正月営業しない小売業が増えている。大手百貨店の三越伊勢丹、高島屋など、スーパーのライフ、サミット、ヤオコーなど個店対応はあるが、基本としては正月三が日休業であり、コンビニでもローソンではFCオーナーの意向で休業店舗もあるという。大きな要因は人手不足への労働環境の対応に尽きる。「働き方改革」を進めて、従業員の満足度を高める狙いらしい。
世の中の流れだし、多くの小売企業が正月休みや休日増などに向かっているが、あえて、反論する
小売業の稼ぎ時は、当然土日休日になる。売上比率は高く、過去経験ある量販店や専門店では、おそらく正月3が日で年間売上の2%以上の構成比はあった。では、その売上に対して休日に変更した利益減をどこでカバーするのだろうか?年間予算にそのマイナス分を入れて数字計画を作っているのか?「3が日休んだので数字は未達でした」という言い訳は通じるのか?(間違いなく通用しない)。「働き方改革」による売上減でも株式市場は受け入れるのか?
「土日休日が仕事だから、スタッフが集まらない」という理由だが、小売業以外の一般企業に人は集まっているのだろうか?競争率が高いのは上場企業などに限られてくるし、そこで仕事するには当然スキルが必要になってくる。思い通りの仕事には簡単には従事できない。数年前、総裁選で小泉進次郎氏が会社を辞めやすくして、どんどん希望の会社に転職すればいいと言っていたが、それはそんな簡単なことではない。
企業は収益を計上することで、存続するし、そのために努力する。小売業は一般人の「オフタイム」に集客して商売をすることで収益を確保している。集客できる日をわざわざ見逃して、セールスチャンスを逃すことが正しいことなのだろうか?
労働環境を変え、要員を確保することが目的のようだが、小売業として企業の「働き方改革」をしているのだろうか?昔、小売業の本部も、定休日は店と同様平日だったように思う。それがいつの間にか、「店」と「本部」の働き方が変わってきている。小さなことかもしれないが、繁忙期には「本部」が「店」の要員になるべきだし、休日体系も同じにするべきではないかと思う。「本部」の人間が「店」の現場でフォローすることでプラス要素は大きい。評論家になっている「本部」は必要ない。高そうなスーツを着ている百貨店の社長には、現場の匂いは全く出てこない。
さらに、小売業は成果主義を徹底する必要がある。勤務するセグメントが小さければ小さいほど、仕事が数値に連動してくる。その数値を上司が適切に評価し、その評価に準じて給料と連動させることによって、仕事への満足感が上がってくる。その適切なジャッジは難しいが「相対評価」より「絶対評価」をしていくべきだと思う。管理職を目指さず「絶対評価」のポジションで居続けるスタッフがいてもいい。企業が大きくなるとどうしても、評価に差が出てこなくなっているように思う。もっと小売業を前向きな職業と見せることの方が大事な気がする。
働き方改革で正月営業をやめていくという後ろ向きの戦略より、売上を上げる手段を全員で考えて、前向きに取り組もうという企業は出てこないのだろうか?個人的には、昔、正月出勤で元旦、二日各々1万円もらった時のモチベーションは上がった。
最後に、内向きなことばかり書いたが、小売業は「お客様のためになること」「お客様が喜ぶこと」を優先するということを忘れてはいけないのではないだろうか。
■今日のショット(元旦 荒川河川敷から)
