風呂に入りながら、昔読んでいた文庫本を読んでいる。長く読めないのでエッセイが多い。先日、奥田英明氏「野球の国」をパラパラ読んでいて「…上着はCPカンパニーでボトムは兄弟ブランドのストーンアイランド・・・」とワードローブを書いていた。何回かは読んでいるのだが、初めて気がついた。私もずっと好きでそのコーディネイトは多い。年齢は同年代で、大変失礼だが似たところもあるのかもしれない。

ニチイに入社して7年目くらいに、商品部の「開発ショップ」の担当バイヤーというわけのわからない仕事に就いた。わかりやすく言うと、その時はDCブランド全盛期で、丸井やビブレが数字を上げていっており、ニチイもその流れを少しでも入れていきたいという思惑のもとに考えられたポジションだったと思う。ニチイ店舗をサティ店舗に変更していった最初の時期だった。当初は「田舎のビブレ」がコンセプトだったように感じる。(その後GMS進化系?のサティにすべて業態変更される。)

田舎でビブレを作るのはハードルが高かった。まず取引先が出店を嫌がる。地方都市でも売れているブランドを取り扱う地方の会社はある。その会社に出店してもらうには賃料が合わないし、地方の会社が投資に見合うか読めにくい。

話が長引くので、経緯は割愛するが(私の大きなターニングポイントなのでまたの機会に書きます。)名も知らないDCブランドが退店した高崎店の6階の約100坪をインポートブランドで自主構築した。参考にしたのは渋谷パルコシード館、伊勢丹「スライスオブライフ」。

特にシードには足しげく通った。売り場もワイヤー吊りにアルミのパンチング什器と真似た。今ではよくこの投資が通ったと驚くけれど、あの当時の高崎駅前の売れてないビルの6階を頑張って変化させた。(当然大きな赤字だったが・・・)

30年位前のことだと思う。「CPカンパニー」を仕入れたくて、大阪に行った。その当時は「三和トレーディング」という会社がブランドを展開していた。そこで出会ったのが「ストーンアイランド」で、大げさだけど「温度によって色が変わる」ブルゾンが展示されていた。値段は20~30万くらいだったように思うが、それを無謀にも仕入れた。そこから商品を見るようになった。(そのブルゾンは半額以下でブランドを知っているおじさんが買っていった。)

ブランド自体は、その後イタリアブーム、(イタ物ブーム)もあったが、マイペースの販売を続けており、CPカンパニーとは別になり、去年「モンクレール」の傘下となっている。少しヤング化しているのかもしれないし、今後はもっと値段が上がるかもしれない。

収入がなくなったのでアウトレットに期待したが、売れ筋の色が欠けてしまっており、残念だった。今後も伊勢丹はまめに見に行くし、少し余裕ができれば買っていきたいと思っている。