2023年で65才以上の人口は3600万人を超え、人口構成比も29.1%と30%に迫る。所謂、年金生活者の構成比は高まっている。私自身もその分類に入る。完全に「私」の時間が増えてくる。「買い物」という行動が完全に変わってくる。特に衣食住のうち「衣」にかける支出は激減する。行動範囲が狭くなるのでわざわざ買うことはなく、あるもので十分対応できる。支出のほとんどが「食」に変化する。
家人が車の運転をしなくなったので、買い物にはよく行く。小売業をずっとやっていたし、店を見るのが好きだし、食品売場も好きなので、喜んでついて行っている。
まず、優待日は必須になる。現役世代には「ルミネ10%オフ」や「マルオとマルコ」が効果的で特典日の集客は大きいと聞く。プロパー期にやるのでインパクトは強い。近隣のイオンにはカード特典のある「10、15、20、30日」はできるだけ行くようにしている。カード特典日とそれ以外の日では集客が違っている。食品が含まれるので5%割引にも敏感になる。
ただそういう中でも、食品に関して言うと、お客様は完全に店の使い分けをしている。何度か行っていると、店の特徴がすぐわかってくる。あえて書くとイオンは完全にカード割引頼りで、実売場は少し手が入っていない。近隣の徒歩圏にヤオコーができて、その近くにマルエツがあるのだが、明らかに食品のMDは食品SMが上回っている。その時期の旬の食材は間違いなく安いし、売場体制も充実している。近頃のイオンのカード特典日は、車で運べるペットボトルや酒、買いだめできる冷食中心、さらにあまり割引しない大手メーカー品や、ドラッグなどを買っている。生鮮商品は季節打ち出しがどこも似ていて、その値段は必然的に覚える。どう贔屓目に見てもイオンが一番高い。100円の差でも大きなインパクトはある。毎日買うものだから、ボディブローのように効いてくるのではないだろうか?
バーゲン時期に入っているが、バーゲンそのもののパワーが年々薄れている。昔はスタートのタイミングも取引先や競合各社を見ながら決めていたが、今は「大きなセール」くらいの位置づけでしかない。常に割引をしている店舗が増え、バーゲンそのものの価値も下がっている。ファッションのマスの流れが「ユニクロ」「GU」などにあり、値段の基準が下がってきている。ひと昔までは「30%オフ」「半額」に踊らされていたが、ある程度ボリュームプライスが品揃えのマスになっており、商品と値段のラインがお客様に認知されているように感じる。「1000円,2000円引き」などのほうが魅力を感じていそうだ。微妙な値段の差が売り上げを左右しそうだ。
客層は違うが伊勢丹などで展開するプレミアムブランドのセールも、実施しないブランドも増えてきているし、バーゲンのスタート日も6月中となっており昔の流れとは大きく変わってきている。
やはり客層の2極化は進んでおり、ハイエンド志向がない客層は、きめ細かく値段をチェックしていそうな気がする。店サイドは安易に割引金額を設定せず、商品の実際の価値をより見極めなければならなくなっている。
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