アダストリアがイトーヨーカドーで展開している「ファウンドグッド」がどうなっているのかをたまに見に行くが、現状は大きな進展はないような気がする。売場は基本レイアウトに沿ってきれいに整理されており、立ち上げ時に比べてすっきりしていて買いやすくなってはいる。ただ運営体制がまだまだ厳しく、おそらくイトーヨーカドースタッフが少なく、うまく連動されていないのだろうなと感じる。アダストリアが単独で出店したら考えるだろうスタッフ数や業務内容とは開きが大きいと思う。さらにアダストリアなら出店をしないだろう店も多いと思う。ターゲット客層とギャップのある店も多いのではないだろうか?以前から述べていたように、合同で別会社化しないと厳しいような気がする。
イトーヨーカドーは「ファウンドグッド」が売場を固めたことにより、従来衣料売場で展開していた取引先展開型のコーナー売場が逆に引き締まり、さらに従来のGMSのお客様を集めているような気がする。イオンスタイルで売場を変えたイオンでも同様に感じた。イトーヨーカドーは従来隣接していた衣料服飾品がなくなり、取引先展開型の売場を集約しており、ボリューム感が出たように感じられ、肌着等の売場に隣接して客数も増えているのではないだろうか?イオンは、衣料服飾品の効率改善するために商品区分ごとにコーナー化し、セグメントすることで在庫を抑えている。そのため直営の売場が小さくなったことで取引先展開型のブランドを同様にコーナー化している。
ここでいう量販店ブランドとはコーナーショップ化しているものを指している。イトーヨーカドーはオリジナルで「KENT」などをやっているし、イオンでは「ジュンコシマダパート2」「インスパイア」(ヤングDCブランドがいつのまにかミドル世代のブランドに・・・)、フォーマルの「イギン」「ソアール」などをコーナー化している。他にも昔からある「アーノルドパーマー」や「ニクラウス」「クロコダイル」などのスポーツ系のブランドなどもある。
イトーヨーカドーは衣料品をなくしていくとのことだが、売場を見ていて直営売り場がなくなることにより、過渡期の売場ではまだ量販店ブランドのニーズはありそうに感じる。イオンもGMSの衣料品を続けるなら、直営の効率アップのために、間違いなくこういうブランドのニーズは大きい。特に販売員を派遣しているブランドの売上は固いのではないだろうか。
GMSの量販店ブランドは今後なくなっていくのだろうか?ユニクロやGUに流れていくのだろうか?体型が変わり、さらに消費動向も変わらないアダルトシニア層のニーズをどこが受け持つのだろうか?
現状、GMSの売場は「ユニクロ化」を目指しているために活性化しないのではないだろうか?現状の顧客は、ちょっとしたお出かけ用の服をどこで買うのだろうか?ショップチャンネルやネットに流れているのかもしれない。そういう中で、逆に取引先展開型の売場をもっと打ち出すのも一つの方法かもしれない。販売は取引先スタッフのケースが多いと思うが、客層と同年齢くらいのスタッフを配置すれば、売れていくことは間違いない。このターゲットのスタッフは時間的に余裕があり、集めやすいと思う。そして何より一番販売力はある。
将来的にどうなるか断定はできないが、量販店ブランドはGMS衣料品の過渡期には必要な売場かもしれない。
■今日の日経見開き広告(ヴィトン フェデラーとナダル)