近頃、食品の買物ついでに、ユニクロと無印良品は定期的に見ている。本当に誰が中心になって、商品のMDを組み立てているのかと感心する。やはり両店とも、あまり外れる商品はなく、タイミングを見極めてプライスダウンもしており、商品のライフサイクルもうまくコントロールしている。あまりとがった商品もなく、必要な商品が提案できている。
先日も、朝の番組で、「高機能のアンダーウェア」を試して、いろんな角度から評価し、高評価の商品を紹介していたが、結局No1だったのはユニクロの高機能アンダーウェアだった。各下着メーカーなども比較されていたが惜敗していた。同じ番組で、食料品などではいつも「トップバリュ」などがランキングされるが、イオンの商品はランキングされていない。専門メーカーや小売最大手も寄せ付けない強みがある。
ユニクロで、半月くらい前から、「ポーター」に似たバックが、3~4種類くらいバックのフェイスにしては大きく提案されている。今年の1月に1型発売されたらしく、さらに2024年に韓国で先行発売され爆発的な人気があったようだ。「ユニクロ:C」の商品もあり、値段は2990~4990だったように思う。
おそらく、ユニクロ以外の会社で、この商品は作れないし、売れないなと感じる。値段が全く違うので、別物と言い切れそうだが、なかなかファッション系の他の会社では作りたくても作らないし、作ったとしても店頭では売りにくい。そして何よりこの値段では作れない。
以前、ユニクロのチラシ折込について、ユニクロの客層の幅の大きさが背景にあるという旨を書いたことがある。はたして、一般購買客で吉田カバンをどれくらい知っているのだろう。通勤電車で吉田カバンを持っている比率は間違いなく10%以下だと思う。さらに70才以上になれば知名度はもっと下がってくる。おおまかに勝手な予想だが、ユニクロのお客様で吉田カバンの知名度は20%以下だろうと思う。つまり、機能や値段を見て購買するお客様がターゲットであれば、「似ている」という意識は必要ない。単純にちょっと「洒落て」いて「機能的」で値段が「リーズナブル」であれば客層にぴったりはまるということになる。
もし、この商品が売れ続けるなら、ユニクロのMDの狙いはうまくはまる。近頃、本家の吉田カバンは、いろんなブランドとコラボをしている。プレミアム感をどんどん出している。ここでも完全に客層の2極化の様相を呈してきている。
ユニクロも無印良品も商品アイテムは少ないが、客層を狭めず、商品は的確に絞り込んできている。ユニクロはジルサンダーやクリストフ・ルメールを皮切りに有名デザイナー監修のブランドも低価格で打ち出し、安売りのイメージとも一線を画そうとしている。無印もヘルス&ビューティーなど拡大し商品の幅を広げ続けている。
幅広い客層に、アパレル中心に的確な商品を送り続けるユニクロや、1カテゴリーでは売れるアイテムを集中させ、カテゴリーの幅をどんどん広げていく無印良品の商品MDの仕事について、真剣に詳しく聞いてみたい。
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