この時期は、決算や中間決算の数字や経営計画の資料がでてくる時期で、暇に任せてみている。本当に大きな会社は大変だなとは感じる。当然上場している責任はあるので、きちんとした分析と対策は発表する必要はある。
先日、無印良品の中間決算数値が決算説明会資料等と発表された。全体の数字は大幅な増収増益、各段階の利益も大幅な増収増益で過去最高の数字だったようだ。
今年の1月にこのブログで無印良品のことを書いた。無印良品の企業の意思は感じたが、「在庫」に若干危惧している旨を記した。今回の資料でも国内の棚卸資産は1716億と前同時期より320億増となっている。決算説明資料にも160億過剰と報告されており、今期末の営業利益に関しては「発注抑制と不動向商品の在庫消化」のため、第一四半期予測を据え置かれている。売上は第一四半期より大きく伸びたが、営業利益率の予測は第一四半期予測より-0.3%となっている。通期の見通しは「国内は営業収益を引き上げも、在庫適正化に向けた対応強化により営業利益は据え置き」と第一四半期の予測から若干利益面で修正されている。企業として無印良品は好調に数字を伸ばしているが、「棚卸資産の増加とその適正化」が会社として改善するポイントということと発表されている。
在庫をどのように適正化するかには、いろんな方法はあるが、売上上昇に対して営業利益を据え置くということは、利益を落としても処分することだと想定する。詳細はわからないが、「在庫過多」が企業の問題ということを理解して発表している。好調企業だからこれができるのかもしれないが、資料に記すことによっての覚悟は感じる。ちゃんとした会社だと思う。
イオンも決算発表されている。売上は前年106.1%も営業利益は前年94.8となっている。金融とデベロッパー事業で営業利益の約半分を占めていて、小売業と呼べるのかどうかわからない。課題のGMS事業は売上前年比102.6%も営業利益は前年-115億となっている。ライン別には細かく発表はされていないが、食品とHBCが伸長しており、衣料は前年割れのようだ。これだけ大きいと詳細は全く伝わらない。
気になる会社のビレッジバンガードが、第3四半期決算発表と同時に278百万の減損損失を計上する業績予想修正についての発表があった。そのため今期の営業利益も赤字となり、これで3期連続の赤字になる。おそらく期末はさらに赤字幅が増大すると予想する。商品回転率が年1回転前後では、腐らない商品も腐ってしまう。前回指摘した在庫について簡単に計算してみた。第3四半期まで原価で13億弱在庫を削減させている。利益率のダウンと期末在庫から計算して、商品の値入率を43%(2期前の利益率が41%だったので)と想定すると、売価で約23億円の商品価格を下げている計算になった。全体の在庫の9%に過ぎず、これではまだまだ回転率は改善できてないので、今後も細かく実施していくと思われる。商品は資産なので、商品評価を下げると会計上さらに厳しい数字になっていく。
具体的に「在庫過多」を問題点と発表する無印良品は、つくづく「ちゃんとした会社」だと思う。
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