マリノアシティ福岡の跡地に、三井アウトレットパークが27年春に開業することが決まったようだ。店舗数は200店規模で、鳥栖プレミアムアウトレット(佐賀)を上回り九州最大級で三井アウトレットパークとしては九州で最初の出店になる。三井アウトレットパークの各施設の実績から、埼玉の入間アウトレットパークとほぼ同じ大きさで、売り場面積30000㎡前後、目標売上300億くらいの規模ではないかと思う。九州では佐賀に鳥栖プレミアムアウトレットがあり、2023年度実績は、店舗数170店、売上310億となっている。
マリノアシティ閉店の時にもブログで書いたが、マリノアシティには思い入れが強かった。福岡で仕事をしている時マリノアシティはオープンし、かつての会社では自社店舗の2号店として出店した。売上規模も常にベスト2には入っていて、いい印象しかない。アウトレット棟ではなかったので、普通の品揃え店舗だったのだが客層とマッチしたのか、順調な数字を続けることができた。1点単価は20数店舗中No1で非常にいい客層だったと記憶する。
マリノア跡地のアウトレットとしての課題は、三井不動産は当然理解しているし、簡単にクリアするとは思うが列挙して見る。
・構造的に、商業施設の中に公道があり、一体感が出にくい。そのためマリノアシティはアウトレット棟とそれ以外のエリアで2分割されていた。
・増床を重ねたためアウトレット棟は統一感がなかった。
・九州の中心街の天神とは近隣駅(姪浜)と20分以内の立地で、百貨店が至近距離にあるためプレミアムブランドが出店しにくい。
・マリノアを閉めたため、「シップス」「ユナイテッドアローズ」「セントジェームス」などのアウトレットショップが厳しい状況のSC「マークイズ」へ移設した。 等々・・・
さらに、アウトレットに慣れたお客様が増え、アウトレット商品への不信感も多くなっている。大手セレクト店舗や大手アパレル店舗は、本来のアウトレット商品ではなく、アウトレット用に作った商品の品揃えウエイトがどんどん増えてきている。そして、もうすでにお客様も気付いている。
三井不動産が開発すると話を聞いたとき、大阪の門真の「ららぽーと+アウトレット」がベストだと思っていたが、やはり規模的に無理だったようだ。商圏は半分が海だが高級住宅地にも隣接しており、その層をターゲットにしたSMを誘致するのも面白いと思っていた。マリノアの数字も「ユニクロ」が退店してから下降していったようにも思う。つまり、広域商圏だけでなく、足下商圏からの集客(デイリー層)も重要な戦略だと思う。
ヨットハーバーに隣接している立地でもあり、立地を生かした飲食店やプレミアムブランド、少しターゲットは変わるが大型の「無印良品」など、アウトレットと一線を画すゾーンも必要になってくると思う。比較的値段にこだわらない客層が多かった印象が強いのでその客層が快適に過ごせるエリアもあってもいい。くだらないことだが、車客が多いので大型普通車専用駐車場で駐車幅を広く取り、有料駐車区画を作るなど差別化しても面白い。
思い入れがあって、好きだった場所なので、どういう商業施設になるか楽しみにしている。
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