今年の夏の流れは、6月の大失速をカバーするためバーゲンの長期化で取り戻そうとしているが、去年と同様の流れでは6月分のマイナスを引きずるだけの結果になるように見える。事実、店頭を見ていても、ユニクロは値段を下げて夏物処理を急いでいるようだが、対極として無印良品の動きはマイペースで在庫処理が進んでいないように見える。大手はそれなりに機動力があると思うが、他社の動きはどうなのだろうか?おそらく去年ベースで夏物を手配していれば、夏物商品はだぶつく。

ユニクロはICタグとAIを活用してデータ分析し、リアルタイムに商品の消化予測をしている。その商品動向を毎週の「商売検討会」で話し合い、処理の指示を店舗へ一斉配信するようだ。当然レジシステムも連動されている。一般的に販売から4週間後に計画を下回っていれば即座に値下げ対象になる。ユニクロの店サイドの仕事は「売り込む」ことが業務であり、VP(ビジュアルプレゼンテーション)や細かな売場変更などでの売上管理が主業務になる。

少し話はずれるが、大昔の話をする。大昔は、商品についている値札は店で付けていたことが多かった。商品が入荷し、商品管理担当者が検品して、値札がない商品(半分ぐらい)は値付け場所に伝票をはさんで置いていた。その商品に値付けする担当者がいて値札を作り、かぎ針で値段をつけていた。それを売場に持ってきて、売場で値札の裏に品番やアイテム、取引先を書いた。毎日その売れた半券を持って帰り、売れている商品の分析をした。アイテムごとに売れている値段の分析、単品売上数のチェックなど単品管理表を作った。それをもとに追加発注や商品動向から値下げ処理をしていった。

さらに商品の値下げをするときは、値下げの詳細と金額のトータルを記入し、売価還元法で利益計算表を作成し、利益率ダウンを記入、今後の予定仕入額に合わせて期末の利益シミュレーションも作成した。そのシミュレーションを持って値下げ決済をもらった。その決済印を持って値付け担当者に赤札(値下げシール)を作成してもらい、それを値札に貼った。当然決済をもらうときは文句を言われた。今になって考えると、商売の仕組みを教えてもらったように感じる。

現状は、ユニクロ以外の大手小売業でも、一般に上記の値段を下げる作業以外では、入庫時のバーコードスキャンと売上時のレジでのスキャンでPOSデータとして単品管理されている。つまり、単品管理は非常に簡素化されている。当然手計算で行っていた数値管理も、データですぐ出てくる。さらにシステム上は、適正在庫日数を入力すればそれに合わせた、在庫処理の指示も出てくるようだ。ユニクロ式の業務が店の仕事であれば、ずいぶん店の仕事は単純なものに変わってきている。責任の所在が明確であればいいが・・・

では、店は売上だけを求めていけばいいのだろうか?値段の指示を待っていればいいのだろうか?ユニクロのようなシステムがない企業は、店の権限はどうなっているのだろうか?いろんな数値責任が明確でないと、店頭での仕事が混乱する。ここに企業力の差が出る。

ただ、売場を見ていると、大企業ほど販売が仕事で、処分計画や在庫、利益計画には携わってないようにも見える。安定した職業にはなるのかもしれないが、商売として面白いのかなと思ってしまう。

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