ハニーズが最高益と日経記事にあった。ハニーズの売場にはあまり興味がなかったが、2~3年前、店を巡回しているとき、少し驚いたことがある。季節の変わり目(2/末か8/末?)だったと思うが、各ショップが商品残の処理に苦しんで売り場が乱れていたのだが、ハニーズだけがきちんと商品が入れ替わっていて新しい季節の売場になっていた。ティーンズのボリュームゾーンの店は売場内通路が明確でなく、売場に手が入りにくいのだが整然としていたので印象に残った。社内会議でも言った記憶がある。

ティーンズヤングのボリュームゾーンの品揃えは大変難しい。そのターゲットの専門店は、鈴屋、三愛、鈴丹(現パレモ)、リオチェーンなどが大手でティーンズ系は名古屋の鈴丹、リオチェーンが引っ張っていたと思う。ナショナルチェーンティーンズ系大手は、その他にハニーズやエルメなどがあった。一時は一番元気な市場だったと思う。鈴丹は一時年商1000億を超えたこともあった。

店で婦人衣料を管轄していた時、ティーンズ平場は非常に難しかった。流れがすぐ変化し、売れ筋の見極めと確保が難しい。なお、ブランド志向やテイスト志向、値段志向と求めるターゲットもばらばらで、当たれば大きいが、切り上げるタイミングが難しかった。

ハニーズの記事によるとミャンマーの自社工場がうまく稼働して、オリジナル商品がうまく回っているようだ。利益率も61,4%と非常に高い。在庫回転率も第2四半期末で計算すると月度0.47回転とまずまずの数字だ。(ただし前年より-0.06回転)

市場環境も後押ししているように感じる。一時のティーンズ専門店は規模を縮小してきており競合が減ってきている。新しい競合になりうるのはユニクロやGUだが、両ブランドともノンエイジでベーシックの流れで個性は強くない。

ただ一番感じるのは価格戦略だと思う。好調な流れの「しまむら」や「西松屋」の好調さと同様の動きとも感じる。「しまむら」や「西松屋」とも客層はかぶるところもあり、お客様の買い分けもあるのではないか。値段志向のお客様をつかんでいるように感じる。出店しているのはフル感性のお客様が多いSCだと思うし、必ずしもティーンズヤングだけの買い上げ客ではないと思う。

高い利益率を続けるか、客層の幅を広げてフル感性ターゲットの店に変えるかが今後の企業戦略になっていく。現状の売場ではイオンモールやららぽーとではいい場所での出店の機会は厳しいと思う。新業態を考えて大型化していくか、RSCよりNSCへの出店を加速させるかが出店戦略の課題にもなる。さらに商品量と価格戦略も大きな成功のポイントだと思うが、今後この利益率が継続できるかどうか、MDのかじ取り(価格と利益のバランス)も非常に重要になってくる。

今後の動き方に注目したい。

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