上場企業の6月の売上を見て、中小ファッション系の小売業はそれ以上に苦しんでいると想像できる。大企業ほど資金力もなく、前回書いた利益確保するための商品手配も遅れるし、そうなれば手持ち見切り商品が増え、利益率も確保できない。さらに、要員不足で販売パワーも上がっては来ない。
企業が成功するには、成功するビジネスモデルがあり、その考えを周知徹底できるかにかかっている。ただ、数字の変化でそのビジネスモデルが変化して行くことが多く、それが業績下降の1つの要因になっている。近年の収益悪化企業にもはっきりと表れている。
ジーンズ業界の成功モデルは、もともとはジーンズ愛好者のための店だった。もっと簡潔に言うと「リーバイス501」を基本とした品揃えの店だった。今でも残っているジーンズ専門店は、そのビジネスモデルに沿って商売をしている。ライトオンやマックハウスは客層の幅を広げていって、フルターゲット化していったことが失敗の原因だと思う。売場も広がり、「ジーンズの店」から「カジュアルファッションの店」へ変革し、個性が薄れていった。さらに、そこはいろんな競合がいる激戦地でもあった。そしてサイズの多いボトムをボリュームアップし店のイメージを打ち出したことで在庫過多になり、ジーンズ専門店のビジネスモデルから外れていった。
ヴィレッジヴァンガードも「宝探しができる本屋」だった。それがトレンド客層からボリューム客層にターゲットが変化し、品揃えも広範囲なボリューム商品まで広がっていった。当然、各専門分野の専門店の品揃えには勝てない。商品の幅が広がったので細かな商品の管理が手薄になり、不稼働商品が増え、商品の処理が遅れていった。
つまり、企業がスタートした時のビジネスモデルと大きな乖離ができると、お客様は離れていく。
逆に、ビジネスモデルがぶれてない企業だが、「市場に例えたら乾物屋より魚屋」との創業社長の言葉通り、回転率を徹底的に追及するパルグループ。現在は「4週間MD」を確立させており、以前の8週間より短縮させている。現在も過剰在庫を持たない体質を続けている。ユニクロも「ライフウェア(究極の普段着)の最適化」を打ち出しており、衣料品中心で「中途半端な多角化の排除」を実践している。近年は鞄、靴にも手を広げているが、あくまでも実験的アプローチで深追いをしていない。
売上が停滞してくると、どうしても顧客ターゲットを拡大したくなる。そして、顧客ターゲットの拡大は競合の激化へ行きつく。品揃えの幅を広げることで今までのターゲットの品揃えがおろそかになり、従来の固定客まで逃してしまうリスクがある。そして新しい分野の競合も出てくる。品揃えの幅が広くなると、資本力の面から当然新たな競合の規模も大きくなる。その大きな資本と戦えるのか、戦うのかを冷静に判断しなければならない。特に中小企業は個性(ビジネスモデル)を薄めていってはいけないと考える。
流れが悪くなった時は、冷静に企業のビジネスモデルの再検証をすることが最も望ましいことだと思う。
■今日のショット(若竹農場)

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