セブン&アイホールディングスがヨーカドーを売却するというニュースが出ている。これはコンビニ事業にとって、いい事なのだろうか?詳しく読むと、コンビニ事業以外を分離したヨークホールディングスの株式売却のようで、このヨークホールディングスにはヨーカドーやロフト、赤ちゃん本舗など31社が含まれている。各社切り売りするのか、すべてなのかの詳細は見えていない。いずれにしても外資の買収案に対抗するため、低収益の他事業を切り離して株価を上げていくというのが今回の対応になっているということだ。
もうコンビニ事業単体で、数字を伸ばせる体制になったのだろうか?もともとはPOS管理が進んでいたGMS事業やSM事業との情報共有で、大きくなっていったのだと思う。今でも数字が伸び悩んでいるとはいえ、日販売り上げを調べてみると、セブンが67万、ファミマが56万、ローソンが55万となっていて、圧倒的な販売力を持っている。
日本人的な発想で言えば、なかなか育ててくれた親会社は切りにくい。セブン&アイの井坂社長はセブンイレブンの出身で、ヨーカドーの出身ではない。それでもここまで大きくなった経緯は十分に理解している。ヨーカドーの衣料品をなくしGMSから撤退させていった「親を否定する」ジャッジは大きな判断だったが、果たしてヨーカドーを売却できるだろうか?イオンGがまだ赤字のGMS事業を続けているのは、創業家への無駄な配慮だと思っている。コンビニ事業単体で十分成果は出せると考えれば、ジャッジできると思う。
昔、イオン内の研修で「コンビニ業態について」という課題で、グループで研究し半年近く打ち合わせをしたことがあった。その時、「イートイン」や「おでんと酒」の提供などそのあとコンビニで実行された企画もあり、面白い経験だった。ちなみにイオングループの「ミニストップ」はスイーツなどが人気で企画力は素晴らしいが、いまだに日販42万となっていて後塵を拝している。その時、今後コンビニはインフラとして絶対必要になってくるとは感じていた。人口減少が進み、過疎化が進む今、買い物をする場所や集まる場がなくなってきている。そのエリアの中心にいろんな機能を持ったコンビニがあれば本当に便利なものになると思う。そういう意味でセブンイレブンの店舗網は将来も魅力的なものだと思う。課題はFC制が続くかということ、さらに過疎地の生活拠点としてのコンビニに「公」が介入できるかということだと考える。
もうヨーカドーやヨークマートからの情報やシステムから学ぶことがないなら、打算的に動いたほうがいいように感じる。人情や過去の成功体験に引っ張られている「西」の企業体質と違う動き方のほうが、「東」のイトーヨーカドーグループらしく見える。
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