経験上3月の売上はセール期の7月、1月を除いては、12月と並んで売り上げが高かった月だと思う。季節の変わり目でもあり、さらにフレッシャーもあり、モチベーション需要も高い月でもある。今年の各社の数字を速報値で確認したが、土日各1日増の中でも厳しい数字になっている。気温が低かったこともありファッション系が厳しいようだ。
無印が既存前年比116.1%、ニトリ114.6%と生活雑貨系は好調、さらにABCマート110.7%、チヨダ107.2%とシューズ関連も順調だったようだ。逆にユニクロ98.5%、アダストリア99.2%、ユナイテッドアローズ105.8%とファッションは前年の攻防で土日プラスの要因を考えると厳しい月だったようだ。堅調だったしまむらも101,1%、西松屋100.7%と少し流れが悪い。好調な流れだったハニーズも89.0%と大きく落ち込み、マックハウス81.3%、ライトオン78.9%と引き続き厳しい流れは続いている。
特に気になるのはやはりライトオン。今期決算(2024年8月期)の下方修正が出ていたが、今期予測が売上前年比87.4%、経常利益は赤字24億で25.5億のマイナス修正となっている。第一四半期決算の数字も公表されているが売上前年比85.7%、売上総利益率前年差-3.5%、営業利益は-517(百万)(前年差-548百万)、在庫回転率(月度)0.16回転(前年差-0.03)とすべて悪化している。さらに前期に複数の金融機関と規定している財務制限条項の「前期決算期の末日または2019年8月決算期の末日の純資産のうちの大きいほうの60%以上の純資産を維持する。」と「2半期連続して経常損失をしないこと。」に抵触することになった。この条項は金融機関と話し合いシンジケートローンの契約は継続される旨記載されているが、今後対金融機関との障害になる事は間違いない。
営業面で見るとやはり「在庫適正化への取り組みとして大幅な在庫圧縮を実施」とあるが、回転率は悪化しており在庫圧縮はできていない。気候のせいもあり売れ筋商品が見えなかったようだ。マイナストレンドの中、利益率を維持しながら在庫を減らしていくのは非常に難しいと思う。特に年間2回転しない状況ならば在庫は減らせない。在庫を減らすと利益率は大きく落ち込むし、利益率を意識すると在庫は減らない。在庫を減らして売れ筋をわかりやすくするには、売場を思い切って小さくしていくことしかないと思う。
ワールドと協業を発表したマックハウスも含めてジーンズカジュアル専門店の流れは浮上してこない。
4月にこの反動があればいいのだが。
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