上場専門店の売上数字を、前回簡易的に計算してみたが、債務超過のタカキューは別にすると、ライトオン、マックハウスというジーンズカジュアルから派生した専門店の数字が気になったので去年の決算数値を確認してみた。
ジーンズショップは、サイズが細かく品番も多くメーカーも多いため、特にデニムの在庫が多くなり、商品が回転せず、売れていても、経営は非常に厳しい。特に現在はルーズなサイズ分類が中心になり、ライトオンでもデニムの在庫ウエイトは下がっており、売り場のボリューム感を出すために、一時は売台 にデニムの類似品が陳列されており、在庫を減らそうという苦労がうかがえた。
去年の決算を見てみると以下の数字になる。
・ライトオン 売上48229百万 利益率49.3 ※2019年対比65.2% 394店
自己資本比率44.2% 流動比率62.5%
1店舗平均 月度売上10200千 平均在庫57300千 回転率0.18
・マックハウス 売上18443百万 利益率48.0※2019年対比65.8% 320店
自己資本比率35.8% 流動比率71.3%
1店舗平均 月度売上 4800千 平均在庫26100千 回転率0.18
(マックハウスは他の業態もある。)
非常によく似た数字になっている。
在庫が減ると自己資本比率は下がる。流動比率は上がる。経営分析は在庫高にも左右される。
きしくも、両社とも月度回転率は0.18となっている。年間定番商品が多いと回転率は低い。デニム中心になるとそうなるかもしれない。
ファッションで言うと春夏秋冬の四季がある。年4回衣替えがあり商品が変わるとして4÷12で1カ月0.33回転になる。現在は在庫勘定方法が変わったらしいがユニクロは月0.5回転だったと聞いているし、アダストリアも悪化していても前期は月度0.37回転になる。
両社の決算数字に対して異議を唱えるわけではないが、本当にこの回転率で商売をやっていけているのかとは思う。SPAであれば在庫日数が大きくても原価率を考えると許容範囲はあるが、買いの商材は支払いが半年後であっても、この回転率ならキャッシュが回らない。
この在庫評価は適正なのだろうか?販売できる値段になっているのだろうか?この在庫回転率を見るとこの商売は長く続かなそうに見えるが・・・
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