先日、イオンがジーフットの完全子会社化を発表した。これにより、ジーフットは上場廃止になる。7年連続赤字で、近年は債務超過状況が続いていた。今年1月にこのブログで上場廃止を予測しており、その通りになった。
ジーフットは靴専門店「アスビー」とイオン内の靴売場「グリーンボックス」が中心で、近年は「グリーンボックス」を「アスビー」に転換してきていた。「グリーンボックス」はイオンのGMS(イオンリテール)内でのGMS自主の靴売場だった。これをジーフットに組み入れて運営してきた。靴業種についてもこのブログで書いてきたので多くは語らないが、在庫過多に苦しむ業種ではある。昨今、企業譲渡された「ライトオン」「マックハウス」のジーンズ業界と同じでサイズが多く不良在庫が発生しやすい。今年度決算の在庫回転率も1月時ブログの予想通り年間1.42回転と低い。単純に入荷してから売れるまで9カ月近くかかっていることになる。これではキャッシュが回らない。そして「ABCマート」のようにカジュアルに重きを置き、ブランドとの別注商品を早いサイクル売っていくビジネスとは違う。ターゲット年齢は広く(特にGMS内は高齢者が多い)客層を絞り切れない商売になっている。
おそらく収益悪化の大きな要因は、GMS内の靴売場としての運営によるところが大きいと思う。ただ、会社発表では今後もGMSの売場の活性化策として投資をし、さらに雑貨などとの複合化店舗を開発していくとしている。このブログでずっと書いているが、GMSの衣料服飾品はもうすでに収益事業でなくなっている。あの効率を重視した量販店No1のイトーヨーカドーが衣料服飾品から撤退しているように、もうGMSの衣料服飾品は絶対に成功しない。
その一番大きな要因は、GMSは企業として靴やファッションなど衣料服飾品だけで儲けようとしている会社ではないからだ。「ユニクロ」は「ユニクロ」の商品や、売り方を会社全体で考えている。「無印良品」や他の専門店もそうだ。GMSはGMS全体の収益を考える。例えば、人的な課題について考えると、スタッフはその仕事がジョブローテーションの1つになってしまう。商品部や店で婦人服の担当をしていても、次のステップは営業部や店の幹部など他のポジションになることが多い。当然ずっと衣料品を考えている会社に勝てるわけがない。近年は人口減や高齢化などがあり商品傾向の変化が著しい。商圏や顧客動向の変化も大きい現状、専門性を持った仕事ができるスタッフが必要だが、育成できる環境にはない。そうなれば、当然専門各社に勝てるわけがない。システムなどの面でも、もう優位性はない。
そして、さらにGMSにおいての、衣料品や服飾品の位置づけは低くなってしまっているように感じる。カテゴリー別の損益は発表されてないが、おそらくインナーを除くファッション業種は赤字だと思う。食品を除く業種は、ほぼ儲かっていないと思う。近年の衣料品、服飾品の改装を見ていても傷を減らす改装に見える。センターレジ化を進め、要員を減らす方向で進んでいる。おそらく靴売場のジーフットへの移管もその戦略によるものだ。さらに、商品構成もあまり攻めの品揃えは見えない。大きな売場は、取引先主体のリスクヘッジしやすい売場になってきている。
イオングループ内でのGMS(イオンリテール)の位置づけも変わってきている。もうすでに基幹事業ではなくなっている。今期グループ決算では売上構成比は34.5%と高いが、営業利益構成比は7.9%しかない。このブログでも以前書いたが、イオングループとして今後中心になるのは「金融業」に変わっている。現状は「デベロッパー事業」も大きいが、人口減や都心集中を考えると郊外RSCは厳しくなり、将来的な見通しは暗い。そのためにGMSは「金融業」の顧客拡大の意味での重要な位置づけになっている。「デベロッパー事業」の中心としてのGMSと「金融業」の集客装置としてのGMSが、今後の中心事業の大きな源になる。そういう位置づけとしてのGMS事業になる。その先行きは見えないが・・・
ずいぶん大きなことのようだが、そういう視点で見るとGMSを継続させる必要性は大きく、その観点でのジーフットの完全子会社化の意味合いが一番大きいかもしれない。
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