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大型モールのリーシングについて 

イオンモールに代表される大型モールの魅力はどんどんなくなっている。類似したテナントMDのモール乱立により、狭商圏化されてしまっている。量販店(GMS)の乱立期に似てきている。結果的にGMSは、ほぼなくなってしまった。

大型モールの狭商圏化の大きな要因は、テナント構成がどこのSCも類似してしまっていることにある。つまりどこに行っても変わらないので、お客様は近隣の行きやすいSCに行っているということだ。イオンモールの新店には、地元の専門店以外はどこのイオンモールにもあるテナントで固められている。テナント側も、同じラインナップであれば、SCの商圏規模を想定するだけで、おおよその売上は読めるので出店しやすい。ただ他のSCと商圏が重なったりすると、売上は下がってくる。つまり、SCの個性が共通化されると、狭商圏化は進む。

なぜ、新しいテナントをリーシングできないのか?まず、好調テナントのリーシングを優先していることがあげられる。現状では「ユニクロ」や「無印良品」の出店は必須になってきている。そしてその売場は大型化しており、「ユニクロ」は大型モールにおいては平均的にも300坪は必要で500坪規模の店もある。「無印良品」もMDにもよるが大型化が進んでおり、「ユニクロ」同様の面積は必要になってきている。さらに出店を優先するため、低層階での提案になっている。

ここで、家賃設定について考えてみる。大型モールが、どのようにフロア(区画)ごとの資本費を決めているかわからないが、昔在籍したビブレのフロア別の資本費は、グランドフロア(1F)を100として上層階に行くにつれて85%前後?(きちんとした数字があったが・・・)で下がっていく計算だったと思う。当然1階のほうが稼ぐべきフロアということで3階なら1階の7掛強(0.85×0.85)の資本費だったような気がする。つまり上層階に行くほど、低い家賃設定でテナントと交渉できるということになる。「いい場所は高い賃料で、厳しい場所は安くして面白いテナントを導入する」という仕組みだ。現状の大型モールは、1階や2階に人気ある大型区画の導入を優先してリーシングしている。つまりあるべき家賃設定と出店条件がマッチしているのかという疑問もある。

詳しい出店条件は知らないが、デベロッパー側にとって「ユニクロ」や「無印良品」はSCとして必須のテナントになっており、ある程度、出店条件を譲歩しているのではないかと考えてしまう。あくまでも個人的な見方だが、出店を前提に条件面のハードルは低くしているのではないかと思う。最低坪当り賃料を低く設定したり、歩率のみの出店条件にしたり、他の細かい経費(販促費、共益費)をなくしたり、出店優先での交渉はいくらでもできる。そして、さらに大型モールに必須の「家電」「スポーツ」「ハウジング」など大型業種はほかにもある。大型区画が増えれば、当然賃料のしわ寄せは、安い賃料であるべき高層の中小型区画にくる。さらに大手企業の常連のラインアップをリーシングすれば、当然他の区画の賃料は上がっていく。

その環境下で、新規参入したいテナントが出店を検討しても、当然高いハードルでの条件が提示される。賃料だけでなく、共益費、販促費、駐車場負担金、クレジット手数料なども条件に加わる。さらに、敷金や内装工事に加えて共用工事負担金、現場協力金などもある。この条件で、前向きな区画ではなく空き区画を提示されてもなかなか出店できない。近年、資本力のある「携帯ショップ」などの出店が増えている背景にはそういう事情もある。

一方、不動産系の大手であるららぽーとは、GMSと取り組まない分セレクトショップとの取り組みなどを強化しており、都市型のイメージは強い。ただ、テナントの幅は出ているが、立地からくる賃料の高さや、サーキットモールの構造的なデメリットも抱えている。

1960年代からのGMSは約50年で終焉を迎えてきた。1990年代にスタートした大型モールももうすでに30年以上経過し、過去のGMSと同様の課題を抱え始め、成熟期から変革期になりつつある。その大きな武器であるテナントリーシングの課題を、再度見直す時期に来ているように感じる。

■今日のBGM

アウトレットモールと大型モールのダウントレンド要因

また話を蒸し返すようだけど、アウトレットモールにある、特にセレクトショップについて考えてみたい。「ユナイテッドアローズ(以下UA)」や「ビームス」のアウトレットは大手アウトレットモールにはほぼすべて出店している。店舗数は、全国でUAが30店、ビームスが20店舗、ベイクルーズは38店舗となっている。店舗数は少ないがトゥモローランド等も加えると相当な店舗数になっている。当然、純粋なアウトレット(売れ残り)商品であればこんなに店は出せないし、もしそうなら企業として利益はなくなる。つまり、アウトレット用に利益率を考えた廉価ブランドを作って売っているのが実情になる。

「グッチ」や「プラダ」などのプレミアムブランドはブランド価値を維持する必要もあり、アウトレットでの店舗数は大きくは増やせない。「どこかに出店するなら、どこかを退店する」という状況になっている。そうなると、アウトレットモールとしても看板ブランドを誘致する必要があるので、看板ブランドとして国内メジャーなセレクトショップのアウトレットを誘致している。その売り上げが好調なことから、店舗数がどんどん増えていく状況にある。

当然、それにはお客様も気がついている。アウトレットに行って、プレミアムブランドは「見るだけ」のお客様は多い。セレクトショップの名前で買えれば、それがアウトレット商品でなくても満足感はある。ただ、逆にそういう店舗が増え、その購買客層が増えてくれば、プレミアムブランドのプラス要素にはならない。そしてその結果、モールの価値観を上げるだけの「見せ筋」になったプレミアムブランドは退店していく。そして少なくなっていたとはいえ、プレミアムブランドを買っていた客層がいなくなり、普通のショッピングモールになっていきつつある。

アウトレットのパワーダウンと大型モール(RSC)のパワーダウンは同じ要因になっている。RSCはSM(スーパーマーケット)も併設しており、生活必需品の買物目的が多い。従来のGMSも同じだった。その大きな違いはテナントの圧倒的な数やカテゴリーの多さになる。ただ近年は、RSCの物件数が増え、都心近郊では車30Km圏に多数のRSCが乱立している。現状のRSCは「SM(GMS)+ユニクロ+無印良品+カテゴリー(家電など)+α」が成功パターンになっており、標準化されてきている。つまり、テナントのラインナップが類似してきており、それにより「わざわざ感」がなくなり、狭商圏化の傾向が強くなってきている。

RSCの売上規模を見ていると、イオンモールよりもららぽーとの施設売上が大きい。ららぽーとはSC数も少ないが、その違いはGMSがないことと、そのためテナント数が多く、さらにイオン系にないプレミアム感あるテナントが多いことがあげられる。例えばビームスの「ビーミング」、ジャーナルの「レリューム」「417エディフィス」「ジョイントワークス」などRSCへの実験的な取り組みでの出店もみられる。そして、GMSがないことを、客層ターゲットの広がりでプラスに展開している。近年のイオンモールは、レイクタウンのような大型化されたSC以外ほぼテナントのラインアップは同じで、「わざわざ感」がなくなっている。

つまり、アウトレットモールもRSCも「わざわざ」行くテナントがどんどんなくなっており、テナントリーシングが標準化され、それにより狭商圏化している。顧客ニーズのピラミッドのトップにある「プレミアム要素」や「トレンド要素」を持つテナントのリーシングは非常に難しい。賃料設定や出店エリア、ゾーニングに細かいチェックが入る。ただ、そのターゲットが削られれば、どこにでもある標準化されたSCになってしまう。

もうすでに、アウトレットモールもRSCもそういう流れになってしまっている。

■今日のBGM

関東のダイエーはなくなる

散歩をしていて見つけたのだが、1駅隣にあるダイエーの店頭に大きく「2026年1月31日完全閉店」と掲示されていた。確かに古く厳しそうな店だったので、改装してマックスバリュにでもなるのかと思って通り過ぎていた。ネットを見るとダイエーの閉店が続くらしい。

少し調べると、関東のダイエー事業を「マックスバリュ関東」に経営統合すると発表されている。これにより、イオン傘下の株式会社ダイエーは関西のSM(スーパーマーケット)及びGMS(量販店)事業のみとなる。関東の大型店だった市川コルトンプラザ店もイオンスタイルになり、ほぼ大型店はイオンに移管されている。今後の関東のダイエー事業はSM事業のみとなっていくようだ。

イオン傘下になったダイエーは優遇されていた感はある。同じく傘下になったマイカルは比較的大型店が多かったせいか、迅速にイオンに代わっていき、名前が消えていった。GMS事業の整理ができつつあり、さらに建物の老朽化もある関東エリアのダイエーはSM事業として再編されることになる。おそらく近畿地方のダイエーも同じ流れになることが予測され、GMSはイオン名での「SM+テナント」化、もしくは「そよら」型のCSCへの移行が考えられる。おそらくSMの店名も「マックスバリュ」に変更になり、ダイエーの名前も消えていくことになりそうだ。

昔のことになるが、ニチイ(マイカル)に入社した時、GMSでは当然「ダイエー」が業界No1で、次いで「イトーヨーカドー」、「西友」、「ジャスコ」、「ニチイ」の順だったと思う。その中でも「ダイエー」と「イトーヨーカドー」が別格扱いでそれ以下の3社はほぼ似たような状況だった。規模感では「ダイエー」で、一番企業力の評価が高かったのが「イトーヨーカドー」だった。現在では、転換期にモール事業を見出し、さらに事業の多角化を成功させた「イオン(ジャスコ)」のみ生き残っており、「ダイエー」と「マイカル」などを傘下に収め巨大企業となっている。

マイカル在籍時、最後はビブレにいたのであまりGMSを見る機会はなかったが、マイカル退社後、コンサルとしてイトーヨーカドーとは「アリオの立ち上げ」、ダイエーとは「再建コンサル(会長が現横浜市長時代)」、西友とは「リビン再生案」でかかわった思い出がある。その当時はもうGMSの衰退期であり、迅速に事案が進まなかった記憶がある。現役(店長)時代に競合として相対したのは「イトーヨーカドー」のみで食品は完敗だった記憶がある。

GMSについては、何度か書いているが、ほぼ崩壊している。無理してイオンは続けているが、売り上げは大きいものの収益は安定せず、存続はイオンの大きな課題になっていると感じる。

最後に勝手ながら、GMS大手5社の個人的な印象を簡単に書いてみる。

ダイエー・・・小売業の変革をした企業でカリスマ(中内氏)についていけなかった。値段打ち出しの「主婦の店」が印象的。多角化しすぎて本業に手が入らなかった。駅前の自社物件に集中し資金繰りも厳しくなり、郊外大型化の流れにも乗れなかった。

イトーヨーカドー・・・小売業で最も偏差値の高い企業。数字を優先した経営。当然、「タヌキが出るところ」に店は出さない。効率化優先のため、郊外大型化SCの流れに乗れなかった。正論だと思う現戦略「GMSをCSCに変換」が言葉通りになるかが今後のポイント。

西友・・・西武流通グループで上品な会社のイメージ。なんといっても「無印良品」を立ち上げた功績は大きい。トライアルグループとなり、特に首都圏の店舗がどうなっていくか、そして認知されるかが注目される。大きくMDは変わりそうな気がする。

マイカル・・・発想は面白く何でもやってみるが、成功しない。現在の大型モール(2核1モール)の先駆けとなったマイカルタウン(本牧、小樽、明石・・・すべて商圏が半分海)、シネコンのワーナーマイカル(現イオンシネマ)、スポーツジムのエグザス(現コナミスポーツ)、リゾナーレもマイカルが開発。

イオン(ジャスコ)・・・関東の色でもなく、関西でもない。「タヌキが出るところ」に郊外大型モールの開発し、素早く店舗網を拡大。そこから金融戦略、海外戦略にも手を広げ、現状は流通業最大手。

ダイエーがなくなりそうなことで、いろいろ書いてしまった。何度も書いているが、GMSは過去の産物になっている。

■今日のBGM

イオンのポイント戦略を考える

またまたイオンの話になるのを容赦願いたい。

食品の買物は、売場を見るのも好きなので、完全にルーティンになっている。10月に入ってから、おそらく10%前後の値上げを感じている。買った内容と数量感でだいだいの値段はわかる。事実、値上げ発表している商品も多いし、便乗値上げのように感じる商品もある。総務省の物価指数では「食料工業製品」は8月に前年同月比6.5%高と11か月連続で上昇している。そして賃上げはその指数まで追い付いていない。2024年家計調査では、食料品購入額は平均月額89936円でエンゲル係数は28.3%と43年ぶりの最高値のようである。さらに高齢化は進んでおり、間違いなく今後もさらにエンゲル係数は上昇していく。

スーパーマーケット(SM)の利益率は、ファッション系アパレルの売上総利益率50%以上と比べると非常に低い。SM業界の売上総利益率は平均26%くらいのようだ。イオンの食品SM会社グループのUSMHは28.3%でマックスバリュー西日本は24.6%となっている。ロープライス型SMのオーケーが21.7%、ロピアは20%前後と言われている。営業利益率は2%前後が多く、物価の上下が経営数字にも響いてくる。物価上昇で値段を据え置けば、利益率悪化で経営不振に向かう現実もある。つまり価格を上げれば利益は安定するが、売上は鈍化する。価格を据え置けば売上は維持できるが、利益率は下がる。

売上対策としてのSMの販促は、現状チラシとポイント戦略が多い。品揃えで大きな差が出なければ、当然価格戦略が多くなる。その中で、前回も書いたが、イオンの繰り出すポイント戦略の圧倒的なパワーには驚かされる。一般的なSMではポイント3倍(1.5%還元)が主流だが、イオンではポイント10倍日が非常に多い。以前コメントしたのが6月で5%オフとポイント10%で10日とある。ちなみに今月は5%オフの日が4日(GG感謝デー含む)イオンカード、イオンペイでポイント10倍の日が7日ある。9月にはイオンペイでポイント20倍の日もあった。つまり食品も5%引き相当の日が11日あるということになる。これは定期的な買い物パターンを考えるとすべて5%オフ相当で買い物ができるということになる。その売上構成比次第だが、前述した各社の利益率を考えれば普通ならここまで取り組めない。食品全品5%オフということ自体、過去経験した店長時代には考えられない販促になる。

このポイント戦略は、イオンカードの拡大戦略と「イオンペイ」の普及を考えての販促であり、その経費負担はどうなっているのかはわからない。おそらくポイント戦略に関しては、イオンカード側の負担になっているのではないかと思う。すでに小売業ではなくなった感のある丸井の例を見るだけでも、カード戦略における収益は間違いなく大きい。前期のイオン金融事業の売上はイオングループ比率で5.2%に過ぎないが、営業利益の比率は25.7%であり、営業利益は616.6億に上る。ちなみにGMS事業はイオングループの売上比率は約39%と大きいが営業利益は6.9%しかない。

ポイント10倍の戦略は他のSMとの大きな差別化になる。利益率が示す通り、衣料品や服飾品には大きな購買目的要素にはならないが、デイリーニーズの食料品には効果的な販促にはなる。過去、月2回の「20、30日」だけ買い物に行っていたのだが、完全にポイント10倍が増えたことで、イオンカレンダーを見てイオンの買物が主になった。さらに近隣のSMのマルエツ(イオングループ)も毎週日曜はイオンカード、イオンペイで5%オフとなっている。

カード販促の軽費負担がどう変動していくかわからないが、現状イオングループはカード戦略で食品中心のデイリー顧客の囲い込みを図っている。インフレが続き価格競争が激化していく中、このカード戦略は有効な差別化策になる。ただ、どれくらいの原資が必要なのか想像もつかないが、いつまでもこのポイント戦略は続くのだろうか。

高年齢化が進む中、ポイント戦略が周知され継続されていけば、コンビニ事業の脅威になってきた「まいばすけっと」も含め、イオングループのSM業態(GMSの食品含む)はさらにシェアを高めていきそうな気がする。

■10月19日の日経 二連版広告 「ブルネロ クチネリ」

イオンへの疑問点

イオンの第二四半期の決算発表があった。日経新聞も「純利益9%増」「売上高と営業益は過去最高」を見出しにしている。さらに「PB好調、節約志向映す」とのコメントがある。イオン主要5事業の営業損益もある。記載されている25年上期の営業損益グラフを見ると、5事業はなく、4事業で構成されていることがすぐわかる。総合スーパー(GMS)事業の営業損益は前年の赤字から改善したしたが、実績はほぼ±0になっている。過去5年間も2年前を除くとすべて赤字で上期は終わっている。そしてGMS事業はイオンの売上構成比35%を占めている。つまり売上の屋台骨であるGMS事業は、ほとんど営業損益面では貢献していないことになる。

このイオンのGMSについての追求は非常に弱い。イトーヨーカドーがGMSをやめていくことに関しては大きな話題になった。では、イオンのGMSはこの収益で続けていけるのか?他事業のプラットホームになっているからということだろうか?過去にも同様の指摘をしてきたが、イオンはなぜGMSを続けていくか全く腑に落ちない。あれだけイトーヨーカドーのGMSを酷評した論者たちも口を閉ざしている。

数字を拾ってみたが、なかなかイオンのGMS事業であるイオンリテール単体の数字(地方イオン子会社などを除いた数字)が捉えられなかったが、2024年の決算数字が見つかった。ただしこれが比較対象になるのかはわからない。その数字を、イトーヨーカドーの同年の決算数字と比べてみる。売上はイオンリテールが売上1兆8419億、売上総利益4760億、総利益率25.8%、営業利益82億、イトーヨーカドーが売上8150億、売上総利益2006億、総利益率24.6%、営業利益-12億という数字だった。他にも人件費率はイオンリテールが15.1%、イトーヨーカドー11.4%と計算上は算出されたが、イオンリテールが高すぎるので正確には比較しにくい。この数字を見る限りではイオンリテールの営業利益率も0.5%程度しかなく、イトーヨーカドーと大きな違いはない。イオンリテールの利益率が上回っているのはおそらくイオンリテールのモール賃料分のプラスではないかと思うのだが、詳細は未確定ではある。(この時期はイオンリテール物件のモールも多い) つまり、イオンのGMS事業もイトーヨーカドーと似たような状況ではないだろうか。

GMS事業がグループとして必要な理由は何だろう。まず金融事業のプラットホームになっている事があげられる。キャッシュレスやカード事業の拡大には欠かせない。逆に、ポイント戦略などでのGMSの食品への売上貢献度も高い。ただポイント戦略の影響度が高い業種は食品であり、必ずしもGMS非食品との連動は必要とも思えない。逆に食品以外では売り上げ規模の大きいテナントと組む方が金融事業としてのプラス効果は大きいと思う。さらにデベロッパー事業のキーテナントとしての位置づけはあるが、「ららぽーと」のテナント構成を見ればGMSは必要なく、SMだけで充分なことが実証されている。今後ニーズがあるとすれば、開発を続ける「そよら」などのCSC(コミュニティSC)への出店ニーズくらいかもしれない。それでも大きな規模はいらないし、非食品業種はテナントでも補える。

簡単に考えると、GMS事業で黒字だと思われる食品業種をSM事業で賄い、赤字だろう衣料品や服飾品、住居関連などはテナントに任せれば賃料さえ間違わなければ、営業損失は発生しないのではないだろうか?逆にGMSを核テナントにしているから、若干アッパーなテナントが目を向けてないとも思える。SM事業もGMSの食品業種と合算すればさらに効率化するし、収益が出てないであろうGMSの非食品業種も、テナント化することで損切りできる。

そんなことは誰でもわかっていると思うが、祖業でもあり、なかなか意見が出しにくいとしか思えない。企業の風通しはきっと悪い。

■昨日の日経折込 アルパチーノ+デ・ニーロ=モンクレール

GMSをCSCに変革する

セブンアイホールディングスの関連会社になり、ベインキャピタル傘下で完全子会社化されたヨークホールディングスの社長が9月3日戦略説明会を実施し、「GMS(イトーヨーカドー)をCSC(コミュニティショッピングセンター)に変革する」と発表した。

これは常々このブログで主張していたことで、崩壊状況にあるGMSを解体して、GMSの物件を「SM(食品)+必要とされるテナント」化していくことを意味している。この考えには、大きく賛同する。現状は狭商圏下でもRSC(大型モール)が出店を加速しており、40年~50年前のGMS(総合スーパー)の過密期とよく似ている。

すでにGMSは崩壊状態にある。現状でも、GMSでは食品以外の業種は生き残っていない。GMSの衣料品は「ユニクロ」に勝てない。住居品は「ニトリ」に勝てない。雑貨は「ダイソー」「3コインズ」で間に合う。食品以外トータルとしても「無印良品」には勝てない。GMSが優っているなら、なぜ、「ユニクロ」や「無印」に負けないMDや売場ができなかったのか?二番煎じの取り組みへのプライドの高さや、大きい組織でのジョブローテーションが弊害となった。

「GMSのCSCへの変革」でイトーヨーカドーはSM(食品スーパー)として再構築し、その他の業種はほぼなくし、立地に合わせたテナントミックスをしていく方針になる。GMSとしてエリア分析は細かくやってきたと思う。その分析を素直に使えばいい。おそらく、今までは少し目線を上げてチャレンジ要素のある顧客戦略を実施し、それに合わせての商品戦略や販売戦略をしてきたと思う。再度一番多いエリアや客層を分析し、素直にCSCとしての戦略を考えることが最も重要だ。つまり、過去の成功体験は捨て、GMSとしてのプライドも捨てる。もう収益率がトップだったイトーヨーカドーではない。そのプライドを捨てられるかも大きなポイントになる。

CSCに変革するうえで、個店に合わせたテナントリーシングをすることも重要だが、基幹事業のSMとしてどれだけ効率を上げていくかも大きな課題だ。CSCとしてテナント誘致しての賃料収入にはSMの賃料も当然入ってくる。CSCの収益の大部分を占めるSMの賃料次第では理想的なテナントリーシングもできない。SMの賃料の設定がテナントのレベルを変える。SMの賃料を上げれば、リーシングの幅が広がるが、SMの収益が下がる。逆だとリーシングの幅が狭まる。SMの賃料が商業施設を維持するための最低賃料の攻防になる。そのためにはSMの業績を上げることが大前提ではある。

テナント側はいろんな出店事例を持っている。その事例に沿っての条件を見極めることが必要だ。決してSMの賃料ありきで条件を決めない。譲歩できる最低のラインで必要なテナントを導入することを優先すべきだ。例えば「ユニクロ」や「無印良品」の出店条件が低くても、集客力はSMより大きいかもしれない。いろんな販促を実施するより、テナントとして出店するだけで大きな販促効果が出ると思う。さらに個店で販促もしてくれる。その経費を考えれば賃料に加えて大きなプラス効果がある。

今後は、デベロッパーとしての会社が鍵となる。テナント管理する会社は発表されているが、その会社が賃料の決定権を持つのか、食品SMとしての賃料をどう算定するのかなどクリアするべき事が多くある。SM中心のCSCを運営する会社になれば、おそらく社内要員を大幅に減らす必要もある。人事管理面でも大きな問題を抱える。つまり、今までのイトーヨーカドーとは完全に決別しなければならない。

この戦略については、ずっとこのブログでも言っていたことだし、100%賛同する。しかし本当に大きな覚悟が必要になってくる。いつまでも「RSC+GMS」を続けるイオンより早くCSCへの変革、開発を急ぎ、成功させてほしい。

■今日のBGM

百貨店、専門店、GMSは相容れない

商品担当(バイヤーなど)について書こうと思っていたのだが、いろいろ考えていると、やはり業態によってその仕事も変わり、一概に書けないなと思ってしまった。当然客層によって仕入れる商品は変わってくる。

百貨店には、いたことがないので、その業務はわからない。百貨店は、元呉服商が多く接客力があり、売場は天井が高く、高級感を打ち出し、内外のブランドを売っていくという印象が強い。そういう意味で、百貨店バイヤーは「ブランドを持ってくる」「ブランドを見つけてくる」というイメージがある。例えば、ブランドを日本に初めて紹介した人として百貨店バイヤーを紹介したりする。そして百貨店メーカーにMDをさせて、売場を提供し、売れた分を仕入れるという形態が主流だったと思う。伊勢丹に「スライスオブライフ」という自主の売場があり、よく見に行ったがここでも「ブランドを持ってくる」型の品揃えショップだった。つまり百貨店のバイヤーの仕事は「ブランドを見つける」が主要業務のような気がする。

専門店はその名の通り、特定分野の商品を限定し、専門的に販売する店となる。商品を絞り込むことで品揃えに細かさが出てくる。品種単位まで細かく管理することで、顧客の満足度を高める。商品の値段やテイストなどでいろいろなタイプの専門店はあるが、その専門性に応じたバイヤーの知識や感度が必要になる。さらに主に買取商品が多く、消化率から利益面や商品回転率も考えねばならず、数値意識も必要になる。専門店のバイヤーは「売れる商品(単品)をいかに見つけるか」「いかに利益を稼ぐか」が業務だと思う。

GMSは大きな面積で、衣食住幅広く品揃えし、所謂大衆向けの大きな小売業態ということになる。いろいろなセグメントはあるが、衣料品のバイヤーは特に値段を意識し、少ない在庫で、商品の高回転を求められる。ただ専門店と違い、他業務へのジョブローテーションも多く、専門性は弱い傾向はある。尚、取引先は、量販店対応の取引先が中心になっている。量販店のバイヤーは「価格」「回転率」を中心に考えて動いていたと思う。

つまり、やっていることはほぼ似ているが、各業態によって求められる仕事が全く違うことがわかる。

以前、イトーヨーカドーに伊勢丹のカリスマバイヤーが招かれて、衣料品の立て直しを図ったが失敗に終わった。おそらく今までのそのカリスマバイヤーの知見がGMSでは全く必要なかったからだ。衣料品を売る目的が違うし、お客様が選ぶ目的も違うからだ。おそらくGMSにいた人達は誰も成功すると思っていなかったと思う。

イトーヨーカドーとアダストリアとの「ファウンドドッグ」も、前回の失敗に少し似ていた。アダストリアの本来の出店場所であるアリオのような大型モール(RSC)内のイトーヨーカドーでは、ある程度は戦えてはいたと思う。ただ、アダストリアが未経験のGMS(CSC)では、全く売れなかったのではないだろうか?専門店は当然出店する場所を自店のMDを考えて選ぶ。自店のMDをよく知っている開発担当者が出店計画を立案する。おそらくイトーヨーカドーが個店毎に出店依頼していれば、全店には絶対出店していない。そこが、この結果になった。

商品ターゲットと客層があってなければ、絶対売れない。客層が違う店に同じ商品を品揃えしても当然売れ方に変化が出る。狙っている客層が違う店に、売りたい商品を押し付けても売れない。同じ客層にシフトさせるのも個店の役目かもしれないが、SCの業態が違えばやはり難しい。ファッションで、業態の垣根はなかなか崩せない。

■今日のBGM

イトーヨーカドー、アダストリアからの調達終了

8月14日の日経新聞に「ヨーカ堂、今期秋冬商品を持ってアダストリアからの商品調達を打ち切る。」という記事があった。「ファウンドグッド」を続けないということになり、今後は経営資源を食品スーパー(SM)に集中するということのようだ。

「ファウンドグッド」に関してはこのブログでスタート期に3度(2024年2.3.4月)書いており、今年も6月に書いている。再度読み直したのだが、立ち上げ期から成功を危惧しており、最近も「数字は上向いてないように見える」という内容となっている。成功するには、お互いの資金を出し合って、会社を立ち上げるべきだったと思っていた。

新聞記事の内容から察すると、商品のリスク、内装負担、販売員はイトーヨーカドー(IY)にあったようだ。この条件は、IYからの強い協力要請の結果だと思う。「残った商品は26年以降も販売は続ける」と記事にあるように、商品リスクがIYにあることがわかる。

現状、IYのセブン&アイホールディングスでの立ち位置が厳しくなっており、IYの株式を売却する話も出てきている。その流れで、IYはスーパーマーケット(SM)事業に集中する方向に動いている。IYとしては、「ファウンドグッド」事業は、上記したようにほぼリスクを負担しており、短期的に黒字化のめどが立たない事業として結論付け、事業撤退を決定したということだと思う。数字が順調でなければIYとすれば続けるメリットはない。データ分析が得意な、現実的な会社であるIYらしい結論だ。

「ファウンドグッド」は何店舗か見に行ったが、同じIYでも立地が大きく異なる。古いIYもあるしGMSとしての店もある。さらには大型SC(アリオ)内にあるIYもある。アダストリアにとっては、経験したことのないGMSの客層だったはずだ。MDを進めてきたアダストリアのスタッフには、簡単には対応はできなかったと思う。おそらく大型モール内のGMSをイメージしてのMDだったと思うが、それでは対応できない店が多すぎた。プライスラインもユニクロよりも若干高めに設定されており、競合にも勝てていない。さらに販売スタッフの数も教育も足らなかった。ユニクロは1店舗当たりのスタッフは最低40~50名と聞くが、アリオ内の大型物件でも5~10名程度ではなかっただろうか。ユニクロやGUを競合と考えていたのであれば、商品面、販売体制面でも完全に見劣りしていた。何度か見たアリオ川口内でのショップは、オープン期より縮小されており、厳しい状況がうかがえた。

アダストリアにとっては数字としては大きなマイナスはないが、従来の販売チャネル以外での失敗は社内外には大きい痛手でとなったのではないか。どちらかというと顧客や市場をよく研究してファッション業界では手堅く、偏差値の高い企業のイメージがあったのだが、少し取り組みが甘かったイメージが残る。企業として多角化を上げており、マルチカテゴリー戦略を打ち出している企業としては少し気にかかるマイナスになった。

IYの今後の非食品の売場は、今取り組んでいる商品リスクが小さい量販店ブランドのコーナー化を増やし、さらには大きなマイナスが出ないような条件(固定賃料は低く設定し、売上歩率での契約など)で、テナント出店にもシフトしていくと思われる。「しまむら」との組み合わせも面白いし、好立地なら「無印良品」にすべて任せるというリーシングもある。無印の近年の出店は生活感のある場所への出店が増えているように思う。

40年以上小売業に携わってきて、「イトーヨーカドー」と「アダストリア」は私にとって優秀な会社のイメージしかない。量販店時代は取引先各社からイトーヨーカドーの優れた商品戦略、在庫戦略を聞き、その後アリオ立ち上げ時のコンサルに加わった時も企業体質のすごさを感じた。ビブレ在籍時や小売業経営者の時にはアダストリアには大変お世話になった。その2社が取り組んでも結果が出なかった。

間違いなく、客層のバラツキがあるGMSの非食品売場は成り立たない。この結論はここでも実証されている。

■今日のBGM

季節指数の変化とバーゲンパワーの低下

昔は、「ニッパチ」と言われた2月と8月は売れない月だった。共に、1月7月のバーゲンで春夏物や秋冬物を売り尽くしてセール商材がなくなり、売場前面も先取りと称して2月には春物をメインに8月には秋物の打ち出しを強化していたからだ。それがいつの間にか季節指数が変化し、2月の落ち込みは小さくなり、8月は6月や9~11月より売上分母が大きくなってきた。

要因はいくつかある。まず考えられるのは、郊外型大型モールが各地にできたことで、SCが買物目的と併せて、時間消費型に変わってきたことにある。夏は暑いので買い物を控えるという行動パターンから、快適な空間で時間を過ごせる場所として大型モールを利用し、そして買い物も楽しむという流れへの変化である。特に8月は学校の休日もあり、飛躍的に売上構成比は上がった。

さらに、温暖化が進み9月はまだ秋ではなく、夏が続いている状況にあるという季節感の変化がある。つまり7月で夏物をなくすより8月や9月まで夏商戦を引っ張るほうが商売上のメリットが出てきている。そして季節商品のサイクルの変化とそれに伴うセールのタイミングの変化も出てきている。

このブログでは何度も書いているが、購買客層の変化も大きい。完全に高年齢化が進んでおり、ファッションの流行を第一に考える層が完全に減ってきている。ファッションを引っ張ってきた客層は大きく減り65才以上の高齢者層が大幅に増えている。つまりトレンドを意識する層が減っているということだ。ちなみに30年前の65才以上構成比は14.6%だったのが今年には29.6%と倍増以上になっている。ファッションは、よりデイリーへ変化している。

バーゲン期に値段を下げて、「季節商品をなくす、商品を入れ替える」ことは商売として当たり前のことになる。夏商戦であれば、従来の8月は売れない月だったので7月に春夏商品を売り切って、8月から初秋物を見せて切り替えていくという商売が普通の流れだった。8月が集客できる月に変わったことで、その商売のサイクルが変わっていった。百貨店や専門店の一部では、まだ従来のバーゲンの流れはあるが、他の商業施設では、SC中心にメリハリのあるバーゲンではなくなり、だらだらとセールを続ける状況となっている。これは冬のバーゲンでも同じ傾向にある。

そのような環境下、季節感と客層の変化にどう対応するかで企業力がわかる。ユニクロは自社のルールで商品の値段を下げ、なくしていっている。当然SCでのバーゲンのタイミングにも合わせている。つまり自社の消化率等のデータに基づいて商品を売り切っている。そしてそのサイクルは比較的早い。店を見ているとプロパー期でも商品のプライスダウンをしており、セール期もなくしたい商品の順序がよくわかる。無印良品も自社でタイミングを計ってセールをしている。そして、おそらく、季節商品でも売れている商品は値段を下げていない。両社とも、細かいデータ管理と商品をなくす必要性は十分理解している。そして、昔ながらの「動かない商品は迅速になくしていく」という考えが見えるのも両社になる。

逆に、近年は利益を優先している会社が増えているように感じる。そのため、セールを長引かせることで売場の新鮮さが見えなくなってきている。さらに、季節商品の比率を下げ、比較的ライフサイクルの長い商品を品揃えしようとしている企業も増えている。その結果として、サイクルが長いため消化率が低下している事には目をむけていない。そして、利益率の確保を優先するあまり、在庫過多に陥る。そういう流れもあって、何社かの会社が機能不全に陥り、事業譲渡されている。

環境変化でバーゲンの取り組みが変わったことで、商売に対しての各社の姿勢が改めて浮き彫りになっている。

■今日のBGM

大型モール(RSC)の寿命 3

今年の1月に、この標題で2本ブログを書いている。その他のブログでも、大型モールに関しては悲観的な見方で書いている。ネットでAIに「ショッピングセンター(SC)の推移」と聞けば、「新規開業数は減少傾向であり、小型で生活密着型のSCが増加している」と答える。さらに、「テナント構成比は衣料品の割合が低下し、取り巻く環境は人口減少や建築費の高騰が要因で非常に厳しい」と答えている。

一番の要因は、テナントの新鮮さがなくなってきている事だと思う。これだけSCが増えると、どのSCも入店テナントが似てきて、テナントでの買い物をするためにわざわざSCに行くより、デイリー的な買い物で行く比率が完全に上回っているように思う。RSCのスタート期は大手アパレル(ワールド、オンワードなど)や旧DCブランド系(ファイブフォックス、サンエーなど)の百貨店以外へのチャネル開発もあり、テナントには新鮮さがあった。さらに路面店やファッションビルに出店していたヤングターゲットのテナントを積極的に誘致していった。つまりそれまでの「ダイエーと50の専門店」とか「イトーヨーカドーと70の専門店」といったチェーンストア目的のデイリー的なSCから専門店目的のSCへ大きく転換していった。ただそれから30年近くたち、テナントの新陳代謝は進んでいない。

では、テナントのラインアップが変わらない要因は何だろうか?現状上記したようなどこにでも出店しているテナントは大型区画が多い。「ユニクロ」「GU」「無印良品」「ABCマート」などは、区画がどんどん大きくなっている。大型カテゴリーとしての家電、書籍やニトリなどの住まい関連、ムラサキスポーツなどのスポーツ関連、さらに近年は100均、300均の店舗も大型化している。ファッション系ではアダストリアやパルの各ショップも大型化しており、アダストリアでは基幹のグローバルワークも標準面積を150坪となっている。他のほとんどのブランドも100坪前後の標準面積となっている。従来からの大手アパレル系テナントは100坪前後だし、付加価値のあるセレクトショップも100坪前後と大型区画としての出店が多い。

大型区画は一般的には、歩率契約が多く、最低賃料があったとしても単価は安くなる。以前の会社で約30坪の店が契約満了の際、再契約なしということがあった。売上は順調に推移しており、標準的な契約で賃料も安いわけではなかった。続ける意思はあったが、隣の大型区画を拡大するとのことで退店した。過去のリーシング経験からおそらく広がっただけで、固定賃料の増加はほぼなく、売上アップ分の歩率賃料増加のみがデベロッパーの賃料増になる契約だろうと思う。デベロッパーはその拡大区画だけを見ると、賃料ダウンにしかならない。当然そこには企業同士の思惑はあるが、どこかでその賃料ダウン分を埋め合わせしなければならなくなる。

大型店舗を導入すると、SC全体のバラエティ感がなくなってくる。当然複数店舗の固定賃料や共益費など合算のほうが、大型区画1店舗の賃料収入よりは大きい。ただ大型区画が、そのSCイメージを上げ、集客策としてはプラスになることもある。しかし、これだけ大型区画が増えてくると、50坪以下の標準区画への賃料にしわ寄せがくる。その結果として、出店へのハードルが上がる。標準区画への出店交渉が厳しくなった結果、出店コストがかからないショップや催事要素の強いショップが増えている。そして大型店舗が増えることでSCの個性がなくなり、狭商圏化が進む。

さらに賃料のしわ寄せによって、次世代のテナントが入店しにくくなっている。実際に、ここ数年大手企業以外で、興味を持つようなテナントは非常に少ない。内装経費上昇など出店するハードルもどんどん上がっている。各地域で成功して、全国展開していったテナントは本当に少なくなった。そういうテナント開発をしていくのもデベロッパーの使命だと思うが・・・

国内のGMSは約50年で淘汰が始まった。国内大型モールもおおよそ30年を過ぎようとしている。ラインアップが同じようなRSCが増えてくると狭商圏化し、淘汰が始まる。

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