近くのイオンでGMSの衣料品中心の改装をしている。まだ出来上がってはいないが、浦和美園で見た、「トップバリュコレクション」の改装のようだ。
以前「トップバリュコレクション」の改装については書いたが、この投資対効果は十分な数字なのだろうか?おそらく各カテゴリーを明確にして区分し、縮小コーナー化していき、各カテゴリーの在庫を減らす。その空いたところに、量販店メーカーブランドを加える。売上アップより効率アップの改装だと思う。ただコーナー化することによって担当者を張り付ける必要も出てくる。そう考えると、間違いなく大きな効果はないだろうと思う。
この改装の発議者は誰なのだろう。店長は発議者ではなさそうだ。本部主導の改装だと思う。間仕切りの壁と、それに伴う什器などで大きな改装ではないが売場面積が大きいので相応の投資金額にはなる。サラリーマンがいかにも仕事をしている流れでやっている改装で、GMSの衣料の大幅な数値改善という根本的な問題は解決しない。
店舗改装は気持ちが入らないと成功しない。現場に近い人間が発案して、プランをまとめていくほうが説得力はある。細かい数字根拠もそのほうが現実味を増す。その提案した改装概要を、図面に落として、概算の投資予算をはじき出す。改装によって導かれる数字の改善と総投資金額と投資内容での経費処理から、改善効果を計算し、改装決定者に諮る。会計処理上10万円未満の什器は経費処理して、それ以上は資産計上となる。資産は毎年償却され経費計上されるのが一般的だ。
ビブレに在籍時は改装の発議はいろんな立場でしてきた。そういう意味では面白い会社で、現場責任者である店長が改装の発議をすることもできた。ヤングターゲットの商業施設だったこともあり、ファッションの動向が目まぐるしく変わり、それに呼応するべく多くの改装をしてきた。数億単位の改装もあり、40前後の若造に投資を託してくれた。ただ会社の流れが悪くなり、活性化できる改装が後手後手になってきた。
気持ちを持った社員が、そのスタッフに気持ちを持たせて計画し、思いを持ったスタッフが運営していくのが理想の改装だと思う。
イオンの改装を見ていると、少し出血を止めるべく改装で、本来の原因をとらえてどうしていくべきかの改装ではないと思う。おそらく商品部も店のラインもそれにより大きな変化が出るとは感じていない。根本的な問題は「GMSにファッションは必要か」ということであり、その結果は出ているにもかかわらず、先延ばししているだけとしか思えない。
サラリーマンがオーナー社長(会長?)には、なかなか意見できない。オーナーがその結果をジャッジし結論を出すまで、無駄な投資は続いてく。オーナー企業はどこでもありがちなことだ。
私事であるが、以前このブログにも書いたが、イオンの岡田社長が「イオンはELP(エブリデイロープライス)でそれを徹底する」と訓話し、それを聞いてある意味感動し、納得はしたが、それが退社にもつながった。あれから20年以上たち、あの時の訓話は、それ以降ぶれすぎているようにも感じる。ELPを目指しているとは思えない。もうそろそろGMSの衣料品は縮小から廃止へのジャッジが必要だと思う。イトーヨーカドーはオーナーの力がなくなったので衣料品はなくなっていっている。
誰かが首に鈴をつけないと・・・
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