SCに出店する店は少なくなってくると予測してきた。コロナで傷んだ企業が、同じくコロナで傷んだ大企業がやっているSCには出店できない。利潤を追求する大企業は当然賃料を下げるわけがない。現状維持かそれ以上を言ってくる。その条件に対応できるのは利益率の高い新業態か、収益が安定している企業になる。収益が安定している企業はさらに大型化を模索し、省力化を図り、坪家賃も引き下げる。全体の坪数は変わりないので、賃料のしわ寄せは、当然他の出店テナントに来る。
実際に現場を見てないが、イオンモールのリニュアル店舗のHPをみる。(新しい順)※新改装店のみ。あくまでも公式発表でなくHPでの個人的な検索数。
■イオンモール京都 11/2オープン
新店15 飲食系7 通信(携帯等)2 その他(保険、体験型等)3 衣料1(ワークマン女子) 雑貨1(ゾフ) 催事1(イケア)
■イオンモール幕張新都心 9/15~順次オープン
新店22 飲食6 その他(車、家、ゲーム等)9 生活雑貨2 衣料系3(古着2、オフプライス1)雑貨2(サックスバー、ABCマート)
■イオンモール広島府中 9/22~順次オープン
新店14 飲食5 その他(ゲーム、ヘアー、ペット等)3 生活雑貨2 衣料系3(ハニーズ、スタイルミキサー、ワークマン女子)雑貨1(チェルシーニューヨーク)
やはりファッション系の出店は少ない。当然リニュアルは多いが政策的な出店と思える「ワークマン女子」(ベイシアとイオンの確執はなくなった?)とバロックの新業態「スタイルミキサー」が目立つ程度。雑貨でも数字は厳しいと思われる「チェルシー」やイオンモールではあまり望まれてないだろう「ハニーズ」の出店は、きついリーシングを物語っているし、あとは大手の「ABCマート」と「サックスバー」の大型化出店。その他、飲食や携帯、保険、ペットなどの出店が多い。ファッション関連ではリニュアルの目玉になりそうな出店は見当たらない。コロナで入れ替わりの激しい飲食やメインフロア外の改装が中心になっている。
広島府中や幕張新都心はイオンモールの中では大型SCであり、リーシングも力を入れただろう物件だ。見てもなく失礼だが、大きな目玉のないリニュアルのような気がする。
今後も、今まで改装の目玉だったファッション店舗の導入は減っていき、好調店舗の大型化と「その他業種」の導入中心のリニュアルが中心になっていくことが予測される。それによってテナントの好不調の差が広がり、大型SCの魅力がどんどん薄れていくように思う。
■今日のBGM