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イトーヨカドー アリオ

「ファウンドグッド」の売場を見ようと思って、イトーヨーカドー浦和店に行って見たが、完璧に食品ニーズの古いイトーヨーカドーで、少し客層が違う店を見なければと感じて、アリオ川口に行って来た。アリオを見て少しびっくりしたので、アリオについて書こうと思う。

以前書いたと思うがアリオが千葉の蘇我に1号店を出店するとき、コンサルをした経緯がある。その後立ち上げた会社で数店舗出店依頼があったが、出店場所やタイミングが合わず見送った。近年のアリオはRSC(郊外大型モール)というよりCSC(コミュニティショッピングセンター:中規模)の意味合いが強くなっている。

アリオ川口は近隣でも行ったことはなかった。好立地にもかかわらず、全く魅力がなく手を入れている感じが全くしなかった。

現状20あるアリオのSCを調べてみたら、見たことのあるSCが4SCしかなかった。フロアマップで確認すればおおよそのイメージは、ショップMDで理解できる。あくまで主観ではあるが、おそらく全国のRSCレベルでの及第点はアリオ亀有ぐらいだろうか?(亀有には行ったことがある。)CSCとしての及第点のSCが10ぐらいはある。

感じられるのはテナントの改廃により、どんどん出店店舗のレベルダウンが進んでしまっている点だ。全店のフロアマップを見るだけでもそれはわかる。おそらく魅力ある店舗のリーシングより損益を考え、賃料を優先してきた結果だと思う。人気のあるSCはその政策でも競い合ってさらに良くなっていくが、厳しいSCはその結果、携帯などの通信業や利幅の大きな業態の入店が多くなり、魅力あるテナントが減っていく。

イオンもRSCはたくさんあるが、イオンモール物件とイオンリテール物件のRSCがある。イオンモール物件は㈱イオンモール(デベロッパー事業)が運営し量販店イオンがキーテナントの1つになっている。イオンリテール物件は㈱イオンリテール(量販店イオン)が運営しているSCということになる。テナントの立場でいうとイオンモール物件のほうがテナント寄りの思いが強く対応が心強い。逆にイオンリテール物件はあくまでもイオンを儲けさせるためのテナントという位置づけの印象が強い。さらにテナントの売上や特性より賃料を優先させているイメージがある。つまりモール物件のほうがモールイメージを優先させており、リテール物件のほうが収益重視に見えた。以前立ち上げた会社ではイオンリテール物件には数店舗入店したが結果的にはすべて退店した。

おそらくアリオは、あくまでも量販店イトーヨーカドーを底上げしようという手段のSCになっていったのではないだろうか。グループの収益を重視した結果、数字優先のテナント揃えになってSCの魅力がなくなっていったような気がする。おそらくテナントの改廃時、商環境より賃料を優先したリーシングの結果が積み重なって、リーシングの首を絞めてきた結果だろうと思う。

アリオ川口を見ても、さすがにイトーヨーカドーのSMは商品や値段の絞り込みが優れていて、足元のお客様は十分つかみきっている。だが、シネマとSMが主な集客要素では広域からのお客様は集められない。川口には大きなイオンモールが2つもあり、さらに「ほぼ東京」でもある。足元客だけではあれだけのSCは存続できない。

イトーヨーカドーグループのセブンイレブン一極集中が進む中で、イトーヨーカドーの衣料撤退に続いて、デベロッパーとしてのSCの存続問題も今後課題として出てくるのではないだろうか。

■今日の1枚(やっと満開の散歩コース)

イトーヨーカドーとアダストリア 2

GMSの衣料服飾品売場の課題が浮き彫りになっている。イトーヨーカドーは廃止の方向だし、イオンは別会社化している。イトーヨーカドーの売場をアダストリアが商品を供給し、売場作りや演出方法についても提案していくとのことである。

何故、イトーヨーカドーの衣料服飾品売場は売れなかったのだろうか?MDや演出方法が間違っていたのだろうか?おそらくイオンのトップバリュがイトーヨーカドーの衣料服飾品をやっていても同じ結果だっただろうと思う。さらに悪い数字だったかもしれない。完全にSCの集客力の違いで、GMSという業態がもう終わったということに尽きる。

今回のアダストリアとの取り組みについて考える。専門店と百貨店、量販店(GMS)は売り方が全然違う。過去に伊勢丹のカリスマバイヤーがイトーヨーカドーの役員になり衣料服飾売場や商品の変更を企画実施したが成功しなかった。土俵が違うし仕事のやり方が全く違っていたからだ。あの事例は簡単に予測できた。ファッションを売ることと商品を売ることは違う。そこに買い物に来るお客様も違う。そこに大きな差があった。

ここからはあくまでも個人的な意見になるが、アダストリアには、イトーヨーカドーのスタッフの小売としての業務レベルが相当に高いと思って臨んでほしい。私事で書くが、あまり業態の差はないと思われそうだが、GMS(サティ)と専門店(ビブレ)を両方経験した。「ビブレ」はファッションビルに見えるが、自主MDの店を30近く運営していた。当時の流れの差もあるが「ビブレ」は「サティ」を認めてなかったように感じた。私自身は「サティ」のほうがファッション業界の流れやトレンドはつかみきれてないが、数値意識や商品知識や販売スキルは高いと感じていた。つまり「感覚」や「トレンド」はあまり意識してないが「売れる商品」や「売れる素材」は理解していたように感じた。実際業務のマニュアルやデータ分析は「サティ」のほうが先行していた。そのGMSを引っ張っていたのがイトーヨーカドーだったのだから、実務レベルは、相当高いだろうし、取引先からもそういう情報を聞いていた。さらにディストリビューターの権限が強くデータ分析力も高いと言われていた。

間違いなくトレンドのつかみ方や、時流に合った売るための内装、演出の仕方、さらに一番差が出るお客さまへの接し方はアダストリアのほうが確実に上回っている。さらにこのブログでも書いてきたが、アダストリアは素晴らしい経営者がいて素晴らしい会社だ。

このターゲットのお客様をつかむ事業を開発し、ユニクロに負けない事業を構築する目的で両社が新しい会社を作っていくことが望ましいことだと思う。現状の報道を見る限り、イトーヨーカドーをアダストリアが助けるイメージが強い。まだ完成形を見てないが、導入された店を見る限りだと、イトーヨーカドーの声が聞こえてないなとも感じた。新しい売り場を作っていこうとする気概を是非見せてほしい。今回はイトーヨーカドーの底力に期待したい。

今回、この内容を書くかどうか迷った。GMSの衣料服飾品の収益が悪い記事を見るたびに、GMS衣料品出身としては悔しい思いがあった。商品よりも環境が大きな問題で、そのMDや売り方はそんなに大きな問題はないように感じていた。百貨店の取引先主導のMDよりも専門店の感性型MDよりもGMSのほうが理詰めだった気がする。GMSから離れて、百貨店や専門店の人たちと交流したが、商品素材や縫製についての知識や、数値面、システム面で劣っているとは感じなかった。逆に商売の理論は上回っていると感じていた。決して卑下することはないと思う。

今後どうなっていくか、一番注目している。

■3月23日の日経朝刊 ※掲載料は?

2件の取引先との協業について

前回のブログを書いているときに思うことがあった。イトーヨーカドーとマックハウスは売場の改善を目的にしているのに対して、アダストリアとワールドは新客層への取り組みを大きな狙いにしているのではないかということだ。

現状のアダストリアの主戦場はRSC(大型モール)であり、ワールドは百貨店、ターミナルビルのように見える。所謂、モデレート層をうまく取り組んでいる。特にアダストリアはそのターゲットでは一番のシェアを取っていると思う。

このブログでも再三書いているが、現状の客層はインバウンドを含む高級ブランド、百貨店志向と、ボリュームプライスを打ち出している専門店の客層に2極化されているように見える。中間層ターゲットの専門店の流れは悪い。ボリュームプライスの専門店はユニクロ、しまむら、ニトリ、西松屋などがあげられ、好調な数字が続いている。

アダストリア、ワールドは2極化されたボリュームプライスニーズには、現状取り組めていない。今後の戦略としてどうしてもそのゾーンにも参入が必要になってくる。つまりボリュームプライスの商売を模索しようとしているのではないか?主戦場のRSCや駅ビルでは確実につかめない客層を把握していきたいのではないだろうか?

そういう意味では100店舗以上あるイトーヨーカドーの衣料服飾売場はチャレンジするのにベストの状況になる。ワールドは少し読みにくいが、マックハウスも、従来ダイエー中心に出店していてイオンモールなどRSCに乗り遅れた経緯がある売場が多い。

さらには今回の取り組みは、いずれも厳しくなった売場を開発する目的でスタートさせるので、どちらかというとイニシアチブをとれる。優位性を持てれば商品MDだけでなく売場の内装、レイアウト、演出までリーダーシップをとれる。

アダストリアにとってイトーヨーカドーは非常にいい相手だと思う。大型の売場をコントロールできるし、安定したSMを持っているSCで取り組める。さらに、おそらくシステムやデータ分析はイトーヨーカドーに1日の長がある。その部分も取り込める。いろいろ試行錯誤ができそうだ。阿倍野キューズモールのイトーヨーカドーで商品を少し見たが、「袋入りの商品はどういう目的があるのか」など気になる事はあるが、修正を重ねていくと思われる。フルラインの衣料と雑貨までの展開で、優等生企業同士の取り組みには期待できる。唯一問題があるとすれば、元気がなくなったように見えたイトーヨーカドー側のスタッフのモチベーションが上がるかだと思う。

ワールドの取り組みは、前回のブログで書いた通りで、ワールド側が「うまくいったら儲けもの」くらいの取り組みのような気がする。思い切って両社で金をかけてどこかで成功事例を作る必要がある。お互いの出方を見ながらのスタートなら、うまくいかないし、マックハウス側に傷が残るだけになる。

専門店各社のボリュームプライスへの取り組みが、過熱しそうな気がする。

■今日のBGM

トップバリュコレクション(TVC)

「イオンは衣料品ブランドを刷新した。」というニュースが流れた。記事を読んでみるとイオンのカジュアル衣料を子会社の「トップバリューコレクション」に移管し、PB名を変え、新商品を開発していくということのようだ。

イオンはGMSをあきらめないそうだが、すでに結果が出ている。商品やシステムでは完全にイトーヨーカドーには勝てなかったと思う。何とか、イオンモールの成功で、2核1モールの1核として比較的恵まれた場所と賃料でイオンのGMSは成り立ってきたと思う。イオンを利用する者として見ても、衣料品で購入するのは下着ぐらいで、フロアにいる客層もシニア層が多いと感じる。

昨年、衣料品売場を「トップバリューコレクション」と題して改装し、「これがイオンの衣料品の売場」と方向を示したという記事があったと記憶する。その売り場を浦和美園イオンで見たことがあるが、企業人が机上で計画して、やって見せた売場に過ぎず、今までとやっていることは何も変わってない。販売区分ごとにきれいに見せただけにしか見えない。見せ方を変えた分わずかに効率は上がったかもしれないが、損益を大きく改善できるものではないと感じた。岡田会長が「GMSはやめない」と言っているためにやっている感しかない。誰も言えないのだろうな。

衣料品で戦うなら、ユニクロのように1つの大型ショップとして戦っていく気概が絶対に必要だと思う。イオンの友人と話しをすると「その計画は何度も出ては消えている。」らしい。守られ、恵まれた環境で、商売をしていても成長はしていけない。イオン直営ゾーンの外に出てアウェイでどれだけ戦っていけるかを知ったほうがいい。西友から無印良品ができ、西武からロフト、東急からハンズができたように1人歩きできる大型店をイオンも作るべきだと思う。住居関連の直営売り場もニトリのような専門店を開発したらいい。比較的恵まれた環境で仕事を続けているから、中途半端なことしかできないのではないだろうか。私自身も、GMS出身で、会社を立ち上げ大きなSCに店舗を持って、商売環境について感じることはたくさんあった。何度も書いているが、イオンのGMSは、成功したイオンモールの中にいるから何とか成り立っている。今後郊外モール(RSC)が厳しくなれば、当然もっと厳しい数字になるのは目に見えている。

近年イオンモールからユニクロなどの大型店が、別のSC、路面店に移設するケースもみられる。売場の大型化や賃料の問題などが要因だとは思うが、その対策としても大型ショップの開発は重要な要素だと思う。さらに家電など大型カテゴリーの欠落しているRSCもあり、その対策としてもGMSの売場の整理は大きなプラスになるのではないだろうか。

「井の中の蛙」でずっといると、間違いなく取り残される。イオングループから大型専門店が開発されて、「ユニクロ」や「ニトリ」「無印良品」と戦える業態が出てくることが、小手先の改装や社内の組織変更より大きな意義を持つと思う。

■今日のBGM ・・・映画「パーフェクトデイズ」は良かった。ルーリードは持ってないので。

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