「消費者の2極化」「中間層の減少」などと軽々しく書いているけど、現実的にはどうなのだろうか?小売業の現状のデータ以外にどんなデータがあるのだろうか?どうも感覚で言っているようで、現実的にはなかなかはっきりしない。ちょっと、いろいろ思いついたことを調べてみた。

以下羅列する。

・レクサスの2023年の国内販売台数は前年229%で2024年度も増加傾向で10万台を超える。

・大手企業の2024年の定期昇給+ベースアップは5.58%で33年ぶりの高水準、中小企業も4.42%で32年ぶりの高水準。

・JTBによると、今年の年末年始海外旅行渡航人数は前年113%、費用は106.6%、旅行消費額は120.6%。

・世帯所得は2013年528.9万、2020年564.3万、2022年524.2万。高齢者以外の世帯所得は2013年615.2万、2022年651.1万。

・人口構成比65才以上1950年4.9%、2023年29.1%。65才以上:15~64歳、1950年12.1:1,2022年2:1。

・Z世代(15~24才)のブランド志向データ:ブランド意識しない70%。

ちょっと意図的な方向で調べたのだが、結論は人口構造の変化に尽きるということだと思う。年金中心の高齢者が増えたことで、2極化のイメージが強くなっているということだ。現役世代は、高齢者が少なかった時と同様かそれ以上の生活水準になっている。ただし購買ニーズには変化がある。テレビで、物価が高いとか生活が厳しいと言っているのはほとんどが高齢者で、現役時より収入が減っているので当然のことだ。しかし、その高齢者層が増えていることが大きな変化で、全体の流れが大きく変わってしまっている。そこに若年層のブランド離れも併せて、価格志向になっているということだと感じる。

話は突然変わるが、ヤオコーの社長が年末記者会見の記事で、以下のように述べている。

・現状1Km商圏シェアは17~18%。商圏シェアを分析して低い店より高い店をどうするかが課題。

・都心20Kmに出店したが、通常店の6割位の面積でも通常MDを凝縮すれば十分戦える。

・都心20Km以内には大きな商圏があり、さらに売場を小さくしたときに自社の強みを出せるかが課題。

・品揃えの強みは現状19のセグメント、特に10の主要セグメントを細かくチェックして品揃えを決めていること。

等々・・・

うまくまとめきれないが、数値データをもとに方向性を語っている。

企業は大きくなると、トップや上層部は、現実的なことは語らず、言っていることが抽象的になる。なかなか身近な数字で語らない。それを理解して指示するのが中間管理職かもしれないが、そうなると受け取り方で内容が変わることが多い。ヤオコーの社長のように数字で話せば、理解しやすい。実はこの記者会見の記事を見てこのブログを書こうと思った。

小売業は、とかく「感性」や「ロマン」を語りがちになる。スタートアップ時はそれでいいが、企業が動き始めると、仕事への取り組みや、結果には常に「数字」が付いて回る。数字で語れる経営者がいる会社は数字意識が高いはずで、間違いなく成長し続けることができると思う。

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