日本リテイリングセンターによると、NSCの定義は売場面積1500坪~3000坪、敷地5千坪~1.5万坪、商圏人口は3.5万人、テナント数は10~30とある。他の分類はGMS(イトーヨーカドーなどの総合スーパー)中心の中型ショッピングセンターという位置づけのCSC(コミュニティショッピングセンター)、このブログで多く登場するRSC(リージョナルショッピングセンター:郊外大型モール)などがある。
おそらく、今最も売れそうなSCはNSCだと思う。以前から指摘しているように郊外大型モール(RSC)は厳しい状況になってきている。RSCはその規模を利用して住宅(マンション)やメディカルモールなどを併設していくなど、方向性を買い物以外に向ける必要があると思う。駅前も駅直結以外の百貨店やファッションビルは厳しくなってきており、さらにGMSはイトーヨーカドーの解体でほぼなくなってきている。
南浦和駅前に丸広百貨店が運営している商業施設がある。もともと丸広百貨店だった施設を自主の百貨店をやめテナント運営に切り替えた施設になる。商業面積は12680㎡となっているので約3800坪、6層で1フロア600坪強の建物になる。主なテナントとフロア構成は1階「ヤオコー」、2階「ニトリデコホーム」「マックハウス」「ココカラファイン」と美容室など、3階「しまむら」「ハニーズ」「シュープラザ」など、4階は「ダイソー」書籍など、5階6階はクリニック、薬局、フィットネスなどとなっている。
SMのヤオコーはいつもにぎわっている。さすが34期連続増収増益の埼玉の優良企業で安いし欠品が少ない。売上は25億前後のようだ。多いだろう足元商圏(1km圏5万人)を完全にカバーしている。2階以上のテナントもうまく集めている。建物自体の条件(所有形態など)はわからないのでリーシングの条件も分からないが、NSCとしてのオープンモールなら及第点のテナント揃えにはなっている。さらに今のテナントをうまく整理し、「GU」(※ユニクロではない)と「西松屋」が入店すればほぼ完ぺきになりそうだ。
建物の古さと所有形態でリーシングの難度は変わるが、南浦和駅前で今よりプラスの変化があればビル型のNSCとして成功しそうな気がする。周辺にはイオンモールが川口に2つと北戸田にあり沿線に大宮、浦和はあるが南浦和駅前には商業施設は他にはない。2路線乗り入れで京浜東北線始発もあり1日乗降客が10万人超の大きな駅前のメリットを生かすことができるような気がする。
ここ数年大型SC(RSC)ばかりに目が向いていたが、今後は間違いなくNSCの開発が増えていくと思う。実際イオンGはイオンタウンを強化して、開発に力を入れているように見える。さらに駅前は空洞化しているケースが多く、退店するイトーヨーカドー跡地も含めて、NSCとして旧駅前商業施設を活性化させる戦略が必要になるのではないかと思う。
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