ライトオンが2月26日付で上場廃止になっている。このブログを始めたころからライトオンについては書いてきた。これはライトオンの数字悪化要因が、在庫過多にあったからだ。個人としての商売の信条は、「小売は在庫」であり、ライトオンの数字悪化についての意見も、在庫管理の難しさを書いていた流れからだった。
在庫を抱える商売は難しい。過去、いろんな業種の商売をマネジメントしてきて痛感していた。業種としてはジーンズ、靴に代表されるが、重なっていることはサイズが細かく、ほぼ定番化されているということになる。ジーンズカジュアル業界では上場していたライトオンに加えてマックハウスやジーンズメイトは譲渡されたし、靴業界も多くの小売店が姿を消した。さらにジーンズは、在庫ボリュームがあることが売場のイメージアップにつながったという要因もある。
何度か書いているが、小売業は商品を仕入れて(作って)売る。簡単な仕組みだ。ただ仕入れた商品を、支払うまでに金に換えてなければ(=売れてなければ)支払えない。現状の取引では、非食品小売業で長くて仕入れてから3カ月以内の支払いだと思う。ブランド商品や企業の支払い能力によってその支払いサイトは変わっていく。当然いろんな商品があり、すぐ現金に変わる商品もある。つまり、企業規模はあるが年4回転すればキャッシュは何とか回っていく。
小売企業の状況を見るときは、在庫回転率で図っている。決算時の貸借対照表の資産項目の商品の金額で、前年の金額と今年の金額を2で割れば簡易的ではあるが平均在庫額が算出される。平均在庫を損益計算書の売上原価で除すれば簡易的な回転率が産出される。例えばランダムに見てみると、ライトオンの2022年度の売上原価は24356(百万)で平均在庫は10973(百万)となり、年間回転率は2.2回転となる。ちなみに年度の総利益率は49.3%となっている。つまり半年に1度商品が売れるということで、商売ではキャッシュが回っている状況ではない。売上が減少し続けており、当然手持ち資金は減っていっている。こうなると、普通に仕入れていれば在庫は膨らみ、回転率はどんどん悪化していく。ライトオンはその後商品の評価損を計上するが、遅きに失した。利益率を維持することより、継続的に期中で商品評価を落とし売上を上げ、キャッシュを増やすことを優先すべきだった。
現状の上場小売業ではイオングループのジーフットや、ライトオン同様の流れで評価損を計上したヴィレッジヴァンガードもそういう状況の中にいる。
では、ワールド傘下になったライトオンはどういう方向に向かっていくのだろうか?現状の売場を見る限り、ハードな売場ではなくあくまでもジーンズテイストを打ち出したカジュアル志向の店というように見える。イメージとしてはUAが譲渡したコーエンのようなMDかもしれない。ただ、その中途半端なゾーンは難しそうに見える。ジーンズテイストは、果たして必要なのかとも考える。先日もレイクタウンで四国のジーンズファクトリーの店を久々に見たが、昔のパワーは全く感じなかった。セレクトっぽい商品を少し品揃えしたナショナルブランド(NB)中心の店になってしまっていて、やはりジーンズファクトリーでも大型SCではこうなってしまうのかと感じた。さらにこういう品揃えになるとNBが幅を利かせ儲からなくなっていくのではないかとも感じた。
ワールドが手掛けるのだから、売場ロケーションを考えてワールドの品揃えショップをやった方が賢明で、あまりジーンズにはこだわらなくてもいいのではないかと思う。「リーバイス501がデニム」と考えているお客様は、もう少なくなっているし、そういうお客様は買う店を決めている。
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