年明けから能登地震や空港事故もあり、あまり明るい年明けではないが、年末年始の商戦はどんな流れなのだろうか?年末にいくつかのSCに足を運んだが、バーゲンに入ったという印象はあまり感じなかった。年末に悲観的なことを書いたのでこの流れで小売業はどうすればいいか考えたい。もし会社を続けていたらどうしていただろうか?

一番大きなことは人事面をどう変えていくかだと思う。

小売業や飲食業は所謂労働集約型産業で、世の中の「働き方改革」の流れになかなか乗り切れずにいる。つまり働く人が集まらなければ成り立たない産業で、さらに立ち仕事で土日は休みづらい。ちょっと逸れるが、国が推奨することは、「働き方改革」だけでなく日本中に1%しかない大企業に向けたもののような気がする。それをすべての企業で取り組むことは無理がある。パブリシティ効果による「働き方」については世間の注目度は高く、ますます小売業に働く人が集まらないようになっている。小売業の中では「品出し」「検品」「レジ業務」など、まだ作業計画がわかりやすい仕事はそれでも給与を上げることによって集まるが、「接客」「演出」などなかなか具体的作業が見えにくい仕事には集まりにくい。

まず、どうやったら小売業に人(販売員)は集めることができるか?集まらない原因は何だろうか?大きな原因は土日の休みづらさにある。お盆や年末年始も同様のことがいえる。私たちが入社した時はそれを十分に理解していた。ただ今の労働環境からみると大きな障壁になっている。

まず、給与規定を変更して日曜は月2日休むことを恒常化し、さらに「日曜手当」として日祭日は出勤日数に応じて手当をつければどうだろう。日祭日に働くことがマイナスではなくプラスに感じる労働条件に変えてみる。それによって結果的に少しでも給与を上げていくことができる。

次に必要なのは、社員の視野を広げることだと思う。小売業の社員は「売ること」が使命で、「売ること」により会社がどう変わっていくかがあまり見えてない。「売ること」の楽しさ以外に会社としての仕組みや、商売のやり方についての理論が理解できていない。これが理解できないから先が見えてこない。

社員教育を重点項目にする。「会社が目指すもの」を意識させる。さらに商業理論を簡単に教える。そして問題解決への手順も全員で話し合う。会社が目指すものとは会社の理念のことだ。この会社はどういう目的で作られたかを理解させる。これは全員で意思統一すべきことだと思う。

さらに商売の仕組みを考えさせる。金の流れや、利益の仕組み、一般的に言われている商売のポイントを理解させる。「売り上げ」や「利益率」だけでない商売の仕組みをわからせる。私自身もイオンの「経営者研修?」で漠然としていたものがはっきりした。損益計算書だけでなく貸借対照表にも目が行くようになった。

最後に評価基準をわかりやすく全員に示すことだと思う。業績評価でいいと思うが、その評価基準の再設定と、個人計画の提出とそのフィードバックを明確にする。

厳しくなりそうな時期だから、一度徹底すべきこともある。モチベーションを上げることも必要だ。こういう時期だからこそ人事面の見直しが最も必要だと思う。

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