フィンティックセグメント・・・カード決済、家賃保証で稼ぐ金融事業
簡単に言うと上記の意味になる。今後小売業を立ち上げ、頑張って、収益企業にできるのだろうか。そう考えていて、「人」以外で弊害になりそうなことはデベロッパー企業の「金融事業化」ではないかと思った。近頃、イオンのカード戦略の拡大を感じていて、決算を見ていても「金融事業」を基幹にしようと動いていることがよくわかる。その先例であるマルイの事例を少し調べてみた。
我々世代のマルイは、「ヤングファッションをカードで買う店」だった。DCブランド全盛期のマルイ渋谷ファッション館(特に2階)は男1人では歩けないほど、華やかだった。それが今のマルイの店を見ていると、まずまず維持できているのは有楽町くらいではないだろうか。先日もぶらっと覗いたが、一時は基幹店だった上野店もコンセプトの見えないデベロッパービルになっていたし、新宿3館も同じだ。大阪のなんばマルイも駅前再開発で絶好の立地にもかかわらず、雑居ビル化している。渋谷も今は改装中でショールーム型の施設になるということだ。つまり、館のターゲットやフロアコンセプトを明確にした商業ビルではなくなってしまっている。
DC全盛時代マルイの決算を見ると、1991年売上高5628億、経常利益621億、そのうちフィンテック事業の営業利益は20~30%で「赤いカード」としてハウスカードの利益中心だった。最近の決算数字では2026年売上高2787億、営業利益502億と最高益であり、フィンテック事業は営業利益470億と大半を占めている。カード会員は2011年450万人が830万人になり、マルイ以外での利用が95%まで広がっている。売上高の減少は、小売業からデベロッパーへの変革で売上高が賃料収入に変わったことが大きい。つまり百貨店などの消化売上、委託売上などの物販売上から、場所貸しの賃料収入の売上に変わったということになる。
ここで、テナント側からの視点で見てみる。かつてモディ店舗に出店していたが、当初は商環境を考えたリーシングをしており、利益額は大きくはないが収益店舗だった。途中で完全にデベロッパー業へ方向が変わり、賃料優先の場所貸しに変わった。空き店舗に他のテナントにそぐわない異業種の導入が始まった。それと同時に売上は低迷し退店した。つまり、上記した現状のマルイ店舗のように変わっていった。おそらくかつてのマルイの物件は「駅前のマルイ」としての好立地であり、今の物件も不動産価値が高ければ個別に出店もあるが、商業としてのコンセプトがないため高層階に行くにつれてその価値はなくなっている。
マルイは今後もフィンティックセグメントを推し進めていくという。ただ、現状のヤング層の今後はそこまで明るくない。大幅な人口減と老齢化に向かっていく中、他のカード会社の生活感を持った戦略に太刀打ちできるのかは疑問が残る。その意味で、イオンのカード戦略は今後増え続ける高年齢層へのアプローチと考えていいかもしれない。
マルイが金融業で企業体制を変えたように、イオンもその方向に向かっている。大きなポイントは、年代別人口の変化により、エポスカードを使う場所よりイオンカードを使う場所の方が多くなってきているということだ。そしてその差は、今後ますます大きくなる。イオンが、あえて赤字のGMSを残しているのはそういう戦略があるからかもしれない。
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