この3年間のコロナ不況で、小売業は大きなダメージを受けた。出店投資を大幅に削減し、内向きの戦略をとらざるを得なかった。
その状況下、退店要請、賃料削減要請がありモール自体も苦境に転じている。
1.もともと高い賃料で出店していた小型区画(20~50坪)の退店が多かった。小型区画の代替えテナントの賃料相場が下がり、賃料収入がダウンしていっている。
2.モールは集客力があり、出店希望もある大型カテゴリー物件の出店を進めている。これは空床区画がカバーできる代わりに、賃料が下がり、なおかつデベロッパー負担の工事費用が大きくなる。一般的に区画が大きくなればなるほど、坪賃料は下がり、大型区画になると、歩率のみや、安い固定賃料になるケースが多い。
3.賃料収入を意識すると、高い利益率のカテゴリーの出店が増える。携帯ショップが乱立しているモールも多い。
4.一般的にアンカーテナント(大型テナント)も含めてカテゴリーでまとめてリーシングするが、カテゴリーと異なるテナントもリーシングしなければならない状況になっている。(例えばファッションの中に他業種が入るなど。)
大型カテゴリーが増えれば、店舗数が減るのでバラエティ感がなくなるし、携帯ショップが多くなると、雑多感があり、押し売り感も強くなる。つまりテナントに対する魅力がなくなってきているのが現状だと思う。
4月にオープンした、「イオンモール豊川」、「ららぽーと門真」も現状見てはないが、上記した傾向が見てとれる。「豊川」の3階の東側はカテゴリーが混在しており、携帯ショップも多い。「門真」は旧「鶴見アウトレット」をうまくはめ込めて良くはなったが、3階のリーシングに苦労の跡が見える。(賃料の問題で、ららぽーとが本来取り組まないだろうテナントが数件入店している。ただ「バーニーズ」のアウトレットがほぼ都心に出ているのは驚く。)
もう建築コストを考えても、3層のモールを作る必要はないと思うし、既存のモールについては、おそらく近い将来大きな問題が発生すると思う。
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