イオングループのタカキューがイオンと提携を解消して、ファンド傘下で再建するという記事が日経にあった。2022年に債務超過になり今回は銀行が15億の債権放棄と第3者割当増資(ファンドとどこ?)で再生とのことだ。イオンは資本業務提携を解消したとある。

債務超過になり、店舗数を大幅に減らしている印象はあった。

過去10年の決算書を簡単に見てみる。売り上げピークは2018年の261.3億、2023年が119.8億なので45.8%まで落ち込んでいる。店舗数は2018年が311店に対して2023年は130店に減少。当期利益は2014年4.7億に対して2021年-31.4億と大きくダウンしている。数字推移を見ているとコロナが大きく影響していると思われ、2019年以降の利益は合算すると-63.4億になる。一番大きなきっかけはコロナだろうが、利益も2014年以降は1億前後で店舗規模の割には小さく、アゲインストの中コロナでやられたというところだろう。

近年の数字を見ると平均的な大きさは50~80坪くらいで、数字を店舗数で割ると平均的には売り上げは7000千/月、利益率は58%、在庫は回転率0.21回転/月、平均在庫3300万くらいの営業数値のようだ。この営業数値で利益率58%は相当高い。在庫評価次第ではもう少し利益率は低くなると思われる。

もともと新宿の「三峰」「タカキュー」の流れもあり、私は「アレクサンダージュリアン」のインパクトが強い。極端に量販イメージはなく、かといってその後出てくる大型スーツ量販店とも違い、ポジション的に中途半端になったと思う。一時はモードっぽい「セマンティック」がブームになったが近年はスーツのイメージが強くなってきたように感じる。アオキの「オリヒカ」と競合する感じになっているのではないか。売り場坪数もスーツ専門店よりも小さく、スーツ以外はインパクトなくカジュアル系もスーツ客に売っているイメージが強い。メンズの中途半端な位置づけのような気がする。以前触れたが「中途半端なブランド」は「どっちつかず」で「どっちつかず」はどの層も支持しない。客層の2分化の時期には最も厳しい業態だと感じる。

では今後はどうなるのだろうか?コア事業は不採算店をやめていったので大きなマイナス要素もないが、大きくプラスに転じることもない。出店場所はやはりイオン中心に続けられるのだろうか?イオンも退店されるほうが大変かもしれないが・・・

じゃどうするか?他人事なので何でも言えるが、ファッション事業を続けるならイオン系郊外RSCでやっていけるのは少しにおいが違うものだと思う。イオン系で何店かある、ちょっとにおいのある洋服の品揃え店ができないかと思う。関西のイオンモールに入っている「ジェオグラフィー」や「ワークス」のような品揃えで、さらにその店よりデニムウェイトを下げた店はどうだろうか?たまたまタカキューのHPを見ていると「on the day」というネットのカテゴリーがあった。昔店をやっていたみたいで、今はなさそうだけど、この流れの店を展開すればイオンモールなどは飛びついてくると思う。ただ利益率は取れないと思う。多店舗化は難しいかな・・・

前途は大変厳しいと思うけど、何かチャレンジしてほしいし、復活してほしい。

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