小売専門店を経営していると、SCに店舗を出していこうとする。わざわざ感を持つ店でない限り、それは当然のことになる。施設数の多さから、RSCではやはりイオンモールへの出店が、企業としての拡大策としては不可欠になる。ただ、それが企業の成長を止めているようにも感じる。
以前経営していた会社は多い時には27店舗あったが、売上ベスト5店舗にイオンモール内の店舗は1店もなかった。その5店舗のうち3店舗はもうない。SCがなくなった店が2店舗、あと1店舗は交渉決裂して退店した。そこには、癖があり粗削りだけれど魅力のあるSCが消えていき、イオンモールやららぽーとなど標準化されたSCばかりになってきたという背景があると思う。売上上位だったSCは、「やれるのならどうぞ」的なリーシングで、比較的賃料も高かったが坪数も大きく、売場をいろんな角度から見せることができたように感じる。
特に、国内ではRSCとして最も施設数が多いイオンモールが標準化され魅力がなくなってきている。これだけモールの出店数が増え、当然収益面でのシミュレーションも現実的になってくるとあまり冒険を冒しづらくなってくる。つまり標準化は進む。大体どこでも同じラインナップで店の規模も変わってこない。SCの個性が出なくなってくる。3層あれば、ほぼフロアのテナント構成は大きくぶれない。出店の際も、商談でだいたいどのフロアでどれくらいの大きさを提案されるかわかってくる。想定外の時は他テナントのキャンセルがあった時くらいだった。(そういう時はいい場所が来る。)つまり大崩れはしないが大化けもしない区画の提案が多かった。
従来のRSCとしての広商圏での出店はそれでよかったが、近年は商圏内に複数のRSCがあることも多い。モールとしての差別化がわからない。結局GMSがなくなっていったのと同じ道を歩んでいるように見える。そして、当然テナントリーシングも標準化されてくる。モールの収益は各テナントの数字の合算なので固い数値が必要になる。より効率を上げるため、リスクあるリーシングもしにくくなる。
一方、出店側もデベロッパーの要請に合わせて店が標準化されていく。それによって店が小さくまとまっていく。出店側からの意見や提案が通りにくくなっている背景もある。
後に、出店側として冷静に考えれば、それは正解でなかったように思う。前述したようにイオンモールでの出店で標準化の流れに乗ってしまった感はある。ただ、店も成長していくし、チャレンジしていきたい方向もある。小さく標準化していけば、小さな安定感しかなくなる。店としての次のステップが見えてこない。規模が大きかった店は、賃料もかさむが、そのプラス分の面積で違う主張もできていた。そこがスタッフのモチベーションアップにつながり、売上も上がっていったようにも感じる。
近年、RSCに多く出店していた会社の規模が小さくなっていくケースも多い。特にイオンモールには新鮮なテナントは現れていない。標準型のRSCが増えるだけの状況化の中、無印良品のRSCへの出店が減って、独自路線の出店になってきているのはそういう背景があるからかもしれない。
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