近隣にできたヤオコーの事を書こうとして、なかなかうまくまとまらなかった。ヤオコーファンにとっては「こんな店でいいの?」というのが率直な感想なのだが、なかなかSM(スーパーマーケット)業界の優等生には書きにくい。ネット記事も「激戦区での巧みなドミナント戦略」など持ち上げる記事が多く、マイナスの文章を書けないという思いが先に立ち、うまく書けなかった。ただどうしても納得できないので思い切って、「これでいいの?」で書いてみる。

まず立地と環境だが、駅前にある既存店と500mくらいしか離れていない。駅近辺にマルエツが2店舗あったのだが、駅前ヤオコー出店で1店舗退店した。新店のヤオコーの300mくらいの距離に同規模のコープもある。駅方向とは逆の800m強の場所にはベルクが建設中だ。それ以外にオーケーやマミーマートもあり近隣のSMは非常に増えた。さらに車で10分のところにイオンモールまである。我が家の食品の買物は、戦略日(ポイントや全品割引)のイオンと駅前ヤオコーと決まっていた。

ところが、なぜかヤオコーの新店は、はっきり言うと良くない。買物も楽しくない。

おそらく、駅前のヤオコーとの差別化を図りたいのだろうということはわかる。駅前のヤオコーの特徴は個性ある惣菜とインストアベーカリーの強化などで高層マンションなど駅前顧客を引き付けている。事実、惣菜比率は高いようだ。ただ、そこから500m離れたところの新店でMDの差別化は図りにくいだろう。「車のまとめ買い、比較的広域」の一般的な品揃えを狙っているのだろうが、周りには個性ある敵(SM)が多すぎる。駅前と差別化戦略はとろうとしたが、その戦略は当然競合各社と大きく変わらない。

実際のところは、今回出店したヤオコーが一般的なヤオコーで、駅前のヤオコーが特色を打ち出した特別なヤオコーらしい。だが、その理論はヤオコーを知っている客にしか通用しない。便利に使っている現在の一般客には通用しない。業界人やヤオコー関係者は理解していても地元客は駅前ヤオコーがヤオコーだと思っている。その良さがなければ不満だし、そこにある商品が基準ラインになる。現実として、新店の総菜コーナーに特別感はないし、ベーカリーに至っては欠品だらけの状況だ。生鮮もパック商品が増えただけに見えるし、一般食品なども品目が増えただけという印象だ。個人的には買い物好きだが、買い物が面白くない。結局、近くにできたので3回くらい行ったが、買い物はもう駅前ヤオコーに戻った。見る限りだと、オープンして日もたっていないのに、客数は減っている感じがする。

もう1つ、SCをマスターリースしているようだが、テナント構成を真剣に考えていない。「ヤオコー」「ノジマ」「コメダ珈琲」ではあまりにも弱い。駅前物件のテナント構成も弱いが、もう少しテナントで差別化することも考えた方がいい。ヤオコーの面積から考えると1フロア7~800坪はあるように見える。家電はロードサイドに数多くあるしイオンモールにもある。そこを1フロア貸しにするのではもったいない。SCとして捉えるなら面白くないSCだ。個人的に想定テナントはあるが、もっと注力すれば、面白いテナントが集められる気がする。地元住民で、商業の専門家として言わしてもらえば、もっとテナントに対して力強く数字で説明すれば、条件次第ではあるが面白いテナントは集められると思う。実はこの近郊は、大きな商業集積がないこともあるが過小評価されている。住んでいるとよくわかる。

私事ではあるが、30年近く前、直営食品併設店舗のビブレの店長になった時、食品担当の先輩に「南古谷のヤオコーに行ってこい」と言われ何度かリサーチした記憶がある。その時からヤオコーは「SMの優等生」であり「SMの先生」だった。おそらく新物件の立ち上がりの数字は、想定した数字ではなかったと思う。ここからどう変えていくかを、お客様としてみせてもらう。ある意味、楽しみができた。

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