セブンアイが「そごう西武」を売却した。何回か書いてきたが、小売業が描いてきた、「夢」や「街づくり」や「文化への貢献」など数字に表せないものはいらないということかと感じた。セブンアイの本業はセブンイレブンになり高効率で高収益を目指すということだ。セブンアイのもう一つの本業のイトーヨーカドーはGMSからSMに凝縮し収益確保を目指す。

今後グループの会社も淘汰されていくと思われる。「フランフラン」の株も売却されている。(フランフランはセブンアイ傘下になったらイオンモールから退店させられて、セブンアイの持ち株比率が下がったらまたイオンモールに出店し始めた。)「アリオ」を中心とするデベロッパー事業も不動産として売却されるかもしれない。効率や収益を考えすぎた余り、全く魅力のないSCになってしまっている。「タワーレコード」もいらないし、「ロフト」も売上総利益率が40%未達なので収益的には厳しい。結局効率を追求したセブンイレブンが軸になっていく。ただセブンイレブンを軸にしたビジネスは大きな魅力になることは間違いない。あれだけの店舗数は魅力だし、今後の大都市集中を考えると、大都市以外ではいろんな起点になる。

業界2位のイオングループも完全に「不動産」と「金融」頼みとなっている。「狸の出るところに出店」を続けていたモール事業も国内は完全に行き詰っており、今後はGMS他社が消えていった時と同様、淘汰されていく。完全に国内より東南アジア、中国へのシフト強化が必須となる。イトーヨーカドーと同様にGMS(ジャスコ)は厳しい状況で、イトーヨーカドーより具体的な戦略は見えてこない。「タカキュー」を中心に子会社の数字も上がってきていない。今後は「金融」を使ったお客様の囲い込みが戦略の中心になりそうだ。さらに「国内より国外」戦略強化のイメージが強い。

百貨店は間違いなく大都市のみ存在価値があり、地方都市は淘汰されていく。

専門店はどうすればいいのか?流れに踊らされずに当初描いていた店の位置づけ、方向性を改めて再確認し、慌てないで冷静にジャッジすることが必要だと思う。そんなことしか言えない。小売業界3位のユニクロの「セオリー」や「プラステ」の動き方はユニクロの中にいてすごく冷静に見える。慌てて動くと絶対失敗しそうな気がする。

「SEIBU」がなくなるのは、時代の大きなターニングポイントになった。

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