「オーサムストア」が破産との報道があった。何を売ろうとしているのかわからなかったし、売れている気配もなかったので厳しいとは思っていた。「オフノオン」のほうがわかりやすかった。ホームページを見ると61店舗もある。
ここ数年でモールから大型テナントがどんどん減っている。ワールド、オンワード、イトキン、TSIなど大手アパレル系のブランドが改廃され大幅に少なくなった。どこにでもあった「ライトオン」も出店してないSCが出てきた。大手スーツ量販店も大幅に減った。外資系も閉店が続いている。
以前も書いたが、モールは大型店や新業態を積極的に導入する。当然リーシング面で助かるし、新業態なら「・・地方初出店」とうたえる。ただ数字が厳しくなっている店は多い。私でもいくつかテナント名を挙げられる。一般的に月坪売り上げを見ると100千前後の店が多く、それを割り込む店も多い。(それを考えると小型店の賃料は高い。⇒モールの利益は小型店(50坪まで)で賃料を稼ぐ図式)
アダストリアなど好調な企業は逆に、そこを逆に拡大しているように見える。
デベロッパーは売り上げを管理していて、会社の業績動向をつかんでいるのだろうか?
「オーサムストア」は4月にオープンしたららぽーと門真にも出店している。三井不動産らしくない失態だし、あの立地でもリーシングが相当厳しかったのだろうと思う。
大型店舗は、賃料面で優遇されるし、人的にも効率化できる。「オーサムストア」は衣料ではないのでアイテムが多く、SKU数もめちゃくちゃ多い。当然多店舗化しなければ商品も回らないし、作れない。利益を稼ぐには大きなロットで作るしかない。衣料系の大型店もそうだが、だんだん売れない商品はたまっていく。在庫をなくすと利益が落ちる。まったくの悪循環になる。縮小していった大手アパレルは体力のあるうちにやめていった。残っているショップもFC契約(契約先が商品を買う。)にして商品リスクをヘッジしている。
収益が悪化してくると、商品が仕入れられないし、作れない。売り場の不稼働在庫も処理できない。(処理すると利益率が下がる。)PL(損益計算書)中心になると利益率が下がれば、数字上の会社の価値も出せなくなる。まったくの悪循環になる。
体力のある会社は持ちこたえることができるが、体力のない会社は、悪循環が続き運営ができなくなってくる。
やばいなと思う会社も、いくつかある。
今後も、大型区画のテナントは、体力がなければどんどん消えていく。
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