イオンの中間決算を見て、企業としての方向性が大きく変わってきていると感じた。

まず、金融業を大きな収益の柱に設定している。イオンはポイント販促戦略が主流になってきており、それは顧客拡大の意図を持ち、その顧客の財布を握っていこうとしている。そこには全国の顧客のつなぎ止めと拡大、そこから派生する金融面のビジネスの2面ある。

かつての中心業種だったGMS,SM事業の小売業は、高齢化や人口減少の環境下では厳しさを増している。中間決算でも赤字となっている。さらにイオンモールを中心とした国内デベロッパー事業は、もうすでに出店余地も少なくテナントMDも行き詰ってきており、以前のような伸びは期待できなくなっている。逆に、近い将来間違いなくマイナスに転じる。

そんな環境下で、GMSやモール(RSC)に変わってヘルス&ウェルス事業を企業のエンジンにしていこうとしている。現状の人口推移や年代別構成比を考えると足元商圏(狭商圏)の確保が必要になってくる。その意味で、流通業としてコンビニ事業が弱いのはウィークポイントになる。(「ミニストップ」は今回の中間決算でも赤字を計上している。)そんな中、中間決算でもヘルス&ウェルネス事業は営業利益596億であり、全体構成比の45.6%を占めてきている。「ツルハホールディングス」を連結にしたメリットは大きい。「大きなコンビニ機能」や「SM併設もあるドラッグストア」としてデイリー狭商圏での位置づけを高めていこうとしている。

さらに現状の中心事業でもある、デベロッパー事業は、視点を国外に向けて加速しており、東南アジア中心で海外戦略の強化拡大を図っていく。特にベトナム事業はすべての業種を巻き込んでの成長戦略として位置付けている。逆に、現状大きな収益を計上している国内RSCは完全に飽和状況にある。さらに、将来的には郊外人口の大幅減は避けられず、大きな売場面積を持て余すことは間違いない。そんな中、おそらく国内でのSCの狙い目はCSC(コミュニティSC)になってくる。昔のGMSの大きさでの「食品SM」+「テナント」の構成となってくる。ここでも「ヘルス&ウェルス」がプラス効果になってきそうだ。ただ、やはりデベロッパー事業は、国内よりも海外戦略が鍵を握る。

今までの中心カテゴリーだったGMSは縮小していかざるを得ない。このブログでも何度も書いているが、GMSの食品以外のメイン客層は高齢者になっている。さらに、GMSを縮小するにも、そこを埋めるべき代替えテナントがなくなっているのも現状だ。同様にSMも全国展開するメリットがどこまであるのかジャッジする時期にある。全国的な感覚では地方中心のSMに太刀打ちできてない。地方のSMの方がお客様をよく理解している。

冒頭にも書いたが、やはりイオングループは将来的に金融事業を収益の基盤に置いている。共通の金融基盤(イオンペイなど)でGMS、SM、ドラッグストア、SC(モール)の数千万人に上る客数を繋ぎこもうとしているように見える。さらにそこから得た購買データをもとに、AIと連動させ貸付やデジタルバンキングを積極展開させていける。小売の利益は小さくてもそこから生まれる金融面での利益拡大で収益を大きくさせていこうとしている。

もうイオンは小売業ではなく、小売は利益基盤である金融事業のの手段になっていく。それを考えればユニクロはすごい。 

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