先日、以前の会社で売場の内装を中心になってやってもらっていた友人から電話があった。昔立ち上げた店を、譲渡した会社が契約更新で内装を変更するらしい。

内装についてはこだわりを持っていた。過去、DCやインポート、セレクト、ストリートなど、いろんな個性のある内装を見てきた。売場にオブジェがあったり、高そうな石を使ったり、売場が商品をイメージさせていた。地方のオーナー達も、ローコストでイメージをどう打ち出すかを考えて売場を作っていた。商品だけでなく、売場を見ているだけで楽しい時代だった。そういう目で見ると、現状のSCのテナントは標準化された内装で標準化された商品を売っている感が強い。

経営的観点からみると、出店コストは大きい。売場内装だけでも、更地でAB工事含めると最低坪400千は必要だと思う。近年はもっと上昇しているかもしれない。つまり40坪の店で1600万の内装費ということになる。出店経費としては工事負担金などの別途経費も必要になる。さらに敷金などキャッシュアウトも多い。損益上も経費と減価償却費に分けて計上されていくが影響度は大きい。当然、経営上内装コストはできるだけ下げていきたい。

以前立ち上げた店は、ボリュームプライスの量販型品揃え店舗だった。一般的にボリュームプライスの店はセルフ要素も強いので、できるだけ商品を打ち出させる店が多い。当然スタート時から全国チェーンにできるとは考えてなかった。そういう意味もあって、売場イメージにはこだわった。ボリュームプライスの商材だからこそ、売場に個性を出すことを考えた。印象に残る店は、商品の印象もそうだが、売場の印象によるところも大きい。お客様の購買行動を表すアイドマ(AIDMA)の法則でもアテンション(興味)とメモリー(記憶)では大きな要素になる。そういう意味で売場イメージは重要だと考えていた。

退店した店も入れて30店舗近くオープンさせたが、すべて売場イメージに音楽を取り入れた。各店毎に、それぞれジャンルやミュージシャンなどを感じさせる環境を取り入れた。それは売場環境の最低限の決まりにした。売場環境と音楽を連動させようとした。当然あくまでもローコストだ。自己満足かもわからないが、売場イメージを感じてくれるお客様は一定数いたように思っている。

近年、大型モールに行っても、インパクトある内装の店はほとんどない。ユニクロに代表されるように蛍光白色で明るい清潔な店が多い。当然全国各地に出店しており、共通の商品で共通の売り方になるので必然的にそうなる。アダストリアに少し個性的な店はあるが、とがった店は全くなくなってきた。さらにモールには目新しい店舗があまり入らず、売場内装でも新鮮味のある店は少ない。ちょっと個性を感じる地元の専門店もSCから押し出されつつある。

数字が厳しくなっている現状での出店や改装は、成功が必至で、なかなか個性を打ち出せない。個性なき改装は本部主導になってしまうことが多い。本来は、売っていく人間がどうしたいかを主張するべきだと思う。せめて小さな個性でも、店の気持ちを取り入れる必要はあると思う。そして、少しはインパクトに残る「何か」も入れてほしい。

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