恒例の、大阪から博多の「実家の用事+飲み旅行」をしてきた。例によって外人観光客だらけで、強烈な円安の影響を感じる。過去、毎月1~2回は行っていたので、ホテルは定宿がある。大阪のホテルは1.5倍位に上がっていた。博多のホテルは毎回1万前後だったのだが、今回は2.5万円が最安値となっており、別のホテルに泊まった。もうそろそろ、日本人と外国人の値段を別にしたほうがいいようにも思う。
「飲み旅行」なので夜がメインになり、昼間は空く。大阪の次の日は私用があるので2日酔いでもすることがあるのだが、博多の次の日は時間がある。今回は友人と昔働いていた天神界隈から、博多駅までぶらぶら歩いた。(当然その後は飛行機の時間まで飲んだ・・・)
天神で働いていたのは約30年前で、今の天神の街はきれいになったし、さらにきれいにしようとしているし、ちょっときれいになりすぎた。昔は渡辺通りをはさんで片側に「ショッパーズ」「マツヤレディス」「コア」「ビブレ」「イムズ」、百貨店の「博多大丸」、そして対峙して「三越」「ソラリアプラザ」「岩田屋」があった。西通りまでには新天町などの商店街があり、「親不孝通り」といわれた若者のたまり場もあった。渡辺通りの地下の天神地下街は日本一通行客がいる地下街と言われた。天神は本当に商業の街だった。
再開発で街は変わりつつある。外国人観光客を含めて人が集まっているのは、博多駅から中州になっている。もともと観光客は、きれいな街は見慣れており、世界観にあるところに集まっている。中州界隈の夜の屋台や、川端通商店街のほうがおもしろいに決まっている。もう変わりつつある天神は魅力がダウンしている。東京では浅草や秋葉原に集まるし、大阪では通天閣や戎橋界隈に集まる。さらに駅は旅行には欠かせないところとなっている。
博多駅に2011年に百貨店の博多阪急ができた。当初は厳しいと見られていたが、2012年の売上373億に対して2023年は623億まで伸びている。2024年予測は661億だそうだ。天神の岩田屋は700億超のようだが、博多大丸は541億で阪急の後塵を拝している。岩田屋や大丸は当然外商比率が高い(20%強)が、阪急は外商比率が1桁とのことだ。現状アミュプラザなどの駅ビルやマルイを含めると約1600億の売上の規模で、天神地区に迫る勢いになっている。当日も明らかに天神地区より中州から博多駅のほうがパワーを感じた。「キャナルシティ」は、やり方次第では間違いなく大きく浮上する。
「天神ビッグバン」でオフィスを呼び込み活性化しようとしているが、商業の観点からすると間違いなく天神は厳しくなると思う。商業が2拠点で成立しているのは、東京以外では大阪ぐらいではないだろうか?大阪は梅田の北側や、なんばの南側にも大きな都市を複数持っていて、環境ができている。果たして博多はどうか?そこまでの力は、間違いなくないと思う 。大阪以外では名古屋も「名駅対栄」だが、もともと名駅は商業が弱く、そこが大きく浮上してきており、博多と似ているかもしれない。だがここも商圏は博多より大きい。
博多は住みやすく、「人」もいい街だ。景色が変わっていくのは時代の流れだけど、味があった「セレクトショップ」や「飲食店」がどんどん減っていきそうな気はする。
■今日のショット(コアとビブレ跡のビル)
