販売価格は適正なのだろうか?「売れる値段」が適正なのか「取引先がつけた価格」や「自分たちで設定した値段」が適正なのか?
小売業は棚卸をする。棚卸とは「商品の手持ち数量または金額またはその両方とを、確認すること、さらにその価格を確定すること。」と記されている。現金と棚卸資産以外は常に会計帳簿上に明記されている。現金も必ず手持ち現金を調べているので、資産高で不確定なものは棚卸資産だけとなる。その商品の価値はどう判断するのだろうか?棚卸時はその時点での値段で棚卸資産を確定するが、その価格は正しいのだろうか?小売業の一番見えないところだと思う。
経営していた会社では、一般仕入れ商品は商品回転率を0.5回転/月(月に10点の在庫が5点売れるということ)、俗にいう別注商品は0.3回転/月をほぼ念頭に置いていた。(別注は当然利益率が高いので。)つまり一般商品は入荷して2か月で、別注商品は3か月前後でなくなることを商品のサイクルと考えていた。なぜ2か月かというと以前書いたが、商品の支払いがほぼ2か月後になるからだ。
それでは0.5回転以下の商品の値段はそのままでいいのか?その値段では売れてない、つまり適正な値段ではないということではないだろうか?当然その商品特性も加味する必要はあるが。
値段を下げると利益率はダウンする。ただ売れない商品をそのままにしてはおけない。当然演出を強化したり、レイアウトを変えたり、接客を強化したりする策は当然ある。それでも売れないときはなくすべきだと考える。ではどうしてなくせばいいのか。
まず、店舗数が多い時は他店と情報交換し、データが見える場合はそのデータを確認して消化状況の良い他店に引き取ってもらう。取引先と交渉して返品する方法もある。ただ他店で売れていて自店で売れてないということは少し自店の販売努力が足らないとも考えられる。
一番簡単な方法は値段を下げて売りきってしまうことになる。
そこで問題になるのは「利益」と「在庫」になる。利益を重視して販売期間を伸ばすか、早く在庫をなくして、その処分した売上金で新しく商品を仕入れるかという問題になる。当然その後の利益計画を再度作成する必要はある。
「在庫」と「利益」に常に相関関係にありずっと課題になり続ける。
日本には「春」「夏」「秋」「冬」の季節がある。ファッションで考えると「衣替え」があり「色の変化」がある。そのタイミングで商品をなくすことができる。さらにSCや各店にはいろんな販促活動がある。売れない商品はそのタイミングで適正な値段に変えて、なくすことが最も必要なことだと考える。
「売れる値段」が商品の値段なら、値段を決めるのはお客様になる。
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