月: 2023年10月

しまむら①

しまむらに行って来た。非常に驚いた。

しまむらに行ったのは2度目で、前回は母親が入院するので必要なものを買いにロードサイド店に行っただけで、真剣に見たのは初めてだった。

1店舗しかゆっくり見ていなくて、評論するのはおこがましいし、好調企業に意見をするつもりもない。思ったことだけを書く。思ったことを並べる。

値段を打ち出し、余計なものはおかない。売れない商品は即なくす。ストアメイキングマニュアルなんかいらない。来ているお客様のニーズに合わせて売り場を作る。ロープライスで徹底する。その上を見ない。ローコストオペレーションに徹する。いらない商品部門はやらない。売り場は1980年に私がニチイ(マイカル)に入社した時以上に雑然としている。

しまむらの年度の実績を再度確認する。

売上高 616125百万  営業利益 53202百万  1418店 

売上総利益 209986百万(34.5%)  人件費 66420百万 人件費率10.8%

商品在庫 54266(百万)従業員数 11942人 

総面積 2233275㎡ 賃借料32678(百万)

単純に店舗数で割る

売上 434.50(百万) 在庫38.27(百万)売価在庫58.42(百万)

1店舗面積平均 1574.9㎡(476.4坪) 1店舗人件費46.840(百万)従業員8.4人

1店舗平均月度売上 36.2(百万) 1店舗月度平均人件費 3.903(百万)

1店舗平均家賃 23.045(百万) 1店舗月度平均家賃 1.920(百万)

1店舗の概況は以下の通り

売場面積 476.4坪 ※インショップ、ロードサイドすべて込みの平均

月度売上 36.2百万 (月坪売上7.6万)月度売上総利益 12.5百万

平均在庫 58.42百万 月度回転率0.62

家賃 月坪家賃4000円強※自社物件も混みなので実際はこれより高い。月坪6000円前後か?

店舗人件費 本部要員を考えると 3.5百万前後/月くらいか?

大雑把な数字なので正確には読めないが家賃比率7~8%、人件費率10%前後、労働分配率30%前後になる。十分に利益は出る。回転率は月度0.62と非常に高い。チェーンストア理論通りの数字になる。

坪売上はユニクロに大きく劣るが、人件費率、商品回転率で上回る。商品特性、調達方法の違い利益率の低い商品部門もあり、利益率は大きく下回るが、経費項目はほぼすべて優っている。利益を上げるにはどれだけ商品の値段をどこまで値段を下げずに引っ張るかだが、ここが企業特性の違いだと思う。当然値段を下げなければ利益率は上がる。ただ半面在庫が増える。利益率と在庫高は調整できるといえばできる。

色々考えさせられたことがあるので、次回再度まとめてみようと思う。

■今日のBGM

㈱ニットプランナー 倒産 

「KP」ブランドの子供服を展開していた㈱ニットプランナーが倒産との記事を見た。ブランドはワールド傘下のナルミヤが続けるようだ。去年ナルミヤがワールドの傘下に入ったのも驚いたが、子供服業界も少子化もあり大変厳しそうだ。 

昔在籍した高崎SATY時代、1995年ごろキッズDCブランドを集積させてフロアを構築していた時代があった。「コムサデモードフィユ」「ミキハウス」「べべ」「ミニバツ」「ハッカキッズ」「ミニK」「メゾピアノ」「KP」などのブランド構成だったと思う。DC全盛期でお母さんが子供にブランドを着せるのが目的で脚光を浴びた。「コムサデモードフィユ」「ミキハウス」は年間1億くらいの売り上げだったように思う。その後ビブレ業態変更時、客層を絞るため子供業種はなくした。 

調べると中心ブランドだった「ミキハウス」は帝人グループになっており、「べべ」は投資ファンド傘下(もともとは神戸のジャバグループ。ジャバグループはその後伊藤忠から投資ファンドに。)「コムサフィユ」はファイブフォックスHPによると直営店は20数店舗。ナルミヤの「ミニK」はブランド中止?「メゾピアノ」は全国主要百貨店。「ハッカキッズ」も同様全国主要百貨店。「ミニバツ」は「バツグループ」がなくなったため、ブランドだけ残って量販店ブランドになっているようだ。 

子供服はベビー(~2歳)、トドラー(2~5歳)、スクールとサイズが細かく、商売としては非常に難しく、現在は子供はすぐ成長するのでファッション衣料ではなく、必需品になってしまった。昔は特にかわいい時期のトドラーサイズ中心にブランドニーズはあった。現状はそのブランドニーズがあるのは百貨店のみのようだ。 

2022年の子供服の全国売上高は8000億規模のようで、靴業界1.1兆円、カバン業界1.2兆円よりも小さい。きちんとしたデータがないので推定ではあるが(2010年が9000億前後)2000年ぐらいで1兆円前後の規模と思う。減少傾向であり、 店舗数や売り場面積を考えると売り上げ規模は非常に小さく感じる。特にスクールニーズがユニクロやしまむらに流れ、従来の子供服メーカーは大きなアゲインストになっていると思われる。それでも売り上げの規模にかかわらず、百貨店やGMSでは、つなぎたい客層ということもあり、売り場面積も大きく販促も多い。 

子供服は「かわいい」から実需中心に変わってしまっている。ブランドは百貨店顧客のみで成り立っている。特にスクール需要はユニクロなどのファッション実需に変わってきている。年々少子化は続き、需要自体が減少してくる。現在のファッション業界の2極化や経済環境を考えると、マスに受け入れられる子供服のブランドビジネスは難しい。 

従来の子供服専業メーカーは成り立たなくなってくるのは当然のことかもしれない。 

■今日のBGM

Fukuoka on my mind 

福岡は大好きな街で、いい仲間がいる。たった1年単身勤務をした経験だけで断言できる。その後毎月のように仕事で行っていたし、店も何店舗かあったので、さらに「いい街」の度数は上がっている。久しぶりに行ってきた。飲んだだけ(立ち飲み→行きつけの居酒屋→行きつけのスナック)の滞在だったが楽しかった。 

福岡の商業事情は仲間情報で大体わかるし、少し街を歩いただけで理解できる。 

どこの街も同じだが、ティーンズヤング層のファッショントレンドがなく、元気な層の動きが弱いためヤング系の商業ビルが減少している。天神も現状はパルコ1店舗のみで、コアやビブレやイムズがなくなっている。今後の天神ビッグバンでもこのターゲットはほぼないと思う。西鉄がどういうビルを造るかだが、昔の元気な天神のイメージが消える。 

次に七隈線の博多まで延長で商圏変化が起こる。天神で止まっていたお客様が駅に流れる。百貨店は今でも博多阪急の伸びが大きいが、大丸を抜くことは間違いない。駅周辺の商業整備が必要になってくる。アミュプラザも「ハンズ」を前面に出している場合ではないし、丸井も小売りをしないなら阪急に渡して阪急メンズ館にでもしたほうがいい。逆に天神の三越はもう難しくなってくる。ついでに言うとキャナルシティも立地は数段によくなる。SM(できれば成城石井的な)が入ればさらに集客要素は増す。人の流れが多い天神地下街の賑わいも大きくダウンしそうだ。博多駅周辺と天神地区の2極化が進む。 

郊外に目を向けてみる。アウトレットで北九州にできたイオンの「ジ アウトレッツ」も厳しい状況だし、「マリノアシティ」も目の肥えた九州の人には完全に飽きられている。「ららぽーと」はいまだにぎわってはいるものの、マナーの悪い海外客が多いという。数字はつかんでいないがゆめタウンは堅調な気がする。どこも同じだがデイリー商材は郊外SCで十分賄えている。 

「商業の天神」の流れが変わってしまうだろうとは容易に想定できる。やはりティーンズヤングを引き付ける何かがなければ天神の吸引力はダウンし、他の大都市がなっていったようにターミナル駅中心の街に変わっていく。昔の「親不孝通り」や「西通り」「今泉」の活性化が必要だと思う。 

福岡は福岡の個性があった。土地の値段だけ上がっていって、大資本しか算入できなくなり、個性豊かな人たちが参画する店や街並みがなくなっていくのは非常に寂しい。 

■今日のショット(旧天神ビブレ2跡)

資本の論理

長崎ココウォークというSCには私自身大変思い入れがある。長崎自動車㈱のSCで、バスターミナルとSCを併設している。会社を立ち上げる前に在籍していた丹青社の子会社時代コンサルをしてきて、その時の長崎自動車㈱のスタッフの皆様と一緒に立ち上げた経緯がある。「いい物件を造ろう」と思う人たちが多く、地元企業らしく収益はもとより、地元への貢献を強く望んでいたように感じた。大きくない物件だけど、その後も「TSUTAYA」を導入したりして、手が入っていて地方ではいいSCだと思っている。その後立ち上げた会社の店も入店している。

長崎駅の改装に伴い、長崎の商圏は大きく変動する。今回、駅ビル(アミュプラザ)が大改装増床を実施し、11月にオープンする。それに伴って、ココウォークから「ユニクロ」と「GU」が退店しアミュプラザに移設となる。その2店舗はココウォークでも順調な売り上げだったと思う。ココウォークとしても大変な痛手になる。今回のアミュプラザへの移設で2ショップとも増床は間違いないと思う。そして大きな集客要素にはなる。

長崎駅は新幹線も開通し、観光名所も多くあり、好立地だから当然使用客も多いし大きな地の利を持っている。でも共存出来なかったのかとも思う。ココウォークにとっても大きな痛手に違いない。いろいろな交渉を繰り返したと思う。

鉄道や駅はだれが作ったのだろう。昔、JR系のSCの出店交渉で「出直してこい。まだ駅ビルのレベルではない。」的な対応をされた思い出がある。同じ鉄道系(私鉄)の好調SCは、店を視察してくれて丁重に対応してくれ、その差が大きかったことを思い出す(出店はできなかったが・・・)。イオンやららぽーとは企業自らの力で開発してSCを作り出した。JRはだれの金でできたのかを考えてほしい。一等地に商業施設を造れば普通に売れる。その優位性を持っているのはそのSC(駅ビル)の努力の結果なのだろうか。スタートの優位性を考えるともう少し、似たようなリーシングをせず「新しい事」にチャレンジしてほしい。当然資本の論理があり、その結果だとは思うが、せめて地元企業との両立はできなかったのかとつくづく思う。

長崎は平地が少なく、車のアクセスも悪い。諫早にもゆめタウンができるという。商圏も変化していく。地方の商業はいよいよ大変な時期になっていく。

久しぶりに九州に行って来た。飲むのが主目的だけど、長崎でお世話になった人にも挨拶訪問もしてきた。何か力になることがあれば、微力ながら手伝っていきたいと強く感じた。

■今日のBGM

チェーンストア理論

先日、あまり気にしてこなかったしまむらの数字を見て、まず全社の平均月度回転率が0.59だったことに大変驚いた。6000億を超える企業でユニクロより回転率は高い。しまむらをネットで調べていると、創業者は「商品回転率を基準に品揃えを考えるべき」と考えて創業したと書かれている。チェーンストア理論を学んで呉服屋からの創業だったようだ。

日本の主な小売業の経営者は、チェーンストア理論を渥美俊一氏主宰のペガサスクラブで学んでいる。ダイエーの中内氏、ジャスコの岡田氏、イトーヨカドーの伊藤氏などが最初からのメンバーで、ニトリやしまむらの社長もここで学んでおり、多くの流通業の経営者に影響を与えている。

チェーンストア理論は本部一括仕入れで本社集約型でのマネジメントを実施し多店舗展開での経営効率を上げることをモデルとした理論だ。私自身は、何度か講演を聞いたが全く興味を持てなかった。

その当時の仕事内容とは大きな相違があった。(倒産した企業だったからかもしれないが…)ファッション型のビブレにいて、「店主導」「店仕入れ」を基本としていたからだ。ただ店長時代に感じたことは「なぜ、本部がこんなに現場を理解していない?」「本部が現場の意見を聞かない。」「本部からの一方的な指示が多い。」など本部中心の動き方に疑問を持っていた。その後、本部に在籍したときは「小さな本部」を模索した。後に立ち上げた小売りの会社も基本は「店仕入れ」を中心にしており、本部はできるだけ小さくすることを念頭に置いてきた。今でも「本部絶対的主導」が正しいとは思っていない。

ただ小売業の課題は「在庫」ということは、今までの小売人生から十分理解していたので、在庫回転率を念頭に置いた経営はやってきた。25店舗前後しか店舗はなかったが回転率は月0.5回転以上の実績だった。ただその管理体制をどうしていくかが課題で、完結はできたとは思っていない。以前も書いたが「バイヤー」より「ディストリビューター」的なポジションが力を持つことが望ましいし、社長もしくはそれに準ずる人間が「在庫管理」をしていくことが絶対的に多店舗展開での基本だと思っている。

業種がクロスオーバーしていても回転率が高いしまむらや高回転を続けるユニクロが、どういう組織でどういう権限を持って仕事をしているか聞いてみたいとは思うし、そこが好調企業のポイントの気がする。

■今日のBGM

インフレ下の好調企業

例によって9月の既存店前年比を4年前から掛け合わしていると、なんと、しまむらは115.0、西松屋は103.4と概算で既存店売り上げが、コロナ前より伸長している。前回ユニクロ、アダストリアが100%を割り込んでいて、コロナ前まで回復してないと書いたが、好調企業もある。プライスレンジや客層が違って、一概には言えないが、コロナの影響やインフレの逆風下でも売り上げは伸長させている。少し客層ターゲットは違ってはいるが、GMSの平場の不振を考えると素晴らしい実績だと思う。

ファッション専門店ではなくカテゴリーキラー(西松屋はそうかも?)ではなく、服飾雑貨やグッズまで扱う衣料品チェーンストアという位置づけかもしれない。比較的値頃品を中心に品揃えしており、昔の言葉だと「良品廉価」の店といえる。SCよりも路面のイメージが強い。駐車しやすい立地が多く、わざわざ郊外の大型SC(RSC)に行かなくても、デイリー商品を簡単に値頃で買える利便性がある。コロナ禍で買い物を楽しむより、必要なものを値頃価格で買うというニーズにマッチした結果だと思う。当然MDも進化している。

去年の決算数字を しまむら(以下S)、西松屋(以下N)、ユニクロ(以下U)、アダストリア(以下A)で比較すると面白い。

  売上高 S 6161億 N 1695億 U 23011億 A 2426億

利益率 S 34.1 N 34.8 U 52.4 A 54.7

人件費率 S 10.8 N 7.3 U 13.8 A 14.3

地代家賃 S 5.3  N 9.0 U ※8.5~9.0 A14.4

     ※ユニクロは地代家賃計上基準変更前からの想定

月度回転率 S 0.59 N 0.30 U 0.53 A 0.37

      ※期末在庫から算出

当期利益率 S 6.2  N 4.5 U 11.9 A 3.1 

しまむらや西松屋はSPAというよりは「買い」の商売比率が高く利益率は低いが、人件費が低く、さらに地代家賃も低い。しまむらとアダストリアでは地代家賃の差が9.1もある。徹底的にチェーンストア理論に基づいたチェーンストアかもしれない。しまむらの回転率に基づいた商売を徹底しているところは共感する。

インフレ状態の中、やはりここ数年続いた流れが大きく変わってきている。どのターゲットの「感度」と「値頃」を目線にしていくのかで店の数字は大きく変わりそうだ。

あまり細かく見てこなかったしまむら、西松屋を一度ゆっくり見てみようと思った。

・・・先日久々に伊勢丹と高島屋をぶらぶら見たが、連休明けでもあり、閑散としていた。伊勢丹の免税場所にお客様は見られず、高島屋は地元客だけのように見えた。

■先日の昼食(京都とは違いすぐ入れる)

SCの次のステップ

上場小売業の9月の数字が発表されていて、例によって既存店ベースの前年比を2020年から4年分掛け合わせると、2019年比で9月はユニクロが94.2、アダストリアが91.2となる。この2社の数字をファッションのベーシックの数字ととらえると、ファッションはコロナ前にはまだまだ戻っていない。

9月は昔のファッションのシーズンの立ち上がり期ではなく、完全に秋の季節感はとんでしまっており、完全に9月,10月は売れない月になりつつある。10月も去年はコロナの影響が少なかった月なので今月も前年数字とは厳しい戦いになるかもしれない。

それにしても数字は戻っていない。リーダー的企業の数字がこの状況では他の中小の専門店の苦難は続いていると思う。

中小の専門店はこのコロナ禍でどれだけ傷んだのだろう。おそらく退店の数のほうが出店の数より圧倒的に多いだろうし、規模縮小に至った会社ばかりだろうと思う。以前書いたが退店費用は大きな経費も必要とする。会社は痛む。以前経営していた会社も26店あった店が、コロナ期間で8店退店、3店出店で5店減ったし、コロナで大きな借金をしたので、時価は70%近く減った。当然出店には、慎重になるし、なかなか腰が上がらない。

SCもそんな状況下ではテナントを誘致できない。新しくオープンしたRSCのショップの顔ぶれも代り映えしないし、逆に店舗数も減っている。ららぽーと門真はアウトレットがあり店舗数に変化はないが、今までのららぽーとだとテナントが集まったかどうか?ゆめタウン飯塚は面積も大きくないがテナント数は100と少ない。さらにデベロッパー側も賃料減額や退店で収益がダウンしている。収益を維持するには、テナント新規誘致するにも賃料を下げることはできない。

「早急に空床を埋めたいSC」と「出店に慎重になる専門店」、「賃料を下げられないSC」と「下げなければ出店できない専門店」の構図ができている。おそらく専門店のほうが切実なのでSC側がどうジャッジをするかになってくる。

単純に考えられる策は、ユニクロやアダストリアや無印などの既存店舗の大型化とファッション以外の分野の拡大(携帯通信、食物販など)になってくる。事実そうなっている。

「花(華)」がなくなって「実」をとるSC(特にRSC)に先はないように思うが、次のステップはあるのだろうか?

■今日のBGM

Workwear for the handsome women

日経新聞を宅配していると折り込まれている、「Ai」というファッション情報誌を知っているだろうか?

発行当初のニュースリリースをネットで見ると平成26年11月から第4日曜日に折り込みとなっている。B4 変形タブロイド 4C 中綴じ32~48ページ 部数60万で講談社が制作し日経新聞が発行するラグジュアリーなファッションマガジンというようになっている。ターゲットは日経新聞を購読する100万人の女性の中核を形成する35~49才のようだ。

これだけのクオリティの高い小冊子を作るだけで大きなコストだし(紙質もいい)、折込料だけでも非常にコストがかかる。もう9年続いているということはニーズもあるしその効果もあるということだろう。ちなみにメルカリでは1部300円~で掲出されている。

9月号は28ページで(わずかにコストカット?)広告7ページ(シャネル2ページ、ブレゲ2ページ、ブシュロン、エスト(花王)、Gアルマーニ)。他はテーマ構成で服飾(ボッテガ、ブルネロクチネリなど)、美容(ポーラ、コスメデコルテなど)。ファッションはブランド打ち出しではシャネル、フェンディ、ボッテガ、Gアルマーニが各1ページ。テーマでホワイトバック(フェラガモ、グッチ、ヴィトンなど)、ラグジュアリージャケット(ラルフ、ブルネロクチネリ、ジルサンダーなど)、デイリーウェア(トリーバーチ、ポールスチュアートなど)、ブラックシューズ(ボッテガ、ディオール、エルメスなど)が各1ページ。その他協賛でヤヌークジーンズ1ページ。小物、バック、眼鏡で1ページ。その他美容で協賛もあり7ページ(当然ブランドページもある。)ちょっとしたトピックページが2ページ(上方女性落語家 桂二葉を取り上げたのはgood choice!⇒唯一読めたところ)という構成になっている。

日経の女性読者のグレード感はこの水準なのだろうか?やはり女性のほうが圧倒的にファッション志向が強い。9年間続いているということは、ニーズもあり、購買モチベーションにもなっているのだろう。今まで何気に見て捨てていたが、この小冊子を見て購買につながっているということは、新宿伊勢丹や梅田阪急を筆頭にする都心百貨店はまだまだ大丈夫だ。ラグジュアリー系は健在だということだろう。

かえすがえすも、池袋西武はもったいない。

■Ai(アイ)

「サムシング エルス」

小売業は「お客様の満足料」で成り立っている。そう教えられたし、実際そうだと思う。多数のお客様のニーズとプライスが一致している会社が当然大きくなっていく。そう仕向けるのが企業力だと思う。企業の考えとお客様のニーズが合致して大きくなっていっている企業が、あるべき姿だとは思う。

企業が大きくなってきて、従業員の「商品や店への思い」への比重はどれぐらいあるのだろうか?「労働の対価」が上がっていくことのほうが勝ってくるのだろうか?

最近ニュースで大手銀行が転勤手当や一時金を大幅に増額する旨報道されていた。働きやすい環境整備の一環のようである。最低賃金もどんどん上がってきている。当然のように上げていける会社もあるだろうが、最低賃金が上がることによって厳しくなっている会社もあるだろう。厳しくなってくる会社は淘汰されるのが普通なのだろうか?

ニトリの社長が言っている「小売業の企業としてのレベルアップ」は理解できる。ユニクロやアダストリアのように企業偏差値が高くなってきた小売業もある。私が大学生のころ優秀な成績だと金融、損保、商社へ流れ、小売業はあまり成績に関係なかった人材が流れた。おそらく今も変わらないと思う。ただ小売業には説明しにくい「サムシング エルス」(何か文化的なもの)があった。

結局、「利益」が企業価値になってしまうのだろうか?利益を出して拡大していく「ユニクロ」や「ニトリ」や「無印」が小売業のあるべき姿なのだろうか?「トレンド」や「売りたいものを売る」小売業は淘汰されるのだろうか?「文化的なもの」を追いかけた西武百貨店は「利益、定番」を追求したセブンに追い出され、なくなっていくステップに入った。

人員不足の現況を考えると、土日も仕事で不規則な小売業はさらに厳しさが増す。スタッフを集めることさえ至難の業となっている。「人」の小売業から「システム」の小売業に移行してきている。社会的環境もそうなってきている。

「サムシング エルス」を求める小売業はもうなくなっていくのだろうか?そういう気持ちを少しでも持った人材で成り立っている小売業のほうが実は企業偏差値は高いと思うのだが・・・

・・・関係ないけど、今年の阪神は偏差値が上がったような気がする。

■今日のスペシャルギフト