6月の売上実績が各社発表されている。曜日の問題、気候的な問題や夏のバーゲンの日程変化もありファッション業界各社の数字は非常に厳しい数字になっている。好調とされている企業でも大きく落ち込んでいる。
ユニクロは前年比85.9%であり、1年間を見ると前年割れは3回目だが80%台は過去2年間を見てもない。無印良品は91.9%でシステムエラーにより売上を大きく落とした11月以来のワースト2の数字になる。常に好調を維持していたABCマートやワークマン、ユナイテッドアローズも店舗売上は前年を割り込んでいる。
ずっと商売をしてきて6月や10、11月は難しい月だった。過去、2、8月も端境期でもあり厳しい月と言われてきたが、近年は夏や冬が長くなった感があり売上としては厳しい月ではなくなっている。特に8月は夏が長くなり、夏物の消化が進み「売れる月」に変わっている。かつては、6月の認識はバーゲン前で「利益を稼ぐ月」であり、春夏の利益着地を占う意味で難しい月だった。つまり、バーゲン期のセール商材の確保し、できるだけ定価で販売し、利益をどれだけ貯められるかが求められた月だった。
バーゲンは値段を下げて販売する。普通に考えれば大きく値段を下げれば下げるほど利益を削る。その対応として6月は利益をためる月だった。今でもそうだが、取引先も在庫は残したくないので、5月末くらいから取引先の在庫を減らすべく手持ち在庫の原価を下げて商売する。例えば原価50%だった商品の原価を35%にして商談する。それを仕入れてセールまでに売れれば、利益がプルできるということになる。その後バーゲン時に50%オフで売っても利益率は30%確保できる。そのプルした利益で、手持ちの商品をバーゲンで売っての利益ダウンを防ぐ。そういうストーリーだった。近年はどうなっているかわからないが、当然自主MD商品は利益計画を持って値段を下げているはずだ。
そんな状況下で、利益を稼ぐべき月に売れてない。販路が国内だけではないが、ユニクロでも6月の前年80%台は、当然利益計画にも影響を及ぼす。そして、2桁以上のダウンはそれだけの商品が予定より残るということにもつながる。その商品を売り切るのに、さらに値段を下げざるを得ず、それが利益低下要因にもなる。ただ、ユニクロは当初から商品の動向をチェックし、細かく商品の値段を下げ、他のセール名(感謝祭など)で売れない商品はなくしていっている。
国内中心の販路しかない企業はさらに厳しくなってくる。夏のシーズンが8月9月と広がってきても、もう一般客はセール価格でないと買わない。そして、晩期になってくると割引率も上がってくる。つまり、夏商材の販売期間は伸びても、利益を稼ぐ期間は伸びてこないという現実がある。さらに秋物が飛んでしまう。ここ数年秋物商品(春物も・・・)がなくなってきた感がある。その対策上「春色夏物」や「秋色夏物」が出てくるが、あまり売れているという話は聞かない。
各社、春商戦の四半期決算は悪い数字ではないが、次の四半期決算でどういう数字が出てくるか興味深い。6月の商売の結果が「在庫を増やして利益率に走る」企業や「消化率が悪く利益ダウン」企業を生みそうだ。
企業力が試される。
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