しまむらの数字を見ていてつくづく感じたことがある。しまむらとライトオンの前年の決算数値から少し数字を引用する。
月度数値
・しまむら 1店舗 売上36.2(百万) 売上総利益12.5(百万)
利益率34.5% 平均在庫 58,42(百万) 月度回転率 0.62
・ライトオン 1店舗 売上10.02(百万)売上総利益 4.94(百万)
利益率49.3% 平均在庫57.3(百万) 月度回転率0.18
※上記数字は単純に数字を店舗で割っただけで、ネット等売上やその在庫なども含まれる。
この数字をしまむらの回転率を0.5回転/月、ライトオンの回転率を0.3回転/月に変えてみる。その想定ではしまむらの在庫は72.4(百万)、ライトオンは33.4(百万)となる。しまむらは在庫を増やし、ライトオンは減らしてみる。
しまむらは単純に在庫増分を仕入れしたとする。その値入率を45%と想定する。売上は変化なしと想定。分母は在庫+仕入れで 58.42+13.98=72.4 分子は38.27+7.69=45.96 万引きなどの商品ロスを0として、利益率は36.5%に2%アップする。
ライトオンは仮定として20(百万)現状の原価率で返品し3.9(百万)は値段を下げると設定する。(おそらくこの原価率で返品は不可能で、ましてや返品できない。さらに不稼働在庫は不明だが、あくまでもシュミレーションとして計上。) 分母は57.3―20―3.9=33.4 分子は29.05―10.14=18.91 万引き等商品ロスは0として、利益率は43.4%と6%近くマイナスする。ただし値段を下げることで売上は上がるとは思う。
上記はあくまでも想定で、現実的な計算ではないが、在庫が多い企業は間違いなく不稼働在庫も多いと思う。商品の支払いは遅くても3か月後(ふつうは遅くて2か月後。もうほとんど手形支払いはないと思う。)としても3か月で商品が売れないと支払いはできない。仕入れの原価率次第だが3か月で商品が売れるとして年間4回転はしないとキャッシュは回らない。
しまむらの数字を見ればわかるように、在庫を増やせば利益率は上がる。利益率を優先して不稼働在庫の処理を遅らせることによって利益率の低下は抑えられる。だが、不稼働在庫の処理が遅れることで、売場の新鮮さが損なわれ、売上も上がってこない。そういう意味から商品回転率が低い企業は在庫過多の状況であり、利益率の信憑性は低いのではないかと思う。
「在庫」と「利益」は相関性が強く、特に「在庫」は第3者が調べにくい。あくまでも企業が決定する。企業として「利益」を追求することは当然だが、私自身は「利益率」より「回転率」を追求する会社を信用する。
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