前回、「廃墟モール」として取り上げられたマイカル本牧について書いていて、「廃墟モール」についてのネット記事が多いので驚いた。その記事は、廃墟モールの原因を分析しており、廃墟モールに至った要因を7つにまとめている。ではこの要因が解決すれば、またそのモールは復活するのだろうか?間違いなく絶対にできない。前回書いたが「時代の変化」につきるからだ。そしてこの現象は、間違いなく今後も続く。

おそらく20年後、地方郊外にできた大型モール(RSC)も淘汰される。このブログでも昨年年末に書いているが、地方は人口減と高年齢化が進み交通弱者が増える。今回の廃墟モールの要因になっている「モータリゼーションの変化」が、今後はRSCにとってはマイナス要因になってくる。さらに、本来広域商圏であるべきRSCが、同一商圏内で乱立してきている。そして、類似したテナント構成になっており、テナントMDも狭商圏化を後押ししている。つまり、RSCとしての規模に商圏人口がマッチせず、テナント構成も大手中心で類似しており、「わざわざ感」を感じさせず多くの空床を招く要因になる。

郊外モール同様、都心でも同様のことが起こっている。例えばマルイは30年前の丸井ではない。DCブランドで一世を風靡したファッションビルだったが、今やその面影はない。渋谷マルイ本館はもう閉館して、建て直しに入っている。新宿マルイもきちんとフロアが稼働しているのは3階の「ロフト」くらいだ。つまり、7つの要因を語っても、もう意味のないことで、「時代の変化」を受け入れて次の計画をどうしていくかを語るべきだと思う。都心は商業からの脱皮も考えやすいが、地方郊外はどうしていけばいいのだろうか?

商業コンサルをしていた時に、地方SCの対策の依頼は多かった。提案はしたが、大手資本でもなかなか投資には踏み切れなかった。余談だが、提案には競合含めた商圏調査(ハフモデルなどの分析ソフトも使う)、テナントMD、導線計画、運営計画も含めている。それでも、企業として投資対効果を考えて検討すれば、なかなか投資のジャッジは出ない。投資へのリターンの確約が取れないからだ。結局、物件の売却を考えるか、小さな投資をしてそのまま続けていくかという流れになってしまう。

さて、この現象は今後なくなっていくのだろうか?高い意識を持って商業施設を作れば「廃墟モール」を防げるのだろうか?現状の人口構造、都市部への流出を考えても地方の商業施設が維持できるとは思わない。まずテナントが集まらない。今後も間違いなく、企業だけでの「廃墟モール」対策には無理がある

では、どうすればいいか?考えられるとすれば、「官」「民」がお互い知恵と金を出し合っての、街づくりを含めた対策しかないのではないかと思う。近い将来の人口減、高齢化に備え、「生活の起点」としての位置づけを考え、街の在り方を考えていく。その中で、お互いのメリットを出し合い、協力していく。例えば、単純にSCに「役所」の窓口を作る。そして、今後の人の流れを考えた計画を、生活拠点としてのRSCを中心に考えていく。RSCもそれに向けての投資もする。

余計なことを書いたようだが、「廃墟モール」物件は今後も増え続ける。「人口減少」、「高齢化」、「大都市集中」を考えれば「時代の産物」で、必然だと思う。ただ、だからと言って現象だけで終わらせてもいけない。

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