もしストライキ決行なら、百貨店のストライキは1957年の福岡岩田屋のストライキ以来のようである。
池袋西武の解決口は見つかるのだろうか?セブンアイは百貨店事業をどうしていくのだろうか?
現状のそごう西武の店舗は10店で百貨店業態は8店舗のようである。百貨店8店舗の売り上げは2022年度で池袋西武1540億、横浜そごう949億、千葉そごう656億、広島そごう326億、大宮そごう265億、渋谷西武264億、福井西武97億、秋田西武65億となっている。ちなみに百貨店業態の売上利益率は22.9%と想像以上に低い。
30年ほど前だと思うが200億以下の百貨店はまず成り立たないといわれていたように思う。間違いなく、福井西武、秋田西武は赤字だと思う。土地建物の所有関係がわからないが、大宮そごう、池袋西武も赤字ではないだろうか。
ここで問題になるのは基幹店の池袋西武の存続のことになる。かつて池袋西武は百貨店No1の売り上げを誇っていた。間違いなくそごう西武の拠点である。
百貨店は取引形態も多種多様で、多くは消化仕入れ(人件費、内装費の負担等で掛け率も変わる)となっている。そごう西武の社員よりも取引先の社員のほうが多いかもしれない。
取引先も売り上げの大きな売場が欲しい。そういう意味で全国百貨店3位の池袋の存続が今後のMDに大きく影響する。池袋西武が今までの百貨店業態と違ったMDになったら横浜そごう、千葉そごうくらいしか存続できないのではないかと思う。つまり池袋にあるから、池袋に出店したいから、その兼ね合いで他のそごう西武の百貨店に出店している取引先が多いのではないかということだ。
つまり池袋西武の方向性でそごう西武はなくなってしまう危険性が高まるということだ。当然、従業員の仕事にも大きく影響する。取引先の従業員の問題もある。
冷静に考えると、百貨店は間違いなくダウントレンドだ。現状好調な店も、大都市である程度富裕層がおり、インバウンド客が多く訪れる立地しか成功してない。この傾向はまちがいなく続く。その流れの中でどうやって存続していくのかを労使で徹底的に話し合う必要がある。
セブン&アイには多種多様な業態がある。コンビニ出身のトップが百貨店や量販店、専門店をすべて理解しているとは思えないし、各グループのトップが大きな改善策を出しているようにも見えない。これだけ大きくなると、労使ともに向かうところが見えなくなってきて、全体感が見えてないというのが実情だと思う。
ストライキの件に関しては、百貨店事業をどうするか大きなターニングポイントだから、やってみたらと思う。一つの起爆剤にはなる。一般消費者にはそこまで大きな問題にならないと思う。投資家は一時の利益のために動いているだけで、将来像はない。高く売り抜けるだけだ。存続に関してはお互い歩み寄る必要がある。お互いの痛みは当然出てくる。現状の小売業を考えると絶対ウインウインはない。
だらだらと書いたが、「今後の百貨店像は何か」を当事者が徹底的に話し合うことが一番大事なのではないかと思う。ずっとやり続けてきたとは思うが・・・
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