セブン&アイの鈴木元会長が亡くなられた。コンビニの「生みの親」と言われている。お会いしたことはないが、以前も書いたことがあるがイトーヨーカドーの体質はよくわかっている。特に鈴木氏が作り上げた「セブンイレブン」(以下セブン)は小売業の1つの大きな柱になっている。
マイカルをやめる前、イオンの経営者養成の社内研修を受けた。1年以上の研修で非常に厳しく、課題解決などのスキルを学び、最終的にチーム分けされ、出された課題について岡田会長にプレゼンするというような研修だった。課題はいくつかあったが、チームには「今後のコンビニを活性化させるには?」というテーマが与えられた。おそらくイオンの課題をテーマにしていたと思うが、チームで必死に検討した思い出はある。(途中で退社したが・・・)その時のプランは「ガソリンスタンドとの協業」や「店内での酒含めた飲食」(その後どこかで実現していた)などをまとめていた記憶がある。ただ、いろいろ分析すると「セブン」には勝てないなとは感じていた。
近年のコンビニ業界を見ていると、「都心対策」が一番注目されているような気がする。イオンの「まいばすけっと」対策で値段に太刀打ちするためにどうしていくか。各コンビニの個性をどう出していくのか。等… そのためにファミリーマートがTシャツ中心にアパレルに参入し、セブンも再びアダストリアとコラボするというニュースが出てくる。このアパレル参入については非常に厳しい見方をしてしまう。商品を見てどうこう言う以前に必要あるのかということだ。
コンビニはFC事業で成り立っている。いろんな仕組みはあるが、結果的には仕入れ代金はFCのオーナーが支払うことになる。つまり商品を早く売って、現金を回収しなければならない。一般的なコンビニの回転率は月2.3~2.5回転で、セブンに至っては3.5~4回転以上のようだ。その中にファッションを入れてどれくらい回転するのか?肌着としての感覚でも、衣料品よりは回転するが、月0.5回転くらいではないだろうか?ファミマのファッションのコンビニでの売り上げは200億を超え300億に近づいているようだが、ファミマ全体の売上からすると0.6%くらいしかない。什器も3台くらい使うそうだから陳列台別にも効率は良くない。本部がリスクを持つ条件かもしれないが、現場からするとイメージ以外プラスの感覚はあまりないように感じる。急に必要ならネットでもすぐ買えそうだ。つまり、商売より大都市のコンビニ間の差別化が一番の目的になっているようにも感じる。
イオンの研修の時に感じたことは、過疎地にも出店しているセブンが最終的には残っていくだろうなということだ。近年特に感じるが、高齢化と大都市集中で将来的に地方はどんどん過疎化が進んでいく。行政が3セクをFC化してセブンを運営していく事も考えられる。実際、もうそうなっているところもあり、役所の中にコンビニができていたりする現実もある。金融面(セブン銀行)や宅配のシステムも整っている。収益面では大きくならないが「公」と組むことでリスクヘッジができるかもしれない。ライフラインとして絶対に必要になるし、それを想定しての店舗網ではなかったのかと感じる。
ただ、最終的には都心の数字が企業の幹にはなる。現実的にコンビニの最優先課題は、既存商品外の商品での差別化より、現状の品揃えのレベルアップと人的課題の対策になると思う。日販の数字を見る限り、セブン独走の気がするが・・・
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