メンズ服飾にターゲットを絞り、どういう店をイメージするか考えてみた。いわゆるモデル店舗だ。小売業や商業PMに従事してきたおかげで、有名な全国の商業施設は見てきたつもりだった。ただ、そのターゲットの売場は百貨店ではブランドコーナーやショップだし、量販店もどちらかというとビジネス志向が強かった。さらにメンズ服飾の専門店は少なく、強いて言えば「吉田カバン 」を打ち出した店があるくらいだった。それでは商売のチャンスはないのだろうか?通勤車両で「吉田カバン」やブランドバッグを持っている比率はそんなに多くない。おそらく多くて20~30%。残りの人はどこで買っているのか?値頃感ある商品でカジュアルを打ち出せば売れるのではないかという仮説ができた。ビブレのメンズ服飾もそのターゲットだった。
まず想定店舗のカスタマー(顧客)の設定。「10代から50代のコンサバメンズ、ユニセックス」「メインは30~40代」。顧客特性は、「コンサバ、可処分所得は高くない。財布は奥さん」。狙う市場は「機能性やファッション性で購買する客層」「デイリーシーンを中心にあまりお金をかけない客層」。市場リスクとしては「購買動機があり、買上げ率の高い学生の減少」「高齢化に伴う変動」が挙げられた。
データはその当時の皮革産業振興対策調査(矢野経済研究所)のデータに皮革以外の商材も想定加味して数字を作った。上記カスタマーの特性をビジネスシーンは「金をかけないターゲット」、ドレスアップシーンは、「ほぼ限られたマーケットのためターゲット外」とした。メインターゲットは、デイリーシーンで「あまり金をかけないタイプ」とし、顧客想定の80%と設定。そのウェートで市場規模を算出してみた。
・当時のバッグ市場の市場規模想定:約11300億
・男性市場規模想定5400億
・内ビジネス、ドレスアップ(金をかけない):580億、
・内デイリーであまり金をかけない:820億(ここが主戦場)
・その他ターゲット ・あまり金をかけないレディス層:1100億
これにより 鞄だけで2500億前後のターゲット市場規模となり、その他商材を加味して3000億強と設定した。ランチェスター戦略での拠点目標値(市場参入最低値2.8%)84億、存在目標値(6.8%)が204億となり、十分な市場があるのではないかという仮説が出来た。競合もあまり見当たらず、ある程度の土壌はあるという結論だ。
その競合(コンペチター)であるが、やはりメンズ単体での展開は少なく、メンズ単体ショップは「吉田カバン」中心のグレードでの店舗が多かった。逆に「コレクターズ」や「東急ハンズ」の売場が競合と映ったが、両店ともやはりブランド志向が強かった。つまり、あまり「金をかけないタイプ」をターゲットにしている店はなかった。
そうやって店を立ち上げ、10期までに26店舗、売上23億弱で10期連続の黒字で次の段階へステップアップしようという時にコロナ禍に入った。起業後の社内(カンパニー)データ分析も細かくやったつもりだ。顧客年代別分析やエリア分析、出店カテゴリー別分析をセグメントごとに実施し、方向性も明確にしていった。所謂3C分析はやってきた。ただ、コロナ禍で一番ダメージが大きかったのは、移動や出勤の機会を失った「コンサバメンズ」だったのかもしれない。そこで数字の回復が大幅に遅れた。
次回は、店を立ち上げるにあたって気を付けていたことがもう少しあるので書こうと思う。
■今日のBGM(2号店のイメージアルバム )









