NSC(小型モール)の役目は生活関連商品の買いやすさと利便性にあると思う。RSCはそこに「わざわざ買いにいく」商材やテナントが付け加えることで成り立っていると思っている。当然広商圏ロケーションや規模や行きやすさなどが加味されるが・・・
「わざわざ買いに行く」テナントはRSCができ始めたころは出店していたが、次第に姿を消していく。中には当初はそういうテナントだったが、その後客層に合わせていって成功していったテナントもあるし、消えていったテナントもあるし、さらに消えていきつつあるテナントもある。
現状のRSCは近隣に乱立し全く差別化ができなくなっている。わざわざ性のあるテナントがなくなり、どこに行っても同じショップMDになっている。さらに好調企業はショップの大型化を図り、それによってさらに各SCの同一化が進んでいる。当然そういう状況が続けば、SC間の競合力の差で淘汰が始まる。GMSが乱立した時と同じ状況になる。
「わざわざ買いに行く」つまり差別化できるテナントはなぜ出店しなくなったのか?そういうテナントと出店を続けるテナントは大きな違いがいくつもある。差別化できるテナントはコンセプト自体が、極端に言うと「お客様を選ぶ」「自分たちの考えを理解してくれるお客様だけでいい」「仕事のペースが違う」などなど・・・
RSCに出店しない理由を順不同で列挙すると
- 営業時間が長い。どんどん長くなる。定休日がない。
- SCのセールや販促イベントが多すぎる。
- SCでの会議や打ち合わせが多い。
- 客層の幅が広く、目的客の比率が低い。
- 賃料や他の経費が高い etc
つまり、自分たちの空間、世界を作りにくいということ。そこを解決すれば出店の糸口はできる。
そこで提言である。
- 本部や店のリーシング担当がどうしても入れたいテナントを探し10店舗くらいでまとめる。→この見極めが最も大事だが、リーシング担当は絶対に入れたい店舗は数店舗想定に必ずある。(それがなければ仕事をしていない。)
- SCの1画に500坪から1000坪くらいの場所を確保する。→現状それぐらいの面積は十分まとめて開けることは可能だと思う。それは3階の奥でもいいしデッドスペースでいい。
- その1画にリーシング担当の推薦する店舗を検討の上リーシングする。
その時の候補テナントへの想定条件を考えてみた。
- 賃料はすべて込み(共益費、販促費など)で10%以内の1年契約(再契約あり)
- 営業時間は9時間(例えば10時~19時)定休日は毎週1日(例えば火曜日)→その1画だけは上記時間のみの営業とする。
- 内装は各テナントがイメージに合った内装で出店。→内装イメージを高くする。当然内装はSCがチェックし決定する。
- テナントが出店する1画はSCでイメージを持った環境整備をする。
- 全体販促参加は強要しない。
こんな絵空事を提言しても絶対受け付けてくれない。間違いなく却下される。でも考える必要はあると思う。
こうすることによってSCの差別化が図れるし、運営能力も間違いなく向上する。
こういうところにしか生き残り戦略の糸口はない。
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