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数字を冷静に分析する

少しデータをまとめる用があり、営業面の数字を拾ってみた。対象となる売場は見てないのだが、売り場の状況が見えてきたような気がする。

小売業は「感性」によるところが大きい。特にファッション要素が高くなればなるほどその傾向は強い。思い入れを持って仕入れて、思い入れを持って売っていくからだ。ただその思い入れが強ければ、冷静に商品の流れが見えない。思い入れの強い商品は当然売るために努力する。前面に出したり、演出を強化したりする。ただそれよりも確実に売れている商品があることが多い。

管理系のスタッフが時にデータを拾い指摘することがある。そのデータに冷静に向き合っていけてはいないのが現実だ。

財務会計と管理会計という言葉がある。財務会計は利害関係者に企業活動報告をするためのもので、前向きな経営に関する手段としての会計を管理会計というようだ。会社は営業と管理に分かれているケースが多く、その橋渡しをする部署は少ない。

営業面のデータを見て、感想と原因を羅列していくと、現状が必ず浮かび上がってくる。例えば毎日の売上前年比の流れだけでもトレンドはわかる。

小売業は毎日が勝負で、毎日の仕事は売り場で終始する。月に1度くらいはいろんなデータを集めて、数字を見ていると、見えないものが見えてくる。そしてそれは絶対売り場の問題点の解決につながる。

■今日のBGM

地方専門店は残っていけるのか。

昔の形で残っている専門店はまずないのではないか?

まず思いつくのはトラッド系の専門店。「VAN」から始まって「Jプレス」「ニューヨーカー」「エイボンハウス」などと、ちょっとそこからヨーロピアン「JUN」に流れた専門店。トラッド系は「ポールスミス」や「マーガレットハウエル」の品ぞろえに変わり、DC全盛時にオンリーショップになり、専門店としてはもうほとんど見ることはない。

DCブランドは大都市中心にオンリーショップを直営で展開したが、地方ではトラッド系の専門店が「ビギ」「ニコル」中心にFCとして広がっていく。現在はブランド衰退と同時になくなっている。大手のFCであった企業ももうなくなったか規模が小さくなった。

次にジーンズ系。ジーンズの人気に相まって広がりを見せた。が、おそらく在庫の問題や掛け率の件もあり、インポートデニムブームをピークに減少していく。「三信衣料」から「アーバンリサーチ」を立ち上げ脱ジーンズを図ったアーバンリサーチ、「ポイント」から見事に転身したアダストリアが大手専門店に変化を遂げた。地方にはまだジーンズ専門店からジーンズのにおいがするセレクトに変わっていった店は多い。「Bshop」系のセレクトを加えて生き残っている専門店もある。ただエリアでのバッティングや在庫の重さで大きくはなっていけない。

1970年代後半くらいからじわじわ大きくなってきたセレクトショップも、今は完全に「自主MD+買い」に変化して大手専門店チェーンのようになってきている。(「トゥモローランド」だけ別路線に見えるが・・・)地方のセレクト系はファッションに興味を示す客数がダウンしてきたこともあり、大幅に減ってきた。昔は「ファッションは熊本から」と言われていたが、九州も、もうその面影はなくなった。

いろいろ思うところはあるが、規模を拡大せず、売っていきたい商品を、好きになってくれた顧客に売っていくしかないのかと思う。チェーン化を目指しても相当の分析努力がなければできない。ストライプインターナショナルの例を見ても流れだけでは成功はしない。

山口からのユニクロや水戸からのアダストリアのような企業はもうできないのだろうか?

余談ではあるが、私がいろいろお世話になった人が群馬県の桐生市でセレクトショップをやっている。工場をリノベする大きな投資をして「思い」がわかる店を作った。チェーン化しなくても「会社スタッフ」と「お客様」が満足してくれるならそれだけでいいのかもしれない。

今日のBGM

低価格衣料品店

イオンが低価格衣料品店を30年までに240店舗出店するとの報道があった。「ユニクロ型店舗」ということである。

イオンの友人に「トップバリュ」でショップを作らないのかと聞いたことがあり、その時はその意見はずっと構想に出ているが、トップが変わるたびに浮かんだり消えたりしているとのことだった。大きな組織にありがちで、トップが変わると決定が先延ばしになる典型のようだった。

イトーヨーカドーと同様に、イオンのファッションは間違いなく売れてない。イオンモールもイオンで必要なのは「食品」であり、衣料や生活雑貨は大型専門店にしてゾーニングしたほうがずっと買いやすいし、イオン側も効率が上がると思う。

「ユニクロ」型と「無印」型ができると思うが、絶対に優秀で力があり、なおかつ量販店を理解している外部ブレーンを入れなければならない。全体をコーディネイトできる人間が必要だ。

おそらくイオンの商品担当者は衣料では「婦人」「紳士」「子供」、住関連では「リビング」「ハウジング」などに分かれていて、さらにそこから品種ごとに細かく分かれている。それをすべてまとめてマネジメントしていくのは大変な力がいる。しがらみがある人間がマネジメントすると絶対品ぞろえに偏りがでる。

さらに以前イトーヨーカドーで伊勢丹のカリスマバイヤーに商品改革を託したが失敗したように、違うチャネルからのブレーンは危険だと思う。百貨店のバイヤーと量販店のバイヤーは全く仕事内容が違う。アイテム単位の商品の知識はおそらく量販店のバイヤーのほうがレベルは高い。ただファッション全体に対しての視野は狭い。

売り場づくりも、ローコストですると失敗する。ユニクロの売り場はローコストに見えて金はかかっている。売場内装を乃村工芸社や丹青社が担ってきたことでもわかる。ビジュアル面に気を使っている。ある程度マニュアルができればコストダウンができるが、そこまでイオンが我慢できるか?

店名も「トップバリュ」では厳しいと思われるし、イオン臭さを消す必要はある。

どんな店ができるのか楽しみではある。

今日のBGM

もう営業力だけでは戦えない

会社の浮き沈みを見ていると、好調期は営業力が引っ張るが、流れが悪くなると管理面の発言力が強くなってくる。

その傾向は当たり前のことだけど、小売業はあまり管理面が表に出てこない。倒産したマイカルも、ずっと無謀な営業力で拡大していった。ただその時代はそれを受け止める時代でもあった。倒産後、いろんな数字を算出し、検討していったときイオンからの管財人が「…マイカルにはBSはないのか?PLだけか?」ときつく指摘した。

このことはよく覚えている。すごく印象に残った。

書いていいのかどうかわからないが、今までの研修で一番内容が濃かった研修はイオンの「管理職研修」だった。1年以上続く研修で、私はマイカル倒産後1年で辞めたので、その研修は「中退」だが、管理面の研修では「有価証券報告書を読めるようにすること」が研修課題だった。今考えると、そこに他社にない「強さ」があった。

今、流れが悪い会社はおそらく「管理、財務」側が強くなってきているだろうし、流れが悪くない会社もそういう傾向が強いと思う。ファンド系が入ってくれば、数字での話だけでそれ以外は受け付けないだろうと思う。

マイカルも営業系の社長から管理系の社長に変わってから、一気に倒産に向かっていった。どちらかというと営業での損失をカバーできる体力はなく、管理側の発言が強くなったときは「時すでに遅し。」の状況だったのだろうと思う。

経営者は冷静に数字を確認できないといけないと思う。銀行は人事畑を経験することが出世の階段だという。小売業も流れは営業力だけではなく、数字を冷静に判断できる管理能力が必要になっている。

■今日のBGM

ショッピングモールの方向性

今朝の日経新聞にイオンモールはコロナ前と比べて、売り上げは-9%で客数は-11%とあった。以前から指摘はしてきたのだが、完全に飽和状態にあり、使われ方はNSC(ネイバーフット型SC)に近い狭商圏型になっている。

「客層の2極化」も進んでいる。新宿伊勢丹や梅田阪急は過去最高売上のようだし、中流層と呼ぶのは難しいが、衣料大手のオンワードの売り上げはピークの55%、ワールドが76%と大きく落ち込んでいる。

必要なのは大型ショップだけでいいのではないかと思う。SMに加えて家電量販店、「ニトリ」など住居関連、雑貨では「無印」や「ABCマート」、衣料ではユニクロ系とアダストリア系、子供カテゴリー。その他フードコート。

それに加えて客層に合わせて、特色を出していけばいいと思う。富裕層がいるのなら「成城石井」や「紀伊国屋」などのSMを加えてもいいだろうし、「TSUTAYA」などを加えてもいいと思う。特にSMに関しては個性が出せるような気がする。

ただ、現状の収益を確保し、投資のリターンも考慮すると、大型リニュアルは難しい。言うのは簡単だが、今のモール自体を使ってリニュアルするだけではすまなくなってくる。スクラップ&ビルドは難しいし、証券化もされているだろうしハードルは非常に高い。

ただ、小手先のリニュアルだけでは、もう先はないのは明白だと思う。

※全くの余談だが、先輩夫婦と4泊の旅行に行ってきた。快適だったホテルは1番高かったホテルと一番安かったホテル。間のホテルは「ちょっとおしゃれな料理」だがバラエティ感がなかったのと、やはりインバウンド団体がネックになった。「高いか安いか」どちらかにすればよかったと反省した。こんなところでも「中間層」への対応は難しくなっていってるのかな?

■今日のBGM

大型テナントがどんどん減ってきている

「オーサムストア」が破産との報道があった。何を売ろうとしているのかわからなかったし、売れている気配もなかったので厳しいとは思っていた。「オフノオン」のほうがわかりやすかった。ホームページを見ると61店舗もある。

ここ数年でモールから大型テナントがどんどん減っている。ワールド、オンワード、イトキン、TSIなど大手アパレル系のブランドが改廃され大幅に少なくなった。どこにでもあった「ライトオン」も出店してないSCが出てきた。大手スーツ量販店も大幅に減った。外資系も閉店が続いている。

以前も書いたが、モールは大型店や新業態を積極的に導入する。当然リーシング面で助かるし、新業態なら「・・地方初出店」とうたえる。ただ数字が厳しくなっている店は多い。私でもいくつかテナント名を挙げられる。一般的に月坪売り上げを見ると100千前後の店が多く、それを割り込む店も多い。(それを考えると小型店の賃料は高い。⇒モールの利益は小型店(50坪まで)で賃料を稼ぐ図式)

アダストリアなど好調な企業は逆に、そこを逆に拡大しているように見える。

デベロッパーは売り上げを管理していて、会社の業績動向をつかんでいるのだろうか?

「オーサムストア」は4月にオープンしたららぽーと門真にも出店している。三井不動産らしくない失態だし、あの立地でもリーシングが相当厳しかったのだろうと思う。

大型店舗は、賃料面で優遇されるし、人的にも効率化できる。「オーサムストア」は衣料ではないのでアイテムが多く、SKU数もめちゃくちゃ多い。当然多店舗化しなければ商品も回らないし、作れない。利益を稼ぐには大きなロットで作るしかない。衣料系の大型店もそうだが、だんだん売れない商品はたまっていく。在庫をなくすと利益が落ちる。まったくの悪循環になる。縮小していった大手アパレルは体力のあるうちにやめていった。残っているショップもFC契約(契約先が商品を買う。)にして商品リスクをヘッジしている。

収益が悪化してくると、商品が仕入れられないし、作れない。売り場の不稼働在庫も処理できない。(処理すると利益率が下がる。)PL(損益計算書)中心になると利益率が下がれば、数字上の会社の価値も出せなくなる。まったくの悪循環になる。

体力のある会社は持ちこたえることができるが、体力のない会社は、悪循環が続き運営ができなくなってくる。

やばいなと思う会社も、いくつかある。

今後も、大型区画のテナントは、体力がなければどんどん消えていく。

■今日のBGM

イトーヨーカドーに不動産業ができるか?

現状のイオンモールやららぽーとは流通業ではなく不動産業だと思う。

流通業出身者が多いが、設備管理の業務の比重が高い。もともとは会社が所有する物件を、売り上げを上げ、それに伴う賃料収入を増やすことが大きな業務だったが、現状はその仕事より、管理業務のウエイトが高いのではないかと思う。今までは、イオンモールや三井不動産の直営物件だったのが、現状はほぼリート物件やファンド物件になっている。そうなると業務内容が変わってくる。賃料収入を増やすための仕事ではあるが、当然不動産物件として、リートやファンドに報告義務が多く発生する。今までは流通業に通じる人たちとの整合で進めていたことが、金融業、証券業の人たちへの説明に変わる。投資や経費に関しても非常に細かい提案、報告が必要になってくる。当然デスクワークが増える。土日のお客様より、平日のオーナーへの書類対応が増えてくる。

最近では、各テナントとの交流が少なくなり、テナントのスタッフとの話し合いも激減しているし、何より店内(モール内)でモールスタッフを見かけない。販促もありきたりの合同販促が多く、新しい企画は全く見えない。

ということを、書こうと思っていたが、イトーヨーカドーの投資ファンドとの対立が、急浮上してきたようで、少し矛先を変える。

イトーヨーカドーは、小売業ではシステム導入が一番早く、利益に対する取り組みを最優先してやってきた企業で、他の小売業が「根性と努力」で拡大していったのとは違い、理詰めで大きくして言った企業のイメージが強い。だからこそ大型モール(RSC)への取り組みが遅れ、乗り遅れてしまった感がある。

「衣料品からの撤退とテナント化」を戦略に挙げているが、当然、今のままテナントを導入するのは難しく、魅力あるテナントの導入は容易ではない。イオンモールでさえ「ユニクロ」は撤退するし、いい場所いい条件を提示しなければ出店は難しい。売り場環境や、リーシング力も必要で、イトーヨーカドー本体でのノウハウがあるとは思えない。「アリオ」が成功していないのはイトーヨーカドーの「理詰め戦略」によるところは大きい。改装による投資コストとテナント出店による賃料収入が、今までの「衣料品」の収益を簡単には改善できないと思う。

投資ファンドは、株式や債券を長く持たないと思うので、即効性を求めてくると思う。収益を短期的に改善して「高く」売り抜けたいと思っている。 おそらく短期的には結果も見えないし、今後も対立は続くと思うので、現状の「テナント導入」くらいのプランでは決裂すると思う。

以前、現状のモール戦略は飽和状態で、今後はダウントレンドになっていくと書いたが、流通業がもう流通業でなく、不動産、金融業になってしまっているのが現状である。

総合スーパー「イトーヨーカドー」はなくなってしまうかもしれない。

■今日のBGM

ユニクロはしばらく小売業を引っ張る。

なんとなく「ホリエモンのyoutube」を見ていたら、「ユニクロ、GUは値段のたたきあいだから厳しい」と評していた。「モンクレール」や「グッチ」のブランディングを目の当たりにしての意見のようだった。

話の中でも、「お客様は完全に2極化されてきている」と冒頭に述べているが、そもそも戦うチャネルが違うので、まったく話にはならないと思う。

私自身ブランド好きだし、別のチャネルのことは否定しないが、現状の2極化の「他の1極」においては確固たる位置づけにあることは間違いないと思う。

細かく言うといくらでもあるが、

商品的には値段を考えると品質面が非常に優れているということは明白だ。「H&M」「フォ-レバ-24」などとの大きな違いは、4シーズンを考えて作っているということが大きいと思うし、そこで行き着いたのが「トレンド」より「クオリティ」だと感じる。当然「ユニクロ」がベーシックで「GU」がトレンドという位置づけかもしれない。

それ以上に感じるのは、企業の考え方が明白であるということ。

前にも書いたが、企業が大きくなると「かっこいいもの」にあこがれ、いろんなことに手を広げていこうとする。現状はそれを全く感じられない。「ユニクロ」をどう作り上げていくか、どう展開していくかに注力しているように見える。

ファーストリテイリングには、他に「プラステ」や「セオリー」などのブランドもある。そのブランドの展開も足元を見て自然に広げているように思える。私自身、SCを見るとき「プラステ」があるかどうかを、ある意味の基準にしている。決して晩期以外はセールをしないし、自ブランドの売り方に合わない店は毅然と退店している。出店はSCに偏ってはいないし、ターミナルでの店舗も多い。

つまり、企業の考え方が「ぶれていない」ということ感じる。

「他の1極」のキャパはまだまだ大きい。当然ワールドワイドに考えているはず。企業の考え方がぶれなければ、優位性はしばらく崩れないと思う。

■今日のBGM

洋服屋はどうなっていくのか。

円安による物価高騰を受けて、消費者は完全に2極に分かれてしまった。値段志向とブランド志向の2極になりつつある。中間層はどんどんいなくなっている。「洋服に金をかける人」と「かけない人」がはっきりと分かれてきた。「食べるもの」は絶対必要で、「電気や水道やガス」は生活する上に必要で、「着る物」は変じゃなければいいという流れになってきている。 「ユニクロ」に行けばほぼ何でもそれなりの商品はある。値段も商品も納得できる。売り場もわかりやすく、明るく、商品量も申し分ない。単品集積で買いやすい。少し着想感や若干のトレンド感が欲しいなら「グローバルワーク」で十分対応できる。

それではその他の洋服屋はどうなっていくのか?ラグジュアリーブランド以外はどう残っていくのか?

まず個人が数店舗程度を運営していくのは問題ない。ただモールや駅ビルは今後当然賃料の高騰は避けられず、インショップでの運営は難しくなるのではないかと思う。賃料の高騰に合わせた利益率を上げていくことができるのか?特に「買い」の要素が高い仕入れをしていると出店コストに間違いなくついていけなくなる。その店に合うイメージと相応の賃料での路面店等出店が望ましいと思う。

数十店舗以上のチェーン店は、個性を打ち出せない以上存続は難しい。一昔前、オンワードやイトキンやワールドなど大手アパレルがやっていた店はもうすでにない。どんどん拡大したストライプインターナショナルもタイムサービスもやらなくなったらもういらない。前述したアダストリアがユニクロとは違う角度で残っていくぐらいだと思う。

セレクト系はどうなのか?アローズもビームスも、シップスもベイクルーズも、お客様はユニクロやアダストリアで買わない層が普通の服を買いに行っているだけ。特にアウトレットはひどいMDになっている。しいて言えば「トゥモローランド」が流れに振り回されずにマーペースっぽく見える。セレクト系大手は大都市ターミナル、ファッションビル系でやっと存続できるという流れのように思う。

その他セレクト系のショップはどうか?モールの中にもジーンズショップ出身のセレクト(bshop系)が入っているが、セレクトの利益率を考えると賃料が上がると継続は難しくなる。モールでは貴重なショップだが、経済条件で折り合えるか?その他の地方のセレクトは今までのように固定客が戻ってくるかどうか。ただやはり固定客商売は年月を経るごとに年齢層が高くなってくるので、新しい層が開拓できるかがポイントになる。

何か新しいトレンドが出てこないと現状の洋服屋の流れは変わらない。

さらに、デベロッパーがある程度ファッションリーダーとして必要な店に、どれだけ条件の緩和をできるかどうかがポイントのように思う。商業施設がファンド物件やリート物件になっている現状、それは大変厳しい状況にある。

新しい流れの店や、入ってみたい店が増えなければ、商業施設も変わらないと思うのだが・・・

今日のBGM

店は何年続くのだろうか?

前回「顧客ターゲットを間違えると商売は絶対成功しない。」と書いたけど、ずっと続いている店(ブランド、ショップなど)はあるのかと感じる。どこかで役目を終えて、次の担い手がやってくるということなのだろうか?

GMSは終わったが、SM(スーパーマーケット)は形を変えながら続いている。食品、ファッション、住まいといった大きなカテゴリーは残るが、細かな店はMDを変えて残っていく。

安定的に出店し続けている店は、どこだろう。思いつく限りでは、衣料品では「ユニクロ」「GU」「グローバルワーク」雑貨系では「無印良品」「ABCマート」住関連で「ニトリ」、少し元気がないが「ライトオン」やスーツ系ショップ、路面志向の「西松屋」「アカチャンホンポ」「「シマムラ」等。比較的幅広い客層で「良品質値頃」を追及している店が多い。

逆に、浮き沈みが激しいのが、「トレンド系」「客層が狭い」店舗だと感じる。そういう店は、「顧客の囲い込み」をして売っている店が多く、年月を経ると逆効果になっているように感じる。昔「おしゃれな20代」をイメージしてスタートし「顧客管理」をやって売ってきた店は、お客様と一緒に年を取っていくか、ショップがなくなっている。

前回書いたが、昔販売代行をしていた「ナチュラルビューティベーシッ」は客層が変化しているし、同様に販売代行をしていた「&バイピンキー&ダイアン」はもうブランドがない。郊外SCに大きな売場で登場した「コムサイズム」もずいぶん見なくなった。当然一世を風靡した「DCブランド」や「ギャル系ブランド」もたくさん消えていった。嗜好が強ければ強いほど、時代とともに消えていくし、客層もどんどん年齢を重ねていく。さらに一昔前のお客様囲い込みの「顧客管理」は衰退に拍車をかけた。

その他、ジーンズ系やスーツ系のショップはサイズの細かさで在庫回転率が悪くなり、経営悪化につながって、淘汰されてきている。

トレンドを作る若い世代が減ってきて、さらに景気悪化の中、生き残るのは「ノンエイジ」の「高感度良品質値頃」という非常に高いハードルに挑戦し続けなければならない。

またいろんな店を見て、思うことをまとめていきたい。

■今日のBGM

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