小売業は「お客様の満足料」で成り立っている。そう教えられたし、実際そうだと思う。多数のお客様のニーズとプライスが一致している会社が当然大きくなっていく。そう仕向けるのが企業力だと思う。企業の考えとお客様のニーズが合致して大きくなっていっている企業が、あるべき姿だとは思う。

企業が大きくなってきて、従業員の「商品や店への思い」への比重はどれぐらいあるのだろうか?「労働の対価」が上がっていくことのほうが勝ってくるのだろうか?

最近ニュースで大手銀行が転勤手当や一時金を大幅に増額する旨報道されていた。働きやすい環境整備の一環のようである。最低賃金もどんどん上がってきている。当然のように上げていける会社もあるだろうが、最低賃金が上がることによって厳しくなっている会社もあるだろう。厳しくなってくる会社は淘汰されるのが普通なのだろうか?

ニトリの社長が言っている「小売業の企業としてのレベルアップ」は理解できる。ユニクロやアダストリアのように企業偏差値が高くなってきた小売業もある。私が大学生のころ優秀な成績だと金融、損保、商社へ流れ、小売業はあまり成績に関係なかった人材が流れた。おそらく今も変わらないと思う。ただ小売業には説明しにくい「サムシング エルス」(何か文化的なもの)があった。

結局、「利益」が企業価値になってしまうのだろうか?利益を出して拡大していく「ユニクロ」や「ニトリ」や「無印」が小売業のあるべき姿なのだろうか?「トレンド」や「売りたいものを売る」小売業は淘汰されるのだろうか?「文化的なもの」を追いかけた西武百貨店は「利益、定番」を追求したセブンに追い出され、なくなっていくステップに入った。

人員不足の現況を考えると、土日も仕事で不規則な小売業はさらに厳しさが増す。スタッフを集めることさえ至難の業となっている。「人」の小売業から「システム」の小売業に移行してきている。社会的環境もそうなってきている。

「サムシング エルス」を求める小売業はもうなくなっていくのだろうか?そういう気持ちを少しでも持った人材で成り立っている小売業のほうが実は企業偏差値は高いと思うのだが・・・

・・・関係ないけど、今年の阪神は偏差値が上がったような気がする。

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