年末年始は商売では大きな売上を確保する時期になる。流れの変化は当然あるがコロナ明けの12月、1月の数字は気になる。

小売上場企業の開示された12月売上速報を見たが、既存売上数値でいうとABCマートが昨対110.3%、アオキが105%と+5%越えは2社。ユニクロは84.6%と大きくダウンしている。ユニクロは少し値段が高めに感じたのだが、ワールドワイドで考えている会社なので問題は大きくないかもしれない。ただ90%割れは厳しい数字。他ではアダストリア101%、しまむら102.4%、ニトリ98.4%と前年並みくらいが流れのようだ。厳しい流れは上記ユニクロ以外ではライトオン83.7%マックハウス81.4%と、くしくも指摘してきた商品回転率の悪い会社。

根拠はないけどコロナ前からの既存店売上前年比を掛け合わして、2018年を100として12月はどうだったかを計算してみた。(当然、その間のイレギュラーがあって信頼できる数字ではないが、傾向はわかる。)コロナ前から105%以上の企業はABCマート131.1%、アオキ112.9%、ハニーズ110.0%、しまむら109.5%、西松屋109,2%の5社。調べた中のワースト5はライトオン57.9%、マックハウス71.9%、タカキュー76.6%、ビレッジバンガード77.6%、チヨダ84.2%。

靴業界はそこまで詳しくはないが、ABCマートはビジネス離れやスニーカー好調の流れでスポーツの強みを生かして、ブランド戦略とプライス戦略で好調を推移していると思う。そもそもサイズが細かく在庫過多になりがちな業界で、このプライス戦略をとれて利益を確保し続けているのは大変なことだと思う。大きなロットの商品MD戦略が当たっていると思う。アオキはカジュアル路線が好調のようだ。しまむら、西松屋、ハニーズはこのブログでも分析しているようにチェーンストア理論に基づいたMDがインフレの流れの中、ニーズとマッチしていることが要因だと思う。

逆に指摘してきた、ライトオン、マックハウスは非常に厳しい数字になっている。特にライトオンは相当厳しいのではないか?ニュースリリースを見てもシンジケートローンの対応や内部統制システムの改定など少しあわただしい。マックハウスは親会社のチヨダも厳しいので大きな変革が考えられる。タカキューは大胆に店舗を閉めたのでここからどう動くのかが注目だが、イオンGでもありフォローもあるかもしれない。ビレバンは全く想定になかったが、ドン・キホーテとかぶってきており、個性化と顧客の低年齢化が課題かもしれない。

年明けは、元旦が幸運日で日が良かったが、能登地震も重なり、不安な正月を迎えた。

今年も変動の年になりそうな気がする。

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