ずいぶん以前に書いたと思うが、顧客管理をやればやるほど固定客の年齢は上がっていくので客層は高くなっていく。昔から中高年対象の店なら新規顧客になるかもしれないが、ヤングターゲットだった店はどんどん顧客ターゲット年齢は上がっていく。

「レイカズン倒産」と聞いて、原因はそこにあると思った。平成系ブランドと言われて、どちらかというとショップブランドというより平成系品揃えショップの主力ブランドだったと思う。もうずいぶん前のことでほとんど忘れてしまったが、DCブランドの流れが悪くなってきて光が当たったブランドだったと記憶する。当時カジュアル品揃え店舗でカットソーが売れていた「ナイスクラップ」が大ヒットし、追随していったブランド群の1つだったように記憶する。同じ流れだった「マジェスティックレゴン」も別会社の経営になっている。

今その当時のカジュアル系ブランドで残っているのは、「45RPM」「「チャイルドウーマン」「ヒステリックグラマー」などがあるが、完全にブランドのターゲットや立ち位置を変えている。

特にカジュアル品揃え系の店は近年激減している。ユニクロに代表されるSPA型専門店が増え、さらに駅前ファッションビルから郊外モールへ買い物の主戦場が変化しており、各ショップや品揃店の立ち位置が見えなくなってしまった。さらに前述したが、従来の顧客は年齢を重ね、新しいターゲットの開発ができてない。郊外モールにシフトした「ストライプインターナショナル」や「ハートマーケット」、少し意味合いは違うが「アナップ」や「イング」もどんどん店舗を減らしている。

「レイカズン」はもともとの卸先は専門店だった。その専門店がもう成り立っていない。前述したターゲット年齢もあるが、やはり値段の壁も大きい。例えば、販路が専門店であれば専門店もメーカーもともに利益を50%出すとすれば、25%で作って50%で卸す構図になる。ユニクロなどSPA企業は25%で作って60%で売っても40%分値段が安くなるし、利益も大きい。引き付ける商品がなければお客様はもう専門店には足を運ばない。

今残って成り立っている専門店は、昔のジーンズ専門店くらいしか見当たらない。ジーンズにトレンドは少ないし、値段も崩れていない。ある程度の値段は通る。重厚な内装なら、なおいい。Bshop系の「ダントン」や「オーシバル」などを組み合わせれば根強いファンもついてくる。ただ以前から述べているように、在庫の問題があり多店舗化は難しい。

昔売れていたレディス品揃えブランドは、「客層の変化」と、「卸先の減少」、「値段の壁」で大きな戦略変更がなければ、どんどんなくなっていく。

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