先日、「創業者一族からなぜ社長は出るのか・・・?」とアンドエスティHD(アダストリア)社長交代についてのファッション系ブログを読んだ。あくまでオブラートに包んだ書き方だが、前任の木村社長の交代に若干の「?」を匂わせる内容だった。ただ、木村氏は役員には名前がある。ちなみに、社長には創業者一族の福田社長が就任している。
企業は、経営者によってすぐ色は変わる。それは長い小売人生でずっと見てきた。そして創業者が優秀すぎると、後継者はその流れを変えられず軌道修正はしにくい。軌道修正しないとマイナストレンドは止まらないケースも多いし、さらに創業者のような思い切った対策が打てない。昨今の西武百貨店やイトーヨーカドーを見ていると全くその傾向通りで、目先の事ばかりやって、先を見ていない。長い歴史を持った呉服屋系百貨店は別にして、社歴の短い小売業はなかなか創業者を超える経営者は出てこない。やはり大企業の創業者はカリスマでその後の経営者は小さな軌道修正しかできない。ユニクロもイオングループも創業者の流れだし、家電大手もSM各社も創業者中心になっている。そうでないのは大手では無印良品くらいで、当初はセゾングループ代表の堤氏発案でのスタートだが、赤字転落後は第2創業者と言える松井社長の力量によるものが大きいのかもしれない。
いろんな小売企業を見てきて、創業者の力は非常に大きく、企業を導く視線は正確だ。小売業は、歴史が浅い企業が多いため、特にその影響力も大きい。
アダストリアについて書いてみる。アダストリアとはポイント時代からずっと見てきたし、個人的に、福田会長は小売業をやってきて一番の恩人だと思っている。一番驚いたのは、成功していたジーンズ業態店の「ポイント」を未練なくやめて、レディス業態(ローリーズファーム)をスタートさせたことだ。儲かっていた既存店をすべて捨て、全く別物にした。1号店は池袋パルコだと思うが「今後はこれをやっていく」と言ってあっという間に店舗を広げた。グローバルワークのスタートはマイカル本牧の「ネクストポイント」だったと思う。その後は大成長を重ね現状に至っている。
おそらく福田会長は、客層の幅の広い確固たる中心ブランドを作ることが企業の一番の課題と考えているのではないかと思う。つまり、今のグローバルワークをどれだけ大きくできるか、そして基幹ブランドとしてさらに成長を重ねられるかを、今後の企業の命綱と考えている。近年、少し小さい幹を広げすぎて、いろんなジャンル迄手を伸ばす流れを止めたかったのではないだろうか?新社長も「グローバルワークを売上1000億にする」と言っていることも、その考えを継承していく覚悟だと思う。
サラリーマン時代も含め、いろんな経営者を見てきた。そして自分自身も経営者になった。企業は、経営者の考え方でどうにでも変化する。全員が同じ考えを理解し共有することが理想形だ。そして、経営者の求めるものを達成させるべく、組織を変えていくのも自然の考え方だと思う。その中で創業者の見てきた道はたくさんあり、創業者の決定力には重みがあってしかるべきだとも思う。
■今日のショット(戸隠神社 奥社参道)

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