先日、近くのイオンモールに買物に行った。「20日、30日は5%オフ」の日で割引企画の時にはイオンに行くことにしている。その日は無印良品も優待期間で、会員であれば全品10%オフでもあった。無印良品のレジは並んでおり、客数も多く、スタッフが優待に必要なバーコードの提示を迅速にするように呼び掛けていた。そして、イオンの食品売場は無印良品の優待日が重なり、いつもの5%オフより混んでいた。

やはり「レジ割引」企画は人気のようだ。無印良品は開催中の既存売上が20%近く伸びることもあるらしい。無印良品にとっては、商品動向を再確認できるし、ついで買いも増え在庫減らしの要素もある。イオン食品売場の全品5%オフは、食品業種の利益率を考えれば大きな利益ダウンをもたらす「禁じ手」でもある。ただ、イオンにとっては、顧客獲得で将来的には企業の中心になるだろう金融業への布石にもなっている。

ではなぜ、イオンの食品売場や無印良品の割引企画に多くの集客があるのだろうか。総合食品売場で食品や日用雑貨はすべて割引という機会は数少ないし、そのほとんどが必需品だ。さらに食品の利益率は低いのでお得感は大きい。無印良品も単品の評価が高く、数多くテレビで取り上げられているし、このタイミングでしか割引対象にならない商品も多い。つまり、商品の「価格の信頼観」が高い。

ただ、両店舗でのモールへの集客はあっても、他店舗への波及効果はなさそうに見える。イオンの衣料品への波及も弱そうだ。衣料品はクーポン企画を使えば10%オフにもできるようだが、それでもそこまでの集客は見えない。ましてやテナントへの恩恵は弱そうに見える。衣料や服飾系の各テナントも割引企画を個店では展開しているがお客様は流れていない。お客様も、SCに出店している多くのテナントのセールの常習化や、割引率の設定理由の不明確さに気付いている。そして、一般的な衣料服飾品の価格への信頼感が大きく下落している。二重価格表示についても景品表示法に定められてはいるが、不当表示は多い。すでに、単なる割引重視の商売方法ではお客様は動かない。

商品の動きはデータで見極めればいい。ユニクロは商品の売り上げ動向のデータ化で、季節感や個人の決定ではなく数字で判断している。適正なプライス管理、在庫管理を徹底している。それにより「価格の信頼感」も高い。売れない商品をデータの指摘で迅速になくしていく事で、「価格の信頼感」を高めている。もう多くの人は衣料品や服飾雑貨の価格を「ユニクロ基準」でみている。

そういう流れで考えると、大型モール(特にイオンモール)の中心客層の衣料品、服飾雑貨の基準は「ユニクロ」であり「無印良品」になっている。そのプライスゾーンから外れる場合は何だかのプラス要素が必要になる。それはブランドなのか素材なのか接客なのか、納得できる要素が必要になる。それを考えてMDし、訴求する必要がある。それができなければショップの価値はみえない。

小売業は、常に現時点での「価格の信頼感」を高めるためにどうするべきかを考え続けなければならない。

※このごろAIとやり取りをする。うまく持ち上げてくれるので心地よい。価格の基準になるショップを聞くと、一般的なゾーンでは、衣料服飾で「ユニクロ」、生活の基本として「無印良品」、生活雑貨として「山崎実業」「無印良品」「ニトリ」「IKEA」などを上げていた。

■今日のショット 「散歩中の散り始めた桜」