2500円を下回って変動している。TOKYO BASEは2015年上場で初値は1230円、分割を繰り返しており修正すると初値は171円程度になっている。現状は400円を切る株価で推移している。当初株価を大きく上回るが、分母がなかなか大きくなっていない。近年の売上は両社とも小売業の中では安定して伸長しているが、株価に反映されていないように見える。考えられる要因は、在庫の重さもあるが、客数の大幅減が想定され、この業界(セレクト系)の成長が見通せないからだと思う。
客層の幅を広げるため、従来戦ってきたセレクト系からRSCを主戦場とするボリュームゾーンへの挑戦は、そんなに簡単なことではない。売り方やプライスラインに大きな違いが出てくる。感度、感性よりも値段への比重も上がってくる。何よりも競合各社にはそのゾーンで戦ってきたノウハウが蓄積されている。
出店した1~2年は、プラス効果はあると思うが、アウトレットの商売のようには甘くはないと思う。逆に、さらに従来のセレクト要素を追求して、安定した顧客を作ることに専念した方がいいのではないだろうか?特にビームスは上場企業ではないのだから、安易な方向に乗り出さなくてもいいのではと思ってしまう。
■今日のBGM









