8月はできればお盆までに夏物商品をなくす目途をつけたい。お盆すぎると集客はぐっと落ちるので値段を下げてでも売っていく。商品をなくしていく。盆過ぎには初秋物が投入され、売場の色を秋色に変える。昔の販売計画はこんな感じだった。

8月に入ったが、SCの各店の売場はあまり乱れていない。なぜか年間通して割引している店はあるが、この夏物最終処分時期の売場のイメージはない。「いい買い物をした」のイメージがだんだんなくなっている。

いつ商品をなくしていくのだろう?ユニクロを中心としたSPA型の小売業が増え、大きなセールに比重をかけてない。52週の販売計画の下、在庫状況を見て細かなセールを増やし、商品をなくしていく体制に変化している。それに合わせて取引先の体制も変わっていったのかもしれない。

ただ、そういう企業体質の会社ばかりではない。本当にやるべきことをやっているのかという疑問がある。上場会社の決算を見ると、利益率を上げることを優先していると感じることが多い。回転率は鈍化している。商品動向に基づいて、商品を処分しているのだろうか?「品揃え失敗」で利益を落としている企業はあまり見当たらない。「1月、7月は売上を確保して利益率は落とすが、利益額でカバーし、在庫は減らしていく。2月、8月は減った在庫に先取り商品を入れて利益率を回復させていく。」という昔の商売はなくなってきたというのだろうか?在庫高によって利益率が変動していくような細かな予算を組んでいないのではないかと感じる。季節商材が少なくて、商品回転率が年2回転と低くても、残商品を年2回はなくしてしまわなければならない。商売が攻撃的でなくなったのかもしれない。逆にユニクロのほうが、あれだけ商品を自社で作って利益率51.9%(23年決算数値)は十分攻撃的な結果かもしれない。

売上予算、利益予算、在庫予算、それに伴う仕入予算を細かくボトムアップで作成するべきだと思う。当然修正は会社トップがするが、トップダウンでの予算作成ではひずみは大きい。店に予算責任への比重を上げることによって、店の動き方は変わる。本部主導になればなるほど店の動き方は鈍い。ユニクロのように商品の動向ジャッジを数字で判断できる状況にないのなら、店の判断で数字も変わるようにしたほうがいい。「売り場の意思」が見えたほうが店は勢いづく。

SCの8月の売場を見ていると「欠点を隠した優等生」のようなショップばかりのような気がする。「必死感」もあったほうがいい。そういう感覚が一番お客様に伝わると思う。

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