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再び「在庫」と「利益」

しまむらの数字を見ていてつくづく感じたことがある。しまむらとライトオンの前年の決算数値から少し数字を引用する。

月度数値

・しまむら 1店舗 売上36.2(百万) 売上総利益12.5(百万)

利益率34.5%  平均在庫 58,42(百万) 月度回転率 0.62

・ライトオン 1店舗 売上10.02(百万)売上総利益 4.94(百万)

利益率49.3%  平均在庫57.3(百万)  月度回転率0.18 

※上記数字は単純に数字を店舗で割っただけで、ネット等売上やその在庫なども含まれる。

この数字をしまむらの回転率を0.5回転/月、ライトオンの回転率を0.3回転/月に変えてみる。その想定ではしまむらの在庫は72.4(百万)、ライトオンは33.4(百万)となる。しまむらは在庫を増やし、ライトオンは減らしてみる。

しまむらは単純に在庫増分を仕入れしたとする。その値入率を45%と想定する。売上は変化なしと想定。分母は在庫+仕入れで 58.42+13.98=72.4 分子は38.27+7.69=45.96  万引きなどの商品ロスを0として、利益率は36.5%に2%アップする。

ライトオンは仮定として20(百万)現状の原価率で返品し3.9(百万)は値段を下げると設定する。(おそらくこの原価率で返品は不可能で、ましてや返品できない。さらに不稼働在庫は不明だが、あくまでもシュミレーションとして計上。) 分母は57.3―20―3.9=33.4 分子は29.05―10.14=18.91  万引き等商品ロスは0として、利益率は43.4%と6%近くマイナスする。ただし値段を下げることで売上は上がるとは思う。

上記はあくまでも想定で、現実的な計算ではないが、在庫が多い企業は間違いなく不稼働在庫も多いと思う。商品の支払いは遅くても3か月後(ふつうは遅くて2か月後。もうほとんど手形支払いはないと思う。)としても3か月で商品が売れないと支払いはできない。仕入れの原価率次第だが3か月で商品が売れるとして年間4回転はしないとキャッシュは回らない。

しまむらの数字を見ればわかるように、在庫を増やせば利益率は上がる。利益率を優先して不稼働在庫の処理を遅らせることによって利益率の低下は抑えられる。だが、不稼働在庫の処理が遅れることで、売場の新鮮さが損なわれ、売上も上がってこない。そういう意味から商品回転率が低い企業は在庫過多の状況であり、利益率の信憑性は低いのではないかと思う。

「在庫」と「利益」は相関性が強く、特に「在庫」は第3者が調べにくい。あくまでも企業が決定する。企業として「利益」を追求することは当然だが、私自身は「利益率」より「回転率」を追求する会社を信用する。

■今日のBGM

チェーンストア理論➁

品種・・・商品部門より小さな概念で(商品)ラインより大きな範囲を指す。ライン…特定の価格ゾーンの商品品種をいう。 品目・・・アイテム。お客様が識別できる商品の最小分類。 単品・・・「SKU」生産者や流通業者にとって考えられる限りの商品の最小分類を指し、POSが扱うのは単品で、いくつかの単品をグループ化したものが品目。

「単品」「品目」「品種」の説明である。

「何が売れている?」漠然とした質問だが、品種なのか、品目なのか、単品なのかわからない。何を指すのかちゃんとした言葉が必要で、話が通じなくなる。さらに各社独自の言葉もあり何を言っているかわからないことがある。マイカルがイオン傘下に入ったとき、旧マイカルの従業員は、言葉の違いで悩んでストレスを感じたと多くの人が言っていた。

この言葉を統一しようとしたのがチェーンストア理論の渥美先生で、上記の説明は手元にある2002年度版の「チェーンストアのための必須単語1001」での説明を記入した。

前回しまむらについて書いたが、しまむらの業態はVS(variety store)と記したが、これも「必須単語」の業態の類型で、以下の通りの内容となっている。VS・・・価格レンジ「ロワーP」 商品特色「廉価短期消耗実用品 衣料4~6割」                                「必須単語」説明では以下の通り。・・・商品頻度の高い非食品を幅広くそろえた、便利総合品、売価の上限が低く抑えられている。実用衣料が主力で、売り場面積150~500坪でセルフサービスである。NSC,CSCの第2、第3の核店となる。1人売り場60坪以上でやりくりし、売場販売効率が低く、低商品回転率でも高収益なのが特徴。(抜粋)

しまむらについては業態の説明とおおむね一致する。20年以上も前の必須単語だが「SPA(speciality retailer of private label apparel)」の説明もあるし、主要経営効率計算公式もまとめてある。   

チェーンストア理論の在り方は理解できるし、各社ともそれを基本にしてフォーマットを作って戦ってきたと思う。私自身はチェーンストア理論とは考え方は違う店をやってきたが、言葉の統一は必要なものだと思っている。その中で「必須単語1001」は絶対必要なもので、標準語として続けてほしい。

各社、言葉が通じないのは小売業界としておかしい。標準語は絶対必要だと思う。

■再度画像アップ ※祝阪神優勝 岡田監督とは同じ年。学部は違うが同窓。六大学で江川を打てるのは岡田しかいなかった記憶がある。

㈱ニットプランナー 倒産 

「KP」ブランドの子供服を展開していた㈱ニットプランナーが倒産との記事を見た。ブランドはワールド傘下のナルミヤが続けるようだ。去年ナルミヤがワールドの傘下に入ったのも驚いたが、子供服業界も少子化もあり大変厳しそうだ。 

昔在籍した高崎SATY時代、1995年ごろキッズDCブランドを集積させてフロアを構築していた時代があった。「コムサデモードフィユ」「ミキハウス」「べべ」「ミニバツ」「ハッカキッズ」「ミニK」「メゾピアノ」「KP」などのブランド構成だったと思う。DC全盛期でお母さんが子供にブランドを着せるのが目的で脚光を浴びた。「コムサデモードフィユ」「ミキハウス」は年間1億くらいの売り上げだったように思う。その後ビブレ業態変更時、客層を絞るため子供業種はなくした。 

調べると中心ブランドだった「ミキハウス」は帝人グループになっており、「べべ」は投資ファンド傘下(もともとは神戸のジャバグループ。ジャバグループはその後伊藤忠から投資ファンドに。)「コムサフィユ」はファイブフォックスHPによると直営店は20数店舗。ナルミヤの「ミニK」はブランド中止?「メゾピアノ」は全国主要百貨店。「ハッカキッズ」も同様全国主要百貨店。「ミニバツ」は「バツグループ」がなくなったため、ブランドだけ残って量販店ブランドになっているようだ。 

子供服はベビー(~2歳)、トドラー(2~5歳)、スクールとサイズが細かく、商売としては非常に難しく、現在は子供はすぐ成長するのでファッション衣料ではなく、必需品になってしまった。昔は特にかわいい時期のトドラーサイズ中心にブランドニーズはあった。現状はそのブランドニーズがあるのは百貨店のみのようだ。 

2022年の子供服の全国売上高は8000億規模のようで、靴業界1.1兆円、カバン業界1.2兆円よりも小さい。きちんとしたデータがないので推定ではあるが(2010年が9000億前後)2000年ぐらいで1兆円前後の規模と思う。減少傾向であり、 店舗数や売り場面積を考えると売り上げ規模は非常に小さく感じる。特にスクールニーズがユニクロやしまむらに流れ、従来の子供服メーカーは大きなアゲインストになっていると思われる。それでも売り上げの規模にかかわらず、百貨店やGMSでは、つなぎたい客層ということもあり、売り場面積も大きく販促も多い。 

子供服は「かわいい」から実需中心に変わってしまっている。ブランドは百貨店顧客のみで成り立っている。特にスクール需要はユニクロなどのファッション実需に変わってきている。年々少子化は続き、需要自体が減少してくる。現在のファッション業界の2極化や経済環境を考えると、マスに受け入れられる子供服のブランドビジネスは難しい。 

従来の子供服専業メーカーは成り立たなくなってくるのは当然のことかもしれない。 

■今日のBGM

Fukuoka on my mind 

福岡は大好きな街で、いい仲間がいる。たった1年単身勤務をした経験だけで断言できる。その後毎月のように仕事で行っていたし、店も何店舗かあったので、さらに「いい街」の度数は上がっている。久しぶりに行ってきた。飲んだだけ(立ち飲み→行きつけの居酒屋→行きつけのスナック)の滞在だったが楽しかった。 

福岡の商業事情は仲間情報で大体わかるし、少し街を歩いただけで理解できる。 

どこの街も同じだが、ティーンズヤング層のファッショントレンドがなく、元気な層の動きが弱いためヤング系の商業ビルが減少している。天神も現状はパルコ1店舗のみで、コアやビブレやイムズがなくなっている。今後の天神ビッグバンでもこのターゲットはほぼないと思う。西鉄がどういうビルを造るかだが、昔の元気な天神のイメージが消える。 

次に七隈線の博多まで延長で商圏変化が起こる。天神で止まっていたお客様が駅に流れる。百貨店は今でも博多阪急の伸びが大きいが、大丸を抜くことは間違いない。駅周辺の商業整備が必要になってくる。アミュプラザも「ハンズ」を前面に出している場合ではないし、丸井も小売りをしないなら阪急に渡して阪急メンズ館にでもしたほうがいい。逆に天神の三越はもう難しくなってくる。ついでに言うとキャナルシティも立地は数段によくなる。SM(できれば成城石井的な)が入ればさらに集客要素は増す。人の流れが多い天神地下街の賑わいも大きくダウンしそうだ。博多駅周辺と天神地区の2極化が進む。 

郊外に目を向けてみる。アウトレットで北九州にできたイオンの「ジ アウトレッツ」も厳しい状況だし、「マリノアシティ」も目の肥えた九州の人には完全に飽きられている。「ららぽーと」はいまだにぎわってはいるものの、マナーの悪い海外客が多いという。数字はつかんでいないがゆめタウンは堅調な気がする。どこも同じだがデイリー商材は郊外SCで十分賄えている。 

「商業の天神」の流れが変わってしまうだろうとは容易に想定できる。やはりティーンズヤングを引き付ける何かがなければ天神の吸引力はダウンし、他の大都市がなっていったようにターミナル駅中心の街に変わっていく。昔の「親不孝通り」や「西通り」「今泉」の活性化が必要だと思う。 

福岡は福岡の個性があった。土地の値段だけ上がっていって、大資本しか算入できなくなり、個性豊かな人たちが参画する店や街並みがなくなっていくのは非常に寂しい。 

■今日のショット(旧天神ビブレ2跡)

インフレ下の好調企業

例によって9月の既存店前年比を4年前から掛け合わしていると、なんと、しまむらは115.0、西松屋は103.4と概算で既存店売り上げが、コロナ前より伸長している。前回ユニクロ、アダストリアが100%を割り込んでいて、コロナ前まで回復してないと書いたが、好調企業もある。プライスレンジや客層が違って、一概には言えないが、コロナの影響やインフレの逆風下でも売り上げは伸長させている。少し客層ターゲットは違ってはいるが、GMSの平場の不振を考えると素晴らしい実績だと思う。

ファッション専門店ではなくカテゴリーキラー(西松屋はそうかも?)ではなく、服飾雑貨やグッズまで扱う衣料品チェーンストアという位置づけかもしれない。比較的値頃品を中心に品揃えしており、昔の言葉だと「良品廉価」の店といえる。SCよりも路面のイメージが強い。駐車しやすい立地が多く、わざわざ郊外の大型SC(RSC)に行かなくても、デイリー商品を簡単に値頃で買える利便性がある。コロナ禍で買い物を楽しむより、必要なものを値頃価格で買うというニーズにマッチした結果だと思う。当然MDも進化している。

去年の決算数字を しまむら(以下S)、西松屋(以下N)、ユニクロ(以下U)、アダストリア(以下A)で比較すると面白い。

  売上高 S 6161億 N 1695億 U 23011億 A 2426億

利益率 S 34.1 N 34.8 U 52.4 A 54.7

人件費率 S 10.8 N 7.3 U 13.8 A 14.3

地代家賃 S 5.3  N 9.0 U ※8.5~9.0 A14.4

     ※ユニクロは地代家賃計上基準変更前からの想定

月度回転率 S 0.59 N 0.30 U 0.53 A 0.37

      ※期末在庫から算出

当期利益率 S 6.2  N 4.5 U 11.9 A 3.1 

しまむらや西松屋はSPAというよりは「買い」の商売比率が高く利益率は低いが、人件費が低く、さらに地代家賃も低い。しまむらとアダストリアでは地代家賃の差が9.1もある。徹底的にチェーンストア理論に基づいたチェーンストアかもしれない。しまむらの回転率に基づいた商売を徹底しているところは共感する。

インフレ状態の中、やはりここ数年続いた流れが大きく変わってきている。どのターゲットの「感度」と「値頃」を目線にしていくのかで店の数字は大きく変わりそうだ。

あまり細かく見てこなかったしまむら、西松屋を一度ゆっくり見てみようと思った。

・・・先日久々に伊勢丹と高島屋をぶらぶら見たが、連休明けでもあり、閑散としていた。伊勢丹の免税場所にお客様は見られず、高島屋は地元客だけのように見えた。

■先日の昼食(京都とは違いすぐ入れる)

「サムシング エルス」

小売業は「お客様の満足料」で成り立っている。そう教えられたし、実際そうだと思う。多数のお客様のニーズとプライスが一致している会社が当然大きくなっていく。そう仕向けるのが企業力だと思う。企業の考えとお客様のニーズが合致して大きくなっていっている企業が、あるべき姿だとは思う。

企業が大きくなってきて、従業員の「商品や店への思い」への比重はどれぐらいあるのだろうか?「労働の対価」が上がっていくことのほうが勝ってくるのだろうか?

最近ニュースで大手銀行が転勤手当や一時金を大幅に増額する旨報道されていた。働きやすい環境整備の一環のようである。最低賃金もどんどん上がってきている。当然のように上げていける会社もあるだろうが、最低賃金が上がることによって厳しくなっている会社もあるだろう。厳しくなってくる会社は淘汰されるのが普通なのだろうか?

ニトリの社長が言っている「小売業の企業としてのレベルアップ」は理解できる。ユニクロやアダストリアのように企業偏差値が高くなってきた小売業もある。私が大学生のころ優秀な成績だと金融、損保、商社へ流れ、小売業はあまり成績に関係なかった人材が流れた。おそらく今も変わらないと思う。ただ小売業には説明しにくい「サムシング エルス」(何か文化的なもの)があった。

結局、「利益」が企業価値になってしまうのだろうか?利益を出して拡大していく「ユニクロ」や「ニトリ」や「無印」が小売業のあるべき姿なのだろうか?「トレンド」や「売りたいものを売る」小売業は淘汰されるのだろうか?「文化的なもの」を追いかけた西武百貨店は「利益、定番」を追求したセブンに追い出され、なくなっていくステップに入った。

人員不足の現況を考えると、土日も仕事で不規則な小売業はさらに厳しさが増す。スタッフを集めることさえ至難の業となっている。「人」の小売業から「システム」の小売業に移行してきている。社会的環境もそうなってきている。

「サムシング エルス」を求める小売業はもうなくなっていくのだろうか?そういう気持ちを少しでも持った人材で成り立っている小売業のほうが実は企業偏差値は高いと思うのだが・・・

・・・関係ないけど、今年の阪神は偏差値が上がったような気がする。

■今日のスペシャルギフト

売場内装について

SCをみていると近頃はインパクトある売場がなくなっているように思う。ららぽーと門真でも感じたのだが、ここ何年かで出店を始めた店も個性があまりなく、どこにでもあるこなれた売り場になっている。特に売場内装のインパクトがなくなってきている。

RSC(郊外型ショッピングセンター)が注目されてきた頃、出店交渉していて、あるデベロッパーのリーシング担当者にこう言われた。「私は配ダク(配線ダクト)使ったテナントを入店させたことがない。」つまりデザインされた照明計画、器具をきちんと使って、安易な内装はさせないという意味での発言だった。「配ダクを使うな」ということが、いい発言かどうかわからないが、まだまだ凝った内装がいいとされる時代だった。今はモールでも配ダクを使っている店が半分以上ある。それが時流ではある。

ブランド時代を経験しているので、内装のレベル感は理解できるつもりではある。床がフローリングや石を使う時代(その中でもレベル差はある)を経験してきた。当然売っている商品のグレード感によっても内装レベルは大きく変わってくる。

家を作るのと同じで、店舗を作る(内装工事)にはコストがかかる。おそらく今は坪300千では本当にチープな内装しかできないのではないだろうか。40坪の店を坪400千で作った場合内装費で1600万の金が必要になる。これがキャッシュアウトだけでなく改装費や減価償却費のコストになってくるので収益面にも大きく影響する。できるだけコストは押さえたい。

売場のイメージはお客様に大きなインパクトを与える。商品のインパクトも当然必要だが内装がお客様に訴えるものも大きい。「ああ、あの真っ白い店」「西海岸っぽい店」「古い電柱のあった店」などで印象付けることも多い。昔、個人オーナーの店はそういう店が多かった。廃材を使ったり、鉄骨や、ケーブルをむき出しにしたり商品の個性も強かったが、内装イメージの個性も強かった。ローコストでイメージを出した店も数多くあった。

商品が標準化されている現状、店のインパクトがなければお客様は足を運ばない。内装レベルも一定以上の「ユニクロ」や「アダストリア」には勝てない。それを理解する必要がある。

内装イメージをローコストでいかにインパクトを与えられるか、出店時考える必要がある。商品戦略や顧客対応力は全社ルーティンの仕事としてやっている。そこに「売場内装」の考え方も付け加えるべきだと考える。いろんなイメージテーマ戦略があると思う。

「色」「音楽」「映画」「絵画」「景色」・・・

■今日のBGM

道の駅

先日,所用で群馬に行ったとき、テレビで取り上げられており新しくできた「道の駅 まえばし赤城」に立ち寄った。先輩夫婦と車で東北旅行した時には道の駅に十件以上(十駅?)も立ち寄っていて少し興味もあった。

「道の駅」はどういう目的でできたのだろう。昔のドライブインを民間と共同で公共事業の一環として作っていっているのだろうか?地元でとれた農産物や水産物を直接販売しているところが多く、地元色を出したドライブインというところだろうか?

「まえばし赤城」については少し車のアクセス(導入アクセス)が悪く、一般のSCやNSCも好立地でも出店を躊躇するかなと感じた。ただ好立地で幹線道路沿いにあり集客は十分あるところではある。足元商圏も多く、申し分ない。内容を見ると、商業施設ととらえると中途半端であまり魅力を感じない。地元名産品館と鮮魚館、フードコート館、温浴施設、広いパブリックスペース(ドッグラン、子供が遊べる。)という概要になっている。ドライブイン機能に「ファミリーで楽しんでもらう」というコンセプトを加えた道の駅となっている。7ヘクタールとあるので東京ドームの1.5倍くらいの大きさになる。小さ目なRSC(郊外型SC)に匹敵する。

お客様の利便性を考えると、広域から遊びに来る客層を考えても、なんだかのデイリー的な買い物ができたほうがいいだろうと思う。単純にSMがあれば十分商売は成り立つ。地域特産のお土産としての食品にデイリーの食品を加えたほうが来街者は喜ぶに決まっている。いくらでも儲けることは考えられるが、おそらくいろんな規制があるのだろうと思う。

「公」だから儲けてはいけないのだろうか?民間なら収益を上げるようどうするか考える。「まえばし」の例ではないが、一般的な「道の駅」は欠品だらけだし(地元の限られた商品中心なので)スタッフ(おそらく3セク)も活気が見えない。東北の「道の駅」敷地内でビール醸造所を併設したレストランがあったがそこはにぎわっていた。もう少し手を加えるだけで活性化するのではないだろうか?儲けられるのではないだろうか?

「公」の仕事について少し考えさせられた。予算は全部使う。例えば、例年年度末になれば道路の補修が増える。それを受注する企業が毎年の売上なので必死でとりに行く。所謂企業の「・・・族」ができていく。毎年その繰り返しになってくる。道路修繕が緊急でなければ先送りして、その金をほかに回せないものなのだろうか?「道の駅」(公)も儲かれば、もっと他方面に有効的に金を使えるのではないだろうか?

無駄に金(税金)を使っているように見えた・・・

■今日のBGM

専門店はコロナ前まで回復したか?

毎月、月初に上場企業は前月度の月次数字を報告する。会社を経営し始めてから専門店の数字はチェックしてきた。ここ数カ月はインバウンド景気もあり、商業が活性化したと報じられていて、売り上げ前年比は大幅に改善しているようである。ただ現状の小売業界はそこまで活性化しているようには見えない。果たしてコロナ前まで回復したのだろうか?実際はどうなのだろうか?

ふと思い立って、毎月月初に発表される各社の売上数値をもとに簡単に計算してみた。IR情報には過去の履歴も残っておりその数字を参考にして、コロナ後前年比数字(今回は8月数値)からコロナ前数値比を簡単に出してみた。計算方法は単純に2019年8月を起点に2020年8月から2023年8月までの既存店前年比を毎年乗じただけである。当然その期間に既存店の退店があったり、イレギュラー数字も出てくるが、とりあえず単純に毎年の既存前年比を乗じてみた。おそらくこれは各社の正しい数値ではなく、あくまでも参考数値として理解してほしい。(未発表の会社もあるし、発表日が10日以降の会社もあるので、留意した会社のみの数字ではある。)

2019年比(くどいようだがあくまでも推定数字)

100%以上 ABCマート112.6 アダストリア109.5 西松屋104.5      シマムラ 103.0

90%台  ユニクロ97.6 無印96.1 サックスバー93.8 ユナイテッドアローズ93.3 ハニーズ92.7 トーキョーベース92.2 ニトリ90.1

80%台  青山89.7 コックス80.7

80%以下 ライトオン74.1 タカキュー71.3 マックハウス63.7  

以上のようになっている。

100%を超えている会社が4社のみということは、まだまだ数字は回復途上というところだろうか?コロナ後は完全停滞期になっているという状況だ。比較的値段志向の会社が上位にあり、アダストリアが独自のポジションをとっているようにも見える。メンズ業界は非常に厳しい状況で、「家計が厳しくなるとメンズ業界への支出が減る」という構図となっているのかもしれない。大型店舗を展開する会社の数字が安定していることも共通項になる。

ファッションに関してはユニクロの流れがバロメーターになるのかもしれない。いろんな環境や各社の動向を見てもファッションの「新しい波」は当分現れそうにない。

■今日のBGM

専門店の商品部

小売業をやってきて規模が少しずつ大きくなってくると、当然本部組織も大きくなってくる。経理や人事などの後方部隊の仕事は明確なもので、存在目的ははっきりするが、商品部がどういう位置づけかが課題になる。

ユニクロなどのSPA企業は商品部の位置づけは明確だし、「商品を売る人」「商品を取引先から買う人(作る人)」の立ち位置が明確な場合は大きな問題にはならない。企業が発展途上にある場合、店に仕入れの裁量を持たせるケースが多い。中には店仕入れのウェイトが大きい会社もある。昔、在籍していた「ビブレ」も店仕入れのウェイトが高く、定番志向の強い「アンダーウェア」や「生活雑貨」以外はほぼ店仕入れだった。セグメントごとに商品部のバイヤー(MD)が2名くらいいた。その後立ち上げた会社も店仕入れの比率が高く商品部専任のスタッフは配置しなかった。(ライン職が兼任で組織してきた。)

店に仕入れの裁量を与えている会社には商品部は不要だと思っている。理想かもしれないが、全店で展開する商品を作ったり、セレクトしたりする仕事も主要な店長(ライン職)がすればいいと思う。その商品のジャッジするする人間は当然必要だが、経営幹部がそれをやればいい。

むしろ、商品登録をしたり商品データを管理するべきスタッフが必要だといえる。「ディストリビューター」と言われたりするが、どちらかというと「商品を販売サイクル上どうしていくか」をジャッジするスタッフが必要になる。データ分析して、「増やすべき商品、なくすべき商品」を的確に指示が出せるスタッフということになる。そのデータから利益計画、在庫計画につながっていく。それを商品部というなら、商品部は必要になる。そのポジションが最も必要なポジションだと思う。管理職がすべき仕事かもしれない。

商売はあくまでも現場だ。本部にスタッフが多いと経営職や管理職と顔合わせする機会も増える。いろんな質疑に答えねばならないので、質疑の回答への矛先は店スタッフに流れる。そうすると店スタッフの仕事が増える。本来の仕事ができなくなる。わかりやすく言うと質疑の回答を書類作成するために店からデータ招集をするケースが多く、店スタッフがその資料を作成する。「お客様向け」の労働時間を割いて「社内向け」の仕事が多くなってくるということだ。

「物を買う」「物を作る」ことは取引先情報もありそんなに難しいことではない。仕入れた商品、作った商品をどうやって売っていくか、商品をどうやって消化していくかのほうが大きい。それを考えるのが現場ラインの大きな仕事になる。その戦略を作成し指示するのが商品部の仕事ではないかと考える。

今日のBGM

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