売場ゾーニングプランはSC開発する上で最も重要なものであり、そのプランでSCの命運を左右される。SCのコンセプトに基づいてテナントを配置する。そのプランに基づいてテナントを誘致する。
そのSC(駅ビルも含める)がどの客層を集めるかによって、テナント構成は変わってくる。20年以上前はどれだけプレステージの高いテナントを導入するかが戦略の1つだったと思う。今でも優先度の高い戦略だとは思うが、客層ターゲットによっては大きな変化が出てきているように感じる。
RSC(リージョナルSC)スタート期は、まずSCイメージを出すため、百貨店ボリューム客層を集客することに加えてトレンド客層も取り組むことを狙ったと思う。オンワード、ワールド、イトキンとの開発で百貨店ブランドディフュージョンショップを多く取り入れた。RSCのグレード感を確定できたことは、その後のSC開発には大きく役立った。「SM+専門店」のイメージから、ある程度従来のSCよりボトムアップし年齢層も若くしたRSCが確立されていった。
それから20年以上経過し、ファッションの流れも変わり、お客様のニーズも大きく変化してきている。プライス志向が強まり、それに伴いテナントの大型化が進んできている。以前にも書いたが、「テナントの大型化」=「SC収益のダウン」という流れは否めない。
SCの出店ラッシュのつけがきて、SCの差別化がなくなってきており、今後は淘汰の時代を迎える。現状もそうだが間違いなく空床スペースは増えていく。退店後に入店するテナントは明らかに「通信系(携帯ショップ)」「美容系」「食品関連」などが多く、他は「ユニクロ」「ABCマート」など好調大型テナントの増床が目立つ。空きスペースは携帯ショップの催事も多く、おそらくお客様からのクレームも多いと思うが、賃料カバーのためやらざるを得ない状況となっている。おそらくこのままではどんどんSCの魅力がなくなっていってしまう。
イオンモールスタート期に、今後伸びるだろうテナントを積極的に導入したように、新しいテナントや出店したいテナントをどんどん開発してほしい。投資やSCの収益のことよりも面白いテナントを開発してほしい。それが差別化にもつながるし、それがSCの存続にもつながる。これも以前書いたが、内装は個性的なものを作るのと引き換えに催事契約でいいと思う。テナント、SC双方がリスクヘッジする契約よりも、お互い少しはリスクを持ってスタートする契約を話し合っていけばいいと思う。
流通系SCにはそれぐらいの度量が欲しい。
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